【良質な睡眠が合格への鍵】大学受験時の睡眠時間・睡眠のとり方を解説

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「今日は4時間しか寝ずに勉強した」「毎日睡眠時間を削って机に向かっている」など、努力をしているにもかかわらず、結果が出ないのはなぜなのでしょうか?実は、睡眠不足の状態での「勉強したつもり」は、成績アップにつながりません。

ここでは、眠らずに勉強することが成績アップにつながりにくい理由や、脳の働きや睡眠サイクルと記憶力の関係などとからめつつ、解説していきます。十分かつ良質な睡眠は、合格への鍵となります。

大学入試本番に向けて生活スタイルを見直し、良質な睡眠をしっかりとるための方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

眠らずに勉強する≠成績アップ

「睡眠時間は大学受験の合否を左右する」ともいわれています。しかし、これは「睡眠時間を削れば削るほど成績が上がる」という意味ではありません。大学受験での成功をつかみとるためには、睡眠時間に関して以下のようなことを意識しておくことが大切になります。

・適切な睡眠を確保して、脳がベストな状態で働く環境を作る
・体調を整えて精神的にも余裕のある状態を維持する

勉強時間を確保することはもちろん大事です。とはいえ、眠い目を何とかこじ開けて机に向かっても効率的な勉強ができるわけではありません。これは、たくさんの人が実感していることではないでしょうか。例えば、以下のような人は睡眠時間が不足している可能性があります。

・つらい思いをして起きているのに思うように成績は上がらない
・頭痛や肩こり、便秘といった健康面での不安が出てきた
・不安感が強くネガティブ思考に陥りがち
睡眠不足の状態に陥ることは、受験生のみなさんにとって決してプラスではありません。「眠らずに勉強する≠成績アップ」ということを、よく肝に銘じておいてください。

受験生でも1日6時間は睡眠時間をとるべきなのはなぜ?

受験生にとって、睡眠時間の管理は非常に重要です。睡眠不足の状態に陥らないだけの睡眠時間を確保しつつ、眠りすぎて勉強時間を削ぐことがないようにしなければなりません。ただ、適度な睡眠時間というのは、人によってまちまちです。

なかには、3時間程度の睡眠でも問題ない「ショートスリーパー」と呼ばれる人もいますが、2016年の日本における成人の睡眠時間の平均(総務省統計局調べ)では、7時間40分となっています。

日中眠気を感じる、「睡眠不足」の状態だと推察される人の平均睡眠時間は6時間以下が最も多く(厚生労働省)、一般的な人にとっては、6時間以上7時間程度が「適度な睡眠」の目安といえるでしょう。これくらいの睡眠時間を確保することで、身体的・精神的な健康を保つことが期待できるというわけです。

次に、受験生の平均的な睡眠時間を確かめつつ、なぜある程度の睡眠時間をとったほうがよいのかについてわかりやすく解説していきましょう。

受験生の理想の睡眠時間

先述したように、必要な睡眠時間には個人差があります。「3時間でも大丈夫」「10時間程度は寝ないと調子が出ない」などさまざまです。ただ、受験生という立場になると、「勉強しなければ」「寝ていられない」という思いから睡眠時間を削りがちな人が多いのではないでしょうか。

しかし、睡眠不足の状態にならない最低限の睡眠を確保しつつ、勉強にいそしむなら6時間程度の睡眠は確保したいところ。あまり睡眠時間が短いと脳の働きが悪くなったり、記憶力・集中力が低下したりしてしまうのです。

睡眠不足の状態では脳がうまく働かない

睡眠不足の状態が続くと、脳はすっかり疲れ果ててしまうため、認知機能が下がり記憶力も判断力も低下します。同じ時間をかけて勉強しても、身につくものが格段に少なくなってしまいかねないのです。ここから、認知機能が上がり記憶が定着するような、脳がうまく働く状態を作り出すのには、十分な睡眠が必要になります。

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを利用すれば記憶力アップ

適度な睡眠のためには、睡眠のサイクルにも目を向ける必要があります。睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つがあることをご存じでしょうか。レム睡眠は浅く身体が休んでいる状態、ノンレム睡眠は深く脳が休んでいる状態のことです。

レム睡眠とノンレム睡眠は、90分周期で交互に繰り返されています。脳と身体が互いに休息しながら新しい記憶を整理し、固定しているのです。

・レム睡眠時:記憶の整理を行う
・ノンレム睡眠時:長期記憶として定着させる

この作業は、最初の2サイクルが準備段階となります。あとの2~3サイクルで記憶の固定が完了するため、90分×4サイクルの6時間もしくは90分×5サイクルの7時間半が適度な切れ目です。

最低限の睡眠時間を確保しつつ、記憶力もアップさせたい受験生としては、「90分×4サイクルの6時間睡眠がふさわしい」というわけです。

夜型より朝型がおすすめなのはなぜ?

