センター試験の数学。対策と解き方のコツを紹介!

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国公立の場合、文系であったとしても「数学」は高い確率でセンター試験の項目として入ってきます。
また、当然ながら、理系の私立大学を受けるのであれば、数学は避けては通れません。

どこまでのレベル(数学Ⅰ・Aか、数学Ⅱ ・Bか、それとも数学Ⅲ・Cか)が求められるかは、選択方法や学科によっても異なりますが、数学Ⅰ・Aまでは試験科目として求められることが多いでしょう。

今回は、この「数学Ⅰ・A」と、理系の大学を受けるときに必要になってくることの多い「数学Ⅱ・B」のセンター試験におけるポイントと対策について見ていきます。

数学の過去の問題傾向

センター試験は、何年かに一度大きく出題傾向が変更されます。
そのため、この「変換期」にあたってしまうと、まったく予想もしていないような問題が出されることもあります。

しかし、数学の場合は英語や国語(現代文・古典)とは異なり、基礎がしっかりできていればあまり点数のゆらぎが起きない科目として知られています。
また、変換期に当たらなかった場合、前年と似たような出題傾向がとられることも珍しくはないため、前年の出題傾向は押さえておくべきです。

数学Ⅰ・A

2018年の数学Ⅰ・Aについて見ていきましょう。

このときは、「数と式」「集合と命題」「二次関数」 があわせて30点、「図形と計量」「データの分析」があわせて30点、「場合の数と確率」が20点、「整数の性質」が20点、「図形の性質」が20点という配点でした。

数と式~二次関数・・・一般的な数学の問題であり、比較的解きやすいでしょう。
また、「集合と命題」では、集合の必要・十分に条件を理解しておくことを前提としています。

記号をしっかりと理解しておけば、それほど苦戦することはないはずです。
最小値を求める問題は、過去のテストでもよく見られます。
この項目の場合、ケアレアミスをせず、注意深く解いていけば大きく点を落とす可能性は少ないでしょう。

図形と計量~データの分析・・・余弦定理(sinやcosなど)を問われる問題です。 2018年では、台形の形状を読み解く問題も出されました。

ヒストグラムなどを読み取る問題が、「データ分析」の項目で出題。
2018年の場合、この項目はいずれも比較的新しい出題傾向がみられました。
そのため、単純に「数式や公式を覚えていること」ではなく、「それをきちんと理解し、応用できること」が求められたといえます。

場合の数と確率・・・なじみ深い、さいころを使った出題です。
きちんと読み解き、反復練習的に勉強してきた人であるならば、それほどとまどうことはないでしょう。

整数の性質・・・一次不定方程式などについての問題です。
近年はこれがよく好まれ、3年間連続で出されています。

2019年のセンター試験ではまた変わる可能性もありますが、それでも、しっかりと押さえておくべき項目だといえます。

「図形の性質」・・・二等分線などについて問う問題です。
前年までとは異なる出題傾向もみられました。
まさに「図形の性質そのもの」を理解しておくことが必要だった項目です。

数学Ⅱ・B

より専門的な知識が問われる「数学Ⅱ・B」について見ていきましょう。

2018年においては、「三角関数」「対数関数・指数関数」があわせて30点、「微分・積分法」が30点、「数列」が20点、「平面ベクトル」が20点、「確率分布と統計的な推測 」が20点という配分でした。

三角関数~対数関数・指数関数・・・弧度法(円を描き、そのなかに三角形を書く。扇形の弧の長さと、円の半径の長さを、比率で表すもの。単位はラジアン)を基本とする問題です。
弧度法を理解していれば難しくはないものの、従来のセンター試験ではあまり見られなかったかたちの問題です。

