浪人をきっかけに志望校のレベルを上げるべきか、迷っている人も多いのではないでしょうか。レベルを上げることで得られるメリットはあるものの、現実的な学力との差や勉強量の増加に注意が必要です。
本記事では、志望校のレベルを上げる際に押さえるべき注意点や、後悔しないための準備・戦略も解説します。浪人生活を有意義にするヒントを得たい方は、ぜひ参考にしてください。
志望校のレベルを上げる浪人生の特徴
浪人をきっかけに、志望校のレベルを上げる受験生もいます。なぜ志望校のレベルを上げるのか、共通点を知ることで、自分の可能性も見えてくるかもしれません。
以下では、志望校のレベルを上げる浪人生の特徴について見ていきましょう。
現役時代にあと一歩で合格だった
浪人して志望校のレベルを上げる人の多くは、現役時代に「あと一歩で合格だった」層です。模試の判定でB・C判定を取り続けていたり、過去問で合格ラインに届いていたりと、実力がある程度備わっていた人が該当します。現役時代に悔しい思いをしつつも、「あと少し勉強すれば届いた」という実感があるため、浪人生活に前向きに取り組む原動力になります。
また、目指していた大学よりも、さらに上を目指そうとする意欲にもつながりやすく、結果として志望校のレベルを上げる選択肢も見えてきます。
現役時代に比べて学力が向上している
浪人生活を経て、明らかに学力が伸びている人は、志望校のレベルを上げる傾向があります。現役時代に比べると使える時間が多いため、自分で立てた学習計画を着実に実行できる人は、学力が大きく向上するでしょう。
浪人生活では自由な時間が多い分、自己管理能力が必要です。時間をダラダラ過ごすのではなく、毎日の学習にコツコツと取り組むことで、実力は着実に向上します。また、予備校や参考書の活用、過去問の徹底分析など、勉強法にも工夫が見られるのが特徴です。
浪人生活を通じて、現役時には理解できなかった部分がわかるようになると、「少し上の大学でも目指せるかもしれない」という自信も、自然と生まれるでしょう。
浪人で志望校のレベルを上げるメリット・デメリット
浪人をきっかけに志望校のレベルを上げることは、大きな挑戦であると同時に、自分をさらに成長させるチャンスでもあります。その一方で、目標が高くなる分、リスクや負担も伴います。
以下では、浪人をきっかけに志望校のレベルを上げるメリットやデメリットについて、見ていきましょう。
浪人で志望校のレベルを上げるメリット
浪人をきっかけに志望校のレベルを上げるメリットは、新たな目標によって勉強へのモチベーションが高まりやすくなる点です。現役時代に「あと少しで届きそうだった」大学よりも、もう1段階上の大学を目指すことで、自分の限界に挑戦しようという意欲が湧いてくる人は少なくありません。
模試の結果や過去問演習で手応えを感じていた人にとっては、「今年はもっと上を目指せるかもしれない」という前向きな気持ちが、勉強に対するモチベーションになるでしょう。
また、志望校のレベルを上げたことで日々の学習にも緊張感が生まれ、自然と質と量が伴った勉強を行えるようになります。さらに、高いレベルの問題に取り組むことで、学力の底上げにもつながり、結果的に複数の大学に合格できる力が身につく可能性もあります。
浪人で志望校を上げるデメリット
浪人をきっかけに志望校のレベルを上げることには、精神的・肉体的な負担も伴います。自分の学力に対して目標が高すぎる場合、日々の勉強が苦痛に感じられたり、模試の結果に落ち込んだりしてしまうこともあるでしょう。目標が高すぎると、「どうせ無理だ」とネガティブな思考に陥り、モチベーションが低下するリスクもあります。
また、難関校を目指すほど、必要な勉強量も増加します。基礎の復習に加えて、応用問題や過去問演習にも時間を割く必要があり、計画的に取り組まなければ精神的に疲弊してしまいます。さらに、浪人生活自体が孤独に感じやすく、サポート体制が不十分だと心が折れやすくなることもあるかもしれません。目標設定は高すぎず、現実的なバランスが大切です。
