大学受験の英語は「ブレークスルー」を引き起こして勝つ!

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大学受験の英語については、多くの受験生が「努力しているのに点数が取れない」と悩みます。時間を割いて取り組んでいるのに成績が上がらないのはあなただけではないのです。

では、英語の成績は「才能」で決まるのかというと、そのようなことはありません。語学スキルは「ひらめき」や「発想」では獲得できません。また、英語圏の外国で生活した経験がある人でも「受験英語」が不得意な人はいます。

それでは、過去問や参考書や単語帳にひたむきに向き合えばよいのでしょうか。それは悪くはありませんが、戦略を立てずに英語と「にらめっこ」しているだけでは、努力に見合う成果は得られないでしょう。

結局のところ大学受験は総合点で合否が決まるので、「英語の勉強にあれだけの時間を費やすのだったら、日本史を勉強していたほうがよかった」などと後悔するかもしれません。

英語の試験で高得点をたたき出すには、「ブレークスルー」が必要です。そして、一度ブレークスルーを引き起こせば、英語の成績の上昇は止まらなくなるでしょう。

ブレークスルーとは

ブレークスルー(Breakthrough)を辞書で調べると「突破口」「大きな進歩」「貴重な新発見」「画期的な手法」といった意味がみつかるはずです。しかしそれらは、英単語としての意味でしかありません。

英語の成績を上昇気流に乗せるためのブレークスルーとは、「困難な課題を完璧に解決する革新的な手法」という意味です。

受験英語は、ビジネス英語やネイティブたちが使っている英語とは違います。このネイティブとは、アメリカ人やイギリス人たちのように英語を母国語にしている人たちのことです。

また、受験英語には「正解」と「不正解」がありますが、ビジネス英語やネイティブたちの英語には明確な正解や不正解はありません。ビジネス英語とネイティブたちの英語はコミュニケーション手段なので、脳と心で思ったことを伝えることができればよいのです。しかし、受験英語の場合はそうはいきません。

大学が入試の英語の問題を作るとき、正解と不正解を用意します。そして受験生が正解を出せば点数がつき、不正解なら点数はつきません。つまり受験英語には、正解と不正解の間に「厳然(げんぜん)たる壁」があるのです。その壁を突き破ることこそが、ブレークスルーなのです。

ブレークスルーを引き起こすことは簡単ではありません。しかし、一度ブレークスルーを引き起こせば、英語の成績が落ちることはないでしょう。なぜなら壁はもうブレークスルーによって粉々に破壊されているので、不正解の領域に逆戻りすることはないのです。

ブレークスルーを引き起こすまでは大変ですが、大変な作業をするだけの価値は十分にあります。それをこれから詳しく解説していきます。

なぜ英語は「勉強しているのに」点数が取れないのか

ブレークスルーの引き起こし方を紹介する前に、なぜ受験英語は「勉強しているのに」点数が取れないのかを知っておきましょう。ここを押さえておかないと、ブレークスルーの引き起こし方を習っても実行できません。

英語試験の点数が上げにくい理由は、日本史の勉強と比べると明確になります。英語で勉強することと、日本史で勉強することを単純化すると、およそ以下のようになります。

英語で勉強すること日本史で勉強すること
英単語原始、古代史
英文法中世史(鎌倉時代、室町時代など)
長文読解近世史(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など)
英作文近代史(明治時代、政治史など)
ヒアリング近現代史(大正、昭和、戦前前後など)



英語で勉強することと日本史で勉強することの違いは、「それぞれの項目がそのほかの項目に関与しているかどうか」です。

英語の勉強は、それぞれの項目がそのほかの項目に深く関与しています。しかし、日本史の勉強は、それぞれの項目が、そのほかの項目にほとんど関与していません。

次のように加工してみると、さらにわかりやすいでしょう。

英語で勉強すること日本史で勉強すること
英単語原始、古代史
ヒアリング近現代史(大正、昭和、戦前前後など)



英語の場合、英単語ができなければ、どれだけ英語を聞いてもヒアリング試験で点数を上げることはできません。しかし日本史の場合は、原始、古代史の知識がなくても、近現代史の知識さえあれば、近現代史の設問に解答することができます。