不等式を問う問題の方は、今までのセンター試験とあまり変わりません。
基本を押さえて、しっかりと解いていけばとまどうことは少ない問題だったといえるでしょう。

微分・積分法・・・放物線と接線を基本とする問題です。
ここでは「微分・積分法」とまとめましたが、応用も問われます。

あやふやな知識ではなく、原理の理解まで学習が進んでいるのであれば、得点源となるでしょう。

数列・・・等比数列などに関する問題です。
計算がやや複雑になる傾向があったため、教科書以上の学習が求められた項目でもあります。

「平面ベクトル」・・・数学Bの管轄である、平面ベクトルに関する問題です。
問題への高い読解力と、しっかりとした計算力が必要で、難易度は高い傾向にありました。

「確率分布と統計的な推測」・・・平均・分散などを問う項目です。
教科書をしっかり理解し、何度も反復練習を繰り返してきたという人であるならば、それほど苦戦はしなかったかもしれません。

数学Ⅰ・Aの場合の平均点は48.96点、数学Ⅱ・Bの場合は57.12点でした。
数学Ⅰ・Aの場合は平年通りの、数学Ⅱ・Bの場合は2015~2016年に比べればやや高い水準(2015年は平均点が40点を切っていました)であったといえます。

数学Ⅰ・Aの対策・コツ

数学Ⅰ・Aの場合は、平均点の高さからもうかがい知れるように、数学の基本が問われます。
これの理解が不十分であった場合、数学Ⅱ・Bでも行き詰まることが予想されます。

2018年の春の段階で、「まだぼんやりとしている」「なんとなく解いてきてしまった」という人は、まずはここを固めることから始めましょう。

求められる能力とは

数学Ⅰ・Aでは、「計算力」が求められることもあります。
たとえ正しい式を求める力や、原理に対する深い理解があったとしても、計算力が足りなければ得点につながりません。
また、計算を早く行うことができれば、複雑な問題に取り組むための時間も残しやすくなります。

問題数が多い傾向にあるときは、特にこの「計算力」が求められます。
正しい計算ができることはもとより、スピードも必要になります。

これには反復練習が重要です。
すぐに成果に結びつけることは難しいのですが、何回も解いていくことによって、徐々に身についていくでしょう。

二次関数は、数学Ⅰ・A(数学Ⅰ)のもっとも重要な分野のうちの一つです。
そのため、例年、必ずこれがセンター試験の問題としてあがってきます。

平均点が高めであることからも分かるように、数学Ⅰ・Aの二次関数の問題では、それほど複雑化した問題は出されません。
教科書をしっかり読み込み、解くだけの力をつけていれば、得点源になりうる項目です。

数学に苦手意識を持っている人であっても、点数に結びつけやすいのでしっかりと勉強をしておきましょう。

高い得点を目指すために

数学Ⅰ・Aで高い点数を取りたいと考えるのであれば、基本的な公式を押さえることがまずは大切です。
幸い数学Ⅰ・Aの場合は、基本の公式・定理もそれほど多くはありません。

これを学習する時には、「どうしてこのような公式になるのか」「(その公式が適用できない問題に対して)どうしてこれが適用されないのか」も一緒に考えていきましょう。
理解を深めることで、見慣れない応用問題が出てきても対処しやすくなります。

「計算力をつけることの大切さ」は、すでに述べた通りです。
定理や公式を覚える勉強をしていると、しばしば、「この問題は理解できたから、計算まではしなくても大丈夫だ」と計算を飛ばしてしまうこともあります。

しかし、計算は反復で練習しなければ、速くなりません。
また、ミスも起こしやすいところでもあります。

ケアレアミスをしてしまうと、「せっかく理解ができていたのに、点数につながらなかった」ということになりかねません。
この「計算のミス」は、一度解答を出した後に、再度ミスがないかチェックするだけで、そのリスクを大きく下げることができます。

数学は「時間のなさ」がネックになってくる科目ではありますが、「一問多く解くよりも、十問のチェックを行うことが大事」という認識を持って、しっかりと確認していきましょう。

数学Aに分類される「図形」は、どうしても「図形の知識」だけで解こうとしてしまいがちです。
ところが実際は、数学Aの分野である「図形」であっても、数学Ⅰの分野と密接に関わっています。
数学Ⅰの知識も使って、数学Aの図形問題にアプローチしていきましょう。

図形の問題は、単純に「与えられた図形」「問題集に載っている図形」だけを見て解くものではありません。
自分自身でも実際に図を描いてみることも必要です。
図を描くことによって、より深く図形問題を理解できます。

