大学受験の勉強はいつから始めるべきか。「高2の6月ベスト説」とは

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大学受験の勉強は、いつから始めるのがベストなのでしょうか。
英才教育を受けさせて子どもをトップクラスの大学に進学させたい親であれば、「1日も早く1日でも長く受験勉強をさせたい」と考えるかもしれません。
大学のブランドにこだわらない人や半ば浪人を覚悟している人は、「大学受験なんて半年あれば十分」と考えるかもしれません。しかし、これらはどちらも極端すぎる考えかもしれません。今回は、「高校2年の6月スタートがベスト説」をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

なぜ高校2年の6月スタートがベストなのか

冒頭でいきなり「高2の6月」という具体的な時期を示しましたが、そもそもなぜ高校2年の6月に受験勉強をスタートさせることがベストなのでしょうか。
高2の6月から始めると、入試が行われるのは高3の2月なので、受験期間は1年9ヶ月になります。この2年足らずの期間は、1つの物事に打ち込む期間としては長すぎることもなく、短すぎることもありません。
受験期間を長くしすぎると、ダラけてしまったり、飽きてしまったり、集中力が途切れたりしてしまいます。そうなると、試験直前の追い込みに力が入らず、受験に失敗してしまう可能性があるのです。
逆に期間が短すぎても、十分な学力を積むことができないため、これも失敗の要因になりかねません。

また、高2の6月から受験モードに入ることのメリットとして、「2回の夏休みを受験勉強に使うことができる」という点が挙げられます。合格をたぐり寄せるには高3の夏休みを制する必要がありますが、高2の夏休みで「夏勉強の練習」ができるわけです。それでは、さらに詳しく高2の6月スタートベスト説を解説していきます。

なぜ部活を一生懸命やっている同級生の成績はよいのか

高2の6月から受験勉強をスタートさせるということは、高2の5月までは受験勉強を始めないということでもあります。

しかし、学校の勉強は「普通の勉強」として、高1からやっておく必要があるでしょう。学校の中間テストや期末テストは進学にも少なからず関わりますので、普通に好成績を目指しましょう。
むしろ、普通の勉強は小学校から、または中学校から始めていくことをおすすめします。
最近は、極端に低学力の生徒が猛勉強をして有名大学に入るストーリーも注目されていますが、これは現実的ではありません。
真似するのはとてもリスキーですし、「早いうちから勉強する癖をつける」に越したことはありませんので、あえて勉強を怠る必要はないでしょう。

ただし、「普通の勉強」と「受験勉強」はしっかり区別してください(これら2つの違いは後述します)。

なぜ受験勉強を高2の5月までしないほうがよいのかというと、受験モードに入ると、そのほかの高校生活が疎かになってしまう可能性があるからです。

高校生活は決して受験勉強だけではありません。10代の恋は、人生で最も感情が動く出来事のひとつです。そして高校時代の友情は、人生の宝にもなりうる大切なものなのです。
また、趣味や部活動などを通じて高校時代に始めたものは、大人になっても打ち込むことができる可能性があります。

また、「恋も、友達と群れることも、部活も、受験勉強の邪魔になる」と主張する人がいますが、正しい考えとはいえないでしょう。例えば、部活の部長を務めるような人は、勉強も両立できているケースが多いです。なぜこのような現象が起きるのでしょうか。

それは、常に一生懸命生きているからです。受験は「戦争」と呼ばれることもあるほどですから、一生懸命取り組まなければ勝てません。
高2の5月までは「普通の勉強」と「恋、友情、部活動など」に集中していれば、一生懸命生きる生活が身につきます。そうすることで、高2の6月からの受験勉強にも一生懸命取り組むことができるのです。

「普通の勉強」と「受験勉強」の違い

先ほど「普通の勉強」と「受験勉強」という表現をしましたが、ここで普通の勉強と受験勉強の違いについて詳しく解説していきます。
普通の勉強とは、学校の教師の教えをしっかり復習して、学校の授業の理解を深めるために予習をすることです。学校の教科書や学校から支給される副教材を覚え、基礎学力を身につけることを目的とします。