つまり英語の試験の点数は、勉強することのすべてをひと通り押さえておかないと上昇しないのです。しかし日本史の場合、勉強した範囲が試験に出れば確実に点数を取ることができるのです。

なぜ英語は「勉強しているのに」点数が取れないのか?それはまだ全体を押さえていないからです。

ブレークスルーを引き起こすには「2つのこと」をするしかない

それでは受験英語の成績を飛躍的に向上させるブレークスルーの引き起こす方法を紹介します。実行することは、次の2つです。

・不安を払拭する
・コツコツやる

まず「不安の払拭」ですが、受験英語の勉強を始めて成績が上がらなくても不安に感じる必要はありません。極端な話ですが、受験日の前日にブレークスルーを引き起こせば、英語で合格点を取ることができます。そして英語の勉強で不安を感じると、効率的な学習ができなくなります。例えば「今日は英文法を勉強する」と決めたのに、英文法を勉強しながらヒアリングのことが心配になると、途中でヒアリングに手を付けてしまうようになります。これでは英文法の力もヒアリングの力もつきません。

英文法とヒアリングの成績が上がらない場合に重要なのは、「英文法をマスターすればヒアリング力もアップするはず」と信じ(※実際その通りです)、英文法の勉強に集中することです。
次に「コツコツやる」ことの重要性を説明します。ブレークスルーは、魔法の言葉でも最短ルートでもありません。最も愚直な方法でしか、ブレークスルーにたどり着くことはできません。特に英語試験の設問は、大学などの出題者が、コツコツ積み重ねていない人にはわざと解けないように作っています。

ブレークスルーはいつ起きるのか

では、不安を感じず、自分の勉強量と努力を信じ、コツコツと積み重ねていくとして、ブレークスルーは、いつやってくるのでしょうか。

「正しい方法で英語を勉強」していれば、早い人で3ヶ月後、遅い人でも6ヶ月後にはブレークスルーがやってきます。

なんの予兆もなくある日突然、過去問や参考書や模擬試験の問題が「見える」ようになります。設問を読み始めただけで、または、英語長文を2~3行読んだだけで、「出題者が何を問おうとしているか」が見えるようになるのです。しかし、念を押しますが3~6ヶ月後というのは、「正しい方法で英語を勉強」していればの話です。次は正しい英語の勉強法について詳しく見ていきましょう。

ブレークスルーを引き起こす正しい英語の勉強法

早速、ブレークスルーを引き起こす正しい英語の勉強法を解説したいのですが、その前に、次の設問に答えてください。英単語を日本語に、日本語を英単語にしてみてください。

1implication 11 利用できること
2crucial 12 評判
3subsequent 13 認める
4devise 14 それぞれ
5incorporate 15 強烈な
6readily 16 展望
7strain 17 優秀な
8distinct 18 閉じ込める
9eliminate 19 歩合
10privilege 20 取得する



答えは最終章の「まとめ」に掲載しました。もし高校3年生でこの英単語テストの7割(14点/20点)以上取れなかった人は、受験英単語が2,000語以上載っている英単語帳を1冊仕上げることをおすすめします。それを終えるまでは、他の英語の勉強はしなくてもよいくらいです。

教師や講師によっては「英単語を英単語帳で覚えるな。英語長文の文脈のなかで英単語を押さえよ」と教えることがあります。それは決して間違っていませんが、中級以上の受験生向けのアドバイスと言えます。先ほどの英単語テストで7割未満の人が大量の英語長文を読み始めると、一瞬で英語の勉強が嫌いになってしまうでしょう。しかし、受験英単語を2,000語ほど覚えれば、英語の勉強が急に好きになるはずです。なぜなら「見える」ようになるからです。

ブレークスルーを引き起こすには「現国」と「社会」を向上させよう

では、上記の英単語テストで7割以上獲得できたにもかかわらず、模試や学校の英語の試験で高得点が取れないのはなぜでしょうか。
それは「現国」と「社会」が弱いからです。大学受験の英語の試験には「トムがジェシーを好きになって花束を贈ることにしました」といったような簡単な内容は出ません。

大学受験の英語の試験には、日本語で書かれてあっても理解できない高度な文章が出ることがあります。

英語が苦手な人は、「目の前の英語を日本語に訳すことができれば問題が解ける」と思っています。もしくは「耳から入ってくる英語を日本語のように聴くことができたら、ヒアリングの問題に解答できる」と信じています。