なかには、「今までずっと夜型の生活をしてきたのでなかなか早くに眠れない」という人がいるかもしれません。しかし、夜中まで勉強して朝はギリギリの時間に起きたり、夜になったら爛々と目がさえたりする人は、夜型の可能性が高い人です。

夜は静かで集中しやすいと思っている人も多いかもしれません。しかし、受験生におすすめなのは「朝型」の生活スタイルといえます。なぜなら、夜型の場合は時間の縛りがなくなってしまいがちだからです。

夜、1人で勉強していると、「何時までにこれを終わらせなくては!」という状態にはなかなかなりにくいのが実状ではないでしょうか。ダラダラと勉強をしていて、時間だけが過ぎていくといった経験がある人もいるはずです。

一方、朝型なら時間は必然的に区切ることができます。「何時までにこれだけ覚えよう」「1時間でこれだけのページを解こう」といったモチベーションも生まれ、集中力もアップするのです。

大学入試は朝からスタートする

また、忘れてならないのは、本番の大学入試が始まる時間。どの大学でも、試験がスタートするのは朝からです。試験が始まる時間帯にベストのパフォーマンスをするためには、朝の時点でしっかりと脳を働かせられる朝型となることが重要でしょう。

本番近くまで夜型の生活をしていて、いきなり朝型に切り替えることはできません。なるべく早い段階で朝型の生活にシフトしていくのがおすすめです。

眠れないというときに試してもらいたい4つの方法

「ある程度の睡眠をとったほうがよいとはわかっていてもなかなか眠れない」「不安や緊張で眠りが浅い」という場合は、次に挙げる4つの方法をお試しください。実行するのにさほど手間がいらず、適度な睡眠時間を確保し、その質を上げることが期待できるため、受験生でも無理なく実践できるものばかりです。

日光を浴びて体内時計をリセット

夜型から朝型へと生活スタイルを切り替えるためには、日光を浴びて体内時計をリセットするのがおすすめです。起きた時点でカーテンを開け、太陽光を身体に浴びてください。この光によって体内時計が調整され、朝型へと徐々にシフトしていくことができます。

寝る直前にスマホ・パソコンを見ない

寝る直前にスマホ・パソコンを見ると、メラトニンというホルモンの分泌が抑制されてしまいます。メラトニンは、人の眠りを誘うホルモン。このホルモンが抑制されることで、ぐっすり眠れなくなってしまうわけです。質の良い睡眠をとるためにも、寝る直前のスマホやパソコンはやめておきましょう。

ストレッチなどで身体を動かす

横になっているのになかなか寝つけないときは、ストレッチなどで身体を動かしてみましょう。身体を動かすことで、脳に蓄積されていたエネルギーが効率的に使われるため、脳をリラックスさせることが期待できます。眠りにつくのが早くなり、睡眠の質もアップするでしょう。

お風呂に入ってリラックス

脳だけでなく身体もほぐしたいなら、お風呂にしっかりとつかること。筋肉がよい具合にほぐれ、リラックス状態になります。お湯につかって体温を上げたあとは、体温を下げてから布団に入るとスムーズに就寝することが期待できるでしょう。ぜひお試しください。

まとめ

受験生だからといって「睡眠時間を削って勉強せねば」という体に負担がかかるがんばりは、おすすめできません。受験生だからこそ、自分の睡眠をしっかりと管理し、より質が高い睡眠をとることが重要となります。さらに、受験本番で最大の力を発揮できるよう、朝型の生活スタイルへとシフトしていくことも大切です。

「そうはわかっていてもなかなか眠れない」というときは、ここで紹介したような簡単な睡眠導入法を試してみてくださいね。

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