一方、受験勉強は大学受験に特化した勉強のことです。すでに理系・文系のどちらを専攻するか決めた人は、理系または文系の勉強に特化します。

志望大学の入試の理科が物理だけならば、物理に特化して勉強します。特化とは、とことん深掘りする行動のことです。受験勉強の特徴は「特化」なのです。
仮に入試の社会に日本史しかなければ、日本史に特化して勉強します。英語も志望大学の英語試験の傾向に特化した勉強をします。

学校での授業は一般的な内容しか教えません。そのため、いくら普通の勉強を積み重ねても、受験テクニックにはつながらないのです。
受験で勝つには、受験に特化した勉強と受験テクニックが必要になります。だからこそ、最低1年9ヶ月(高2の6月~高3の2月)は集中して取り組まなくてはなりません。
大学受験では、普通の勉強モードから受験勉強モードにきっちり切り替えられるかどうかも重要なのです。

なぜ受験勉強のスタートが早すぎるとダメなのか

高2の6月までは受験勉強モードに入らないほうがよい理由について、人の集中力の観点からも考察を加えてみましょう。

高校3年間、常に受験勉強モードを続けることは困難でしょう。ましてや、中高一貫校の生徒が6年間ずっと受験勉強モードを継続することは不可能に近く、もはや修行の域と言っても過言ではありません。

3~6年間にわたって1つのことだけに打ち込むことができる人は、一種の天才といえるでしょう。そのような「集中の天才」は、ほんのひと握りの人に限られるのが実際のところです。
そのため、集中の天才でない人が高1から受験勉強を始めてしまうと、途中で息切れする可能性も高くなってしまいます。
仮にその息切れが高3の夏休み直前に訪れてしまったら、受験に黄色信号が灯ってしまうのです。

それこそ42.195キロを走るマラソン競技の練習でも、ただ走り込めばよいわけではありません。「毎日40キロ走っていれば、本番で楽々走ることができる」と考える人もいるかもしれませんが、マラソン選手たちはむしろ練習しすぎないようにしています。
40キロのランニングは、体に甚大なダメージを与えるほどハードなものだからです。つまり、マラソン選手には「走る力を蓄えること」と「自分の体を守ること」の2つの作業が求められているのです。
マラソン選手が試合の日にベストタイムを出せるようにするには、軽い運動をする時期、筋トレをする時期、自分を追い込む時期、休む時期を組み合わせなければなりません。

受験勉強も、マラソン競技と同じです。あれだけハードな勉強は、高校生の体と心にダメージを与えます。そのため、高校生は学力を蓄える一方で、自分の体と心も守っていかなければならないのです。
だからこそ、高2の5月までは、徹底的に体と心を守る防御力を身につけるようにしましょう。先ほど紹介した「恋、友情、部活動など」に集中することは、まさに心と体の強化にもつながっていくでしょう。
しかも、高校2年の5月まで「恋、友情、部活動など」に思う存分集中すれば、6月から思い残すことなく受験勉強だけの生活に切り替えることができます。

受験勉強を成功させるには、脇目も振らずに授業や講義に集中する必要があります。100%受験勉強に打ち込むには、遊びたい気持ちや勉強したくない気持ちを断ち切らなければなりません。そのためにも、高2の5月までに「恋、友情、部活動など」打ち込んでおくことが大切なのです。

部活については、必要に応じて受験勉強と両立する必要もでてきますが、部活によって受験勉強の時間が減れば、いい意味での「あせり」が生じ、勉強時間の集中度が増します。
可能であれば、高2の6月からは部活の活動をセーブすることをおすすめしますが、大切な大会などを控えているのであれば、無理をしてまでセーブする必要はないでしょう。

なぜ受験勉強のスタートが遅すぎるとダメなのか

受験勉強の開始時期は早すぎることも禁物ですが、遅すぎることはさらに禁物です。
受験勉強のスタートが遅いと、単純に勉強時間が減ってしまうため、十分な学力をつけられません。

例えば、高2の9月から受験モードに入ると、高2の夏休みを「非受験モード」で過ごしてしまうことになります。これは、受験の結果を大きく左右する高3の夏休みに「練習なし」で臨むということです。