しかしそうではないのです。出題された英語を日本語に置き換えることができ、さらにその日本語を理解できたときのみ、問題に正答できるのです。

必要にして十分な量の英単語が頭に入っていて、英文法や構文の知識も身についていて、それでも英語の試験の点数が上がらない人は、現国と社会の勉強に力を入れるとブレークスルーを引き起こすことができます。

現国の成績がよくない人には、英語と社会で必ず「天井」が現れます。天井とは「それ以上成績が上がらないポイント」のことです。ライバルたちより長く勉強していても、ライバルより成績が劣っているのは、現国の力不足で天井を作ってしまっているからです。

また現国の成績が上がって社会の成績が上がると、「不思議」と英語の成績もそれに釣られて上がっていきます。なぜなら、英語の試験問題をすべて日本語に翻訳すると、ほぼ「国語と社会の問題」になるからです。それでは最後に、現国と社会の知識が英語の成績を上げることを証明してみましょう。

日本語の論理が理解できれば英語も理解できる

以下の長文は、ある年のセンター試験に出題されたもので、大学入試センターのホームページにから引用しました(*)。

まずはこの英文を3回読み、大体の意味をつかんでみてください。また、この英文を3回読むまでは、先に読み進めないでください。

When you encounter unfamiliar things in a new environment, you may experience culture shock even in your own country.
When Tsubasa started college life away from his family, everything seemed exciting and new to him, but then he began to feel unexpected anxiety about his surroundings.
He realized people sometimes misunderstood him because of his regional accent and expressions.
He knew that his parents missed him very much because he was their only child.
He also noticed many of his classmates had learned various things in high school that he had never even heard of.
Everyone seemed smarter, more mature, and even more fashionable than he was. He was afraid he was already too far behind in everything.
However, it turned out that most of the other students had more or less the same feelings of anxiety he had.
Now, he enjoys studying at college without such feelings.



(*引用元:「独立行政法人 大学入試センター」https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00033158.pdf&n=h30+eigo.pdf

英文を3回読んでも「全然わからない」人や「なんとなくしかわからない」人は、次の日本語を読んでから、もう一度、英文を読んでみてください。

この英文は、翼君の大学生活での不安について書かれてある。
翼君は大学に入った当初、同級生たちがみんな優秀に見えてなじめなかった。
でもみんな同じ気持ちだと気がついて大学生活を楽しめるようになった。



いかがでしょうか。わずか3行の日本語を読んだだけで、長文の内容がだいぶ解読できるようになったのではないでしょうか。

これは、「日本語で理解できる内容は、それが英文になっていても理解しやすい」ことを体験するための実験でした。

英語を理解するには、論理的に理解するしかありません。しかし、日本人が英語で論理的に考えることは至難の技です。ならば日本語で論理的に考えるようにすればいいのです。

論理的な思考を身に付けるには、現国と社会の力をアップさせなければなりません。そうすれば英語でブレークスルーを引き起こすことができます。
現国と社会と英語の成績が深く関係していることは、実は当たり前のことなのです。なぜなら「英語の教科」は、日本人にとっては「外国語の教科」ですが、英語を話すネイティブたちにとっては「現国の教科」であり「社会の教科」だからです。

まとめ

これから英語を勉強するときは、「英語を勉強しよう」と思わないことをおすすめします。その代わりに、「英語を使って英語圏の現国と英語圏の社会を学ぼう」と思いながら英語の参考書に向かってください。

日本人が英語を学ぶのは、英語圏の国の現代社会などを知るためだからです。受験勉強であっても、その姿勢で臨めば英語に対する苦手意識も克服できるでしょう。

記事中の英単語テストの解答は以下の通りです。

1implication意味あい11access利用できること
2crucial非常に重要な12publicity評判
3subsequentその後の13acknowledge認める
4devise考案する14respectivelyそれぞれ
5incorporate取り入れる15intense強烈な
6readilyすぐに、快く16perspective展望
7strain重圧17brilliant優秀な
8distinct明確な18confine閉じ込める
9eliminate排除する19commission歩合
10privilege特権20obtain取得する



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