【大学受験】先輩たちの失敗に学ぼう

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大学合格を目指している受験生は、いったん勉強の手をとめて「必要な知識量」を把握してみてください。これまで使った参考書やこれから使う問題集などをすべて机の上に置き、それらの総ページ数を数えてください。そしてそのページ数を、今日から入試の前日までの日数で割ると、1日当たりで「目をとおして、理解して、記憶に定着させなければならない」ページ数を算出できます。

例えば、今日から入試の前日まで、1日50ページを勉強しなければならないとしても、それを効率的に行う簡単な方法があります。先輩たちの成功を真似して、先輩たちの失敗を回避すればいいのです。この記事では、後者、すなわち失敗を繰り返さない方法を検討していきます。

「頭のよさは同じ」効率性が差をつける

個別の具体的な失敗を紹介する前に、失敗から学ぶメリットを考えてみます。失敗すると、すべての努力が水泡に帰します。例えば、これまで長期間にわたって微積分を勉強してきたのに、志望大学の入試要項を再確認したら試験範囲に微積分が入っていないことがわかったとします。微積分に費やした努力は、入試の点数を1点も増やしません。これが失敗の恐さです。

東大や京大の入試問題を「簡単」と言う一部の天才を除いて、18歳ぐらいの人たちの「地頭」(じあたま、その人本来の頭のよさ)はそれほど変わりません。それでも偏差値に大きな差が出るのは、勉強効率が人によって異なるからです。

また、入試で合格点を取るために必要となる知識量は決まっています。受験勉強とは、入試の日までにその量の知識を蓄えられるかどうかの取り組みに他なりません。そのため、効率よく勉強して必要な知識を獲得しなければなりません。

地頭が同レベルであれば、知識の獲得スピードではあまり差が出ないので、ライバルに差をつけるにはロス(損失)を小さくしなければなりません。ロスが小さいことを効率がよい、といいます。

知識の獲得には大変な努力が必要です。例えば、微積分を修得するのは大変です。しかし、ロスを小さくすることは簡単です。例えば、志望大学の入試要項を確認するだけで、無駄な勉強をしなくて済みます。失敗から学ぶことは、勉強をして知識量を増やすのと同じ効果がありながら、労力はその半分以下で済みます。失敗から学ぶ方法は、効率のよい勉強法といえるでしょう。

英語の勉強でやりがちな失敗とは

それでは教科ごとに先輩たちの失敗を確認していきましょう。まずは英語です。

英単語の修得に遅れた

東北大医学部に合格した女性は、合格はしたものの受験勉強で失敗したと考えています。その内容を箇条書きにしました。
・高3の夏休み前まで英語の基礎的な単語がまったく身についていなかった
・それまでの挽回をしようと、夏休みのほとんどを英単語の修得に費やした
・夏休みは他教科に手が回らなくなった
・英単語はもっと早く手をつけておくべきだった

この失敗から学べることを考えていきます。まず英単語の修得は、高1から毎日少しずつ積み重ねていかなければならないことがわかります。この人は、高3の夏休み前までそれを放置していました。誰しも英単語から逃げたくなります。しかし、英単語から逃げ切れる受験生はいません。この人はそれに気がつき、覚悟を決め英単語に向き合うことにしました。

ただ、その代償は大きく、夏休みに他教科にほとんど手をつけることができませんでした。「夏休みを制する者は受験を制する」といいます。夏休みの勉強の失敗は取返すことが難しいのです。秋以降の挽回には苦労したことでしょう。

ただ、収穫もありました。それは秋以降、英語の成績が安定してきたことです。英単語という武器を手に入れたので、効率よく勉強できるようになりました。

この事例から学ぶべきことも箇条書きにしてみましょう。

・英単語は英語学習の基盤になる
・英単語の基盤ができていないことがわかったら、その他のすべての勉強を一時中断してでも英単語に集中すべき
・高3の夏休みに効率よく勉強するために、高1、高2、高3の春の勉強スケジュールを調整する必要がある

長文とリスニングの勉強では英単語スキルは身につかない?

信州大学の理系学部に合格した方は、次のような失敗をしました。
・英語は長文読解とリスニングに力を入れた
・英単語と英熟語の勉強がおろそかになった
・語彙力が問われる、試験前半の設問でケアレスミスが目立った
・受験期間中、隙間の時間を英単語の暗記に使えばよかった

この方も英単語の学習で失敗していますが、この事例からは別の重要なことがわかります。それは、長文読解とリスニングの勉強だけでは、英単語を完全にはマスターできないということです。

「英単語は、英単語単独で覚えるのではなく、英文を読み込むことで覚えなさい」というアドバイスを受けたことがある受験生もいると思います。このアドバイスは、難解な英単語の覚え方についていっているのです。

例えば、Chairman country(議長国)、Summit meeting(首脳会談)、understand each other(わかちあう)、Provocation(挑発行動)といった非頻出単語・熟語を、わざわざ単語帳をつくって覚えることは非効率です。このような単語は、長文読解のなかで覚えていくことになります。

しかし、ベーシックな英単語や頻出英単語は、単語帳や単語集、熟語集を使って一気に覚えていったほうが効率的ですし、そうしないと英語力のベースをつくることができません。

数学の勉強でやりがちな失敗とは

数学での失敗をみてみましょう。

選択肢対策だけでは基礎学力はつかない

私大医学部に合格した男性は、次のように悔いています。

・センター試験対策の過去問ばかりをしていた
・基礎対策がおろそかになった

このコメントだけを読むと、「センター試験対策は基礎対策を兼ねるのではないか」と感じるのではないでしょうか。しかし、この方が悔いているのはそこではなく、センター試験の過去問に力を入れすぎたことです。