浪人生が志望校のレベルを上げる際の注意点
先述したとおり、浪人をきっかけに志望校のレベルを上げる人は多いですが、その分リスクも伴います。確実に合格するには、冷静な判断と戦略的な準備が欠かせません。
以下では、浪人生が志望校のレベルを上げる際の注意点について解説します。
確実に合格できそうか慎重に判断する
浪人をきっかけに志望校のレベルを上げる際は、「本当にその大学に合格できそうか」という視点での冷静な自己分析が欠かせません。理想だけで志望校を決めてしまうと、合格する可能性は低くなります。
自分の模試の判定や学力と志望校の偏差値に大きな差がある場合、ギャップを埋めるには相当な努力と時間が必要です。また、浪人生活が長引くことで、同世代との年齢差が生まれ、就職活動や社会人生活のスタートが遅れてしまいます。
志望校のレベルを上げるかどうかは、過去問との相性や模試の判定、現時点の実力などを総合的に見て判断しましょう。相応のレベルか判断が難しい場合は、予備校・塾の先生や進路指導のプロなど、第三者の意見を聞くのも有効です。
併願受験も視野に入れる
志望校のレベルを上げる際には、第一志望校に固執しすぎず、併願校の選定も計画的に行うことが大切です。
第一志望の大学にこだわることは、不合格になった際に伴うリスクを大きくしてしまいます。併願校を視野に入れることで、受験の精神的なプレッシャーを軽減し、滑り止めを確保しておく安心感にもつながるでしょう。
また、志望校のレベルを上げたことで、以前考えていた併願校が滑り止めにならなくなるケースもあります。たとえば、「早稲田を第一志望にしたけれど、MARCHも十分チャレンジ校になってしまった」というケースでは、安全圏の大学を別に確保しておく必要があります。
浪人生が志望校に合格するための戦略と準備
志望校のレベルを上げるなら、感情や勢いだけでなく、明確な戦略と準備が必要です。ここからは、志望校に合格するための実践的な取り組み方を紹介します。
過去問分析とスケジュールの組み方
浪人生活では、過去問の徹底的な分析が合格への第一歩となります。出題傾向や頻出分野を把握することで、狙いを定めた効率的な対策が可能になるでしょう。たとえば、英語では長文読解が多い、数学は記述中心、など大学ごとの特色を把握することで、重点的に対策すべき科目や単元が明確になります。
次に大切なのは、スケジュール作成です。「年間・月間・週間」の3つの視点で学習計画を立て、無理なく継続できるペースで進めましょう。過去問演習は、直前期に詰め込むのではなく、年間を通して段階的に取り入れるのが理想です。
また、復習を前提にしたスケジュールを組むことも忘れずにしましょう。過去問を解いて終わりではなく、「できなかった理由を明確にし、次に活かす」ことが学力の向上につながります。
自己管理が続く仕組みのつくり方
浪人生活は使える時間が多い分、自己管理が必要となります。しかし、「今日はやる気が出ない」「何をすればよいのかわからない」と感じる日もあるでしょう。学習ペースを乱さないようにするには、自分なりの「仕組み」を用意しておくことが重要です。
たとえば、日々の勉強時間や内容を記録する「学習ログ」をつけると、自分の進捗状況がひとめでわかり、振り返りやすくなります。さらに、モチベーションが下がりそうな時期には、週に一度ご褒美デーを作る、仲間と進捗を共有するなど、楽しみや刺激を取り入れるのも効果的です。
自己管理に不安がある人は、塾や予備校など外部のサポートを活用してみましょう。
まとめ
浪人をきっかけに志望校のレベルを上げるかどうか悩んだときは、今の学力や目標を冷静に見つめ直し、実行可能な学習環境を整えることが大切です。
自分に合った戦略で学べる塾や予備校を選ぶことで、効率的な学習を行えるようになります。塾・予備校選びに迷ったら、「オススメ予備校一覧ページ」も参考にしてみてください。