学校の授業がない自由時間のすごし方は意外に難しく、学力の差がくっきり出てしまうので、やはり高2の夏休みで「どのような過ごし方が適切なのか」をはっきりしておいたほうがよいでしょう。

学校の時間割は実はとても合理的にできていて、授業は45分や50分など、集中が続く時間で区切られています。45分(または50分)勉強してから強制的に10分休憩する繰り返しは、勉強にリズムをつけるのです。しかも学校の授業は集中力が高まる午前中に集中しています。
そして登下校は、生活をリズミカルにします。

ところが夏休みに入ると、勉強のリズムも生活のリズムも自分で作らなければなりません。しかも予備校や塾の夏期講習に出るとなると、さらにリズムづくりが難しくなります。
だからこそ、高2の夏休みを有効的に使って夏勉強の練習をしておくことが大切なのです。

高2の6月から試験日までのスケジュール

高2の6月から高3の2月までの1年9ヶ月のスケジュールを見てみましょう。 このスケジュールを参考にして、教師や親や友人たちと相談しながら自分なりのアレンジを加えてみてください。

高2の6月1年9ヶ月の勉強計画を立てる
志望大学の試験に合わせた参考書と問題集を大量に購入する
7月夏休みの計画を立てる
夏勉強を実行する
8月夏勉強を実行する
9月夏勉強の反省をして、年内の勉強計画を立てる
10月勉強計画を実行する
11月
12月勉強計画を実行する
年内の反省をして新年の勉強計画を立てる
6月に立てた1年9ヶ月の勉強計画を見直す
大晦日も勉強する
翌年の1月元日も勉強する
新年の勉強計画を実行する
2月勉強計画を実行する
3月
高3の4月勉強計画を実行する
参考書や問題集を買い足す
5月予備校の模試を受け始める
6月夏休みの計画を立てる
7月夏勉強を実行する
夏期講習に参加する
8月夏勉強を実行する
夏期講習に参加する
9月夏勉強の反省をして、年内の勉強計画を立てる
10月年内の勉強計画を実行する
11月
12月年内の勉強計画を実行する
新しいことはインプットしない
これまで学習したことを記憶に定着させる
大晦日も勉強をする
翌年の1月元日も勉強する
新しいことはインプットしない
これまで学習したことを記憶に定着させる
入試を受ける
2月これまで学習したことを記憶に定着させる
入試を受ける

 

高校1年生の君へ:高校生活の前半のすごし方が重要

もしあなたが現在高校1年生なら、高校生活を充実させて受験で勝利するには、高校生活の前半の過ごし方が重要であることを覚えておいてください。
まずは日常的な「普通の勉強」をキープしつつ、やりたいことに集中しましょう。大学に進学したい気持ちがあっても、今の段階では受験専用の勉強を気にする必要はありません。それよりも、「恋、友情、部活動など」に全力で取り組んでみてください。

そして2年生に進学したら、6月から受験モードに入ることを決意しましょう。そのためにも、2年生の4月と5月はラストスパートで「恋、友情、部活動など」に没頭してください。
メリハリをきかせた生活こそが大切です。

まとめ~したたかな戦略と柔軟な変更

高校生には多感さと思春期特有の心の乱れが生じるので、3年間の生活を無事に送ることは簡単ではありません。そこに受験という人生を左右する世紀のイベントが加わるので、ますます大変になるでしょう。

しかし、これらを制御できなければ、高校時代の思い出づくりと志望大学合格の2冠を手にすることはできません。
大学受験に挑戦する高校生は、したたかな戦略と柔軟な変更を心がけてください。受験の敵は全国の同学年生と浪人生、そして自分です。これらの敵に打ち勝つには、戦略を立てなければなりません。
一度立てた戦略に狂いが生じた場合は、柔軟に変更する勇気を持ちましょう。特に尊敬できる教師や先輩に出会い、有効なアドバイスをもらったら、ためらわず戦略を練り直しましょう。
愚直に続けることと、常によりよい方法を実行する行動力でしか、志望大学入学の切符は手に入りません。
メリハリをつけながら一度きりの高校生活を楽しみつつ、受験に立ち向かっていきましょう。

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