今までずっと数学に苦手意識を持っていた人が、自分自身で図形を描き、可視化してみることで、まさに目の前の霧が晴れたかのように一気に成績が上昇したというケースもあります。

数学Ⅱ・Bの対策・コツ

ここからは、数学Ⅱ・Bの対策とコツについて見ていきましょう。

数学Ⅱ・Bは、数学Ⅰ・Aとは異なり、応用力や数学自体への深い理解が必要となります。
そのため、基礎をしっかり固めたうえで、そこに「理解力」「応用力」といったものを積み重ねていくことが求められます。

求められる能力とは

数学Ⅱ・Bの場合でも、やはり「計算力」は強く求められます。
複雑で煩雑、時間がかかる計算方法は避け、スピーディーに正答に行きつくだけの計算力を身につけましょう。

試験勉強をするときは、最初は、遅くても確実に解いていく姿勢がよいかもしれません。
しかし、ある程度慣れたのであれば、模試のようなかたちで、実際の試験時間に合わせて勉強していくことが求められます。

数学Ⅱ・Bでは、三角関数や対数関数、指数関数などの関数の問題がよく出されます。 一つひとつに対して、きちんとした知識をつけておきましょう。
また、それぞれが持つ性格の違いを熟知して解いていくことが求められます。

微分・積分は数学Ⅱ・Bのなかでももっとも重要な部分です。
例年必ず出されるものであり、これを除いては数学Ⅱ・Bは語れません。

逆を言えば、得点源にもなりうるところです。
苦手意識を持たず、反復練習で解いていきましょう。

数学Ⅱ・Bでは、図形問題でもある程度の応用力や複合的な力が求められます。
「図形だけの問題」「図形についてだけ理解していれば、100パーセント正答が得られる」とは限りません。
数学全体に対する理解が必要ですから、意識的に取り組むようにします。

高い点数を得るために

「試験と同じ長さで時間設定をして解いていくこと」を上述しました。
しかし数学Ⅱ・Bを得点源としたいのであれば、より短い時間で解けるようにしておきましょう。

「得点源にもなりうる」とした微分・積分は、配点が高い傾向にあります。
「出るところが決まっていて」「配点が高いところ」であるため、これを勉強しない手はありません。

多くの人が苦手とする「数列」も、しっかりと意識して勉強をしておきましょう。
ライバルたちに大きく差を付けられる部分でもあるからです。

問題文を見たときに「これはどのような性質を持っている数列か」を見分けられるようにすることが重要です。

おすすめの勉強方法

数学Ⅰ・A

数学Ⅰ・Aは、文系でも試験科目として出されることが多いものです。
「文系なので数学は苦手だ」と苦手意識を持っている人も多いかもしれませんが、「嫌いで苦手」だった人が、1年間で50点近く(100点満点)も点数を上げることができたという事例もあります。

数学Ⅰ・Aは数学の基本であるため、しっかりと学べば、その分点数を上乗せし安定化させることが易しい科目だといえます。
計算力をしっかり身につけ、基本を押さえましょう。

問題数の多さに慣れるために、「時間」を意識して解くことも必要です。
また、本番に向けて、「解き終わった後の問題をチェックすること」の大切さも重要になります。

数学Ⅱ・B

数学全体への深い理解が問われます。
時間が足りなくなることが予想されますから、試験時間と同じもしくはそれより短い時間で解けるように訓練するようにしましょう。

同時に、センター試験で出される問題よりも難易度の高い問題に取り組めるようにしておくとよいでしょう。
短い時間で解くことや難易度の高い問題に取り組むことは、実際のセンター試験で緊張せずに受けられるというメリットにつながります。

また、数学Ⅱ・Bの場合、「苦手分野」があるとかなり戦いは厳しくなります。
苦手な分野から目をそらさず、それをしっかりと克服していきます。

勉強の最中で、「これは数学Ⅰ・Aの知識が足りないため、解くのに苦戦しているのだ」とわかったときは、勇気をもって数学Ⅰ・Aの勉強に戻ることもおすすめします。

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