センター試験は完全選択式なので、過去問ばかりやっていると「間違い探し」の癖がついてしまうのです。選択問題の場合、選択肢を読むだけで回答できることがあります。例えば、数学であれば、問題を解いている途中で答えに近い数字が出た段階で、選択肢から選ぶことができます。

確かに選択肢を吟味するテクニックは有効ですが、それでは基礎学力は身につきません。「正しい答えを導く力」を養う勉強をしなければなりません。そのためには選択肢のない問題に挑戦しなければなりません。

消しゴムの使い方を失敗

国公立大医学部に合格した男性は次のように話しています。

・計算の途中式を消しゴムで消してしまった

「そのようなミスをする人がいるのか」と思わず言ってしまいそうな初歩的なミスです。この大学医学部の2次試験の数学は6問しか出ません。したがって途中式の評価で得点していくことは重要戦略です。恐らく、思わず自宅で勉強しているときのように消してしまったのでしょう。この方は無事合格できましたが、もし落ちていたら相当悔やむことになっていたでしょう。

「数1・A」と「数2・B」の力配分

理系学部志望者2人のコメントを紹介します。

・数1・Aが苦手で詰めが甘かった、解くのに時間がかかってあせった
・数2・Bを最後まで克服できず、その場しのぎの勉強しかせず足を引っ張る科目にしてしまった

片方は数1・Aを苦手とし、他方は数2・Bを不得手にしています。国立大学理系学部を狙う受験生は、数1・Aと数2・Bの両方を修得しなければなりません。ちなみにこの4つは次のような違いがあります。

・数1:数と式、二次関数、図形と計量
・数A:平面図形、集合と論理、場合の数と確率
・数2:式と証明、高次方程式、図形と方程式、いろいろな関数、微分、積分
・数B:数列、ベクトル、統計とコンピュータ、数値計算とコンピュータ

このように並べると、ひと口に「数学」といっても、必ずしもある項目の知識が別の項目の知識に役立つとは限らないことがわかります。しかし、理系学部志望者は、数学のなかに苦手項目をつくってしまうと、それが致命傷になりかねません。

「単なる理解」から「速く確実に解ける」に昇華させる

別の理系学部志望者は次のように言っています。

・三角関数や数列などの大問を解くスピードと正確性を上げることができなかった

つまり、理系学部志望者にとって数学は、「単に理解している」「単に解ける」だけではだめで、「速く確実に解ける」ようにしなければならないということです。秋以降は新しい知識を増やすスピードを落としてでも、既存の知識のブラッシュアップに取り組む必要があるでしょう。

国語の勉強でやりがちな失敗とは

国語の失敗をみていきます。

古文、漢文を得点源にできなかった

関東の国立大文系学部に合格した人は次のように述べています。

・古文単語と漢文句形の対策が後手に回ってしまった
・古文、漢文の点数が思うように伸びなかった

古文と漢文は、やればやっただけ得点できる科目です。それはこの2つの教科では、深く掘り下げた問題があまり出ないからです。したがって古文と漢文で国語の基礎点を稼ぐ戦略を立てる受験生は少なくありません。しかし、裏を返せば、古文と漢文は、やらなければ勘や経験では解けない科目であるということです。

恐らくこの人は、わざと古文と漢文を後回しにしていたのでしょう。それは悪い戦略ではありません。しかし、後回しにしているうちに、放置しないようにしてください。

好きすぎてやりすぎてしまわないように

関西の国立大文系学部に合格した女性はこう振り返ります。

・安定して得点できるようになっても、国語の勉強を続けてしまった
・理系科目に時間を回すべきだった

この方は国語の勉強が楽しかったあまり、国語に専念してしまいました。受験生にとって「解ける」「わかる」という感覚は快感になります。さらに、模試の科目ごとのランキングで全国ひとケタ台をマークしたりすると、自分を誇らしく思えます。それで気分がよくなって、得意科目に集中しすぎてしまう人がいます。

この方は国語を得意科目にしていて、点数も安定していました。それでも国語の勉強に時間を割いてしまいました。受験戦略上は、得意科目をある程度強化できたら、苦手科目を補強すべきです。この方の失敗から次の2点を学ぶことができます。

・あえて勉強時間を減らすという選択が必要になる
・国立大の文系学部志望者は、理系科目から「逃げない」ようにしなければならない

新聞を勉強に使えばよかった

京大の理系学部に合格した男性は、次のように後悔しています。

・現代文の評論(長文)を速読するスキルを獲得できなかった
・高1から新聞などを読み込んで長文に慣れておくべきだった
・国語は最後まですべての問題を解き終えたことはなかった

理系学部志望者は、国語対策をおろそかにしないようにしてください。理系学部志望者は、数学や理科の勉強スケジュールを立てることは得意ですが、国語や社会のスケジューリングは苦手なことが多いからです。国立大学志望者は多くの科目を勉強しなければならないので、深く掘り下げる科目と基礎学力をつけるだけの科目に分けなければなりません。「割り切り」が重要です。

しかし、割り切る科目でも、基礎学力は身につけなければなりません。こちらの男性は、現国において、それができませんでした。この男性は、高1から新聞を読んでおくべきだったと悔やんでいます。このアドバイスは重要です。新聞の社説や社会面・経済面・政治面・国際面の記事の熟読は、現国の評論対策になるだけでなく、社会や英語、小論文にもよい効果をもたらします。

受験生が参考書や問題集から離れて新聞読みに没頭することは勇気が要ることですが、新聞記事をノートに丸写しする勉強法もあります。

まとめ

他人の失敗から学ぶことができる人と、自分で失敗をしないと気が済まない人がいます。必ずしも後者が間違っているわけではありませんが、大学受験では前者がおすすめです。「せっかく」先輩たちが自分の失敗を公表してくれているのですから、それを真似しないようにしましょう。

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