予備校の費用ってどのぐらいかかる?通学・通信・オンラインの費用やカリキュラムの比較

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希望とする大学に合格したい! と考えるとき、「予備校」は非常に心強い味方となります。また、予備校選びは、その人の学力レベルの向上に対してとても影響を与えるものでもあります。

ここでは、「どのような予備校の種類があるのか」「それぞれの特徴はどんなものなのか」「費用はどれくらいかかるのか」について見ていきましょう。

なお、予備校にどのタイミングで行けばいいのか?に関しては以下の記事で解説をしています。

大学受験のために塾に行きたい!いつから行くのがベスト?

一方で、そもそも予備校に通わなくてもいいのかどうかについてはこちらの記事を参考にしてください。

浪人が決定…予備校なしでも合格できる?浪人生が予備校に行く場合の費用は?

最近は予備校の受講形態もさまざま

「予備校」というと、多くの人が、「学校(塾)に通い、そこで指導を受けていくものだ」と考えているのではないでしょうか。
もちろん、これも一つのやり方ではありますし、またとてもポピュラーなやり方ではあります。
しかし現在は、受講形態も多様化しています。このように、「通う方法」だけではなくなっています。

ここでは、代表的な3つの種類について見ていきましょう。

通学制

もっとも代表的な形態のうちの1つだと言えるでしょう。塾や学校のように特定の場所に通って授業を受ける、というものです。

通信(在宅)

まだインターネットが普及し始める前、「通信」というと在宅での自主勉強を主として、予備校の講師から課題の添削を受けたり、テストを受けるために教室へ向かったりする、という形態でした。
しかし、現在で言うところの「通信」は、「家のなかで、配信されている授業を元に勉強していく」というものが主流となっています。
これもさまざまなかたちがありますが、ここでは、下記の「オンラインでの授業」との違いを、「家のなかからアクセスするもの」としています。

ネット配信、オンライン

これも「通信」という形態であることは一緒です。ただ、上で述べた「通信(在宅)」とは異なり、タブレットからなどから自由にアクセスできるもの、としてここではお話していきます。つまり、「家のなかにいなくても、外から出も自由にアクセスして勉強できる形態」という意味で使っています。

勉強の方法としては、これ以外にも、「家庭教師」「独学」などがあります。ただこの記事ではこの2つには触れず、あくまで「予備校で学ぶ」という観点からお話ししていきます。

費用の目安とカリキュラムの特徴【通学編】

それではここからは、より具体的に、それぞれの特徴と費用の目安、メリットとデメリットについて見ていきましょう。
まずは「通学編」です。

通学制は、「どこかにある予備校に実際に通い、そこで授業を受けていく」というスタイルをとります。一般的な塾や学校と同じような感覚で通うことができます。

通学制の場合、もっとも大きなメリットは、「強制力がある」ということです。
予備校にどれくらい通うことになるかというのは人によって異なりますが、最低でも1年ほどは通い続けることになるでしょう。
この1年間を、強い克己心を持って乗り切っていける人、ずっと勉強漬けの日を送ることのできる人というのは、それほど多くはありません。

多くの人がどこかで怠けたいと思ったり、「もう勉強をしたくない」と思ったり、「今日くらいは勉強をしなくてもよいだろう」と考えたりしてしまいがちです。
特に、それが「特に足を運ばなくても、咎められることはない」という授業形態であったり、「授業を流してはいるけれど、こちら側が何をしているかはわからない」という形態であったりする場合はなおさらです。

しかし通学制の場合、予備校に行かなければすぐにそれとわかってしまいます。また、授業を受けている最中に遊んだり寝ていたりすれば、当然目立ちます。大っぴらに叱られることはなかったとしても、周りが一生懸命に勉強しているなかで、これらのような行動をとることはさすがに難しいでしょう。

この「強制力があること」は、実は、長い受験生生活を送っていくなかで、非常に役立ちます。また、受験生同士で意見を交換しあったり、情報を共有したりして、モチベーションを保ちやすくなるのも一つのメリットです。疑問点があればすぐに質問することができますし、「受験に向かい合う環境」を整えやすいのは、通学制の大きなメリットだと言えるでしょう。

加えて、通学制の場合は、「受験に対する情報」を予備校側が独自に調査していることも多く、保護者からの相談などにも積極的に乗ります。また、設備も整っています。授業がない日でも利用することのできる学習ルームなどを併設しているところも多く、さまざまな勉強スタイルに対して、よりよい学習環境を提供しています。

ちなみに、予備校のなかでは「マンツーマンで授業を受けられる」というコースもあります。
塾や予備校のときにしばしば問題となる、「周りとのレベルが違いすぎて気後れする」「内気な性格なので、疑問点があったとしても、質問することができない」という人であっても、このようなスタイルならば安心です。

また、このタイプの予備校の場合、選択肢が非常に豊富です。
「医学部を受験する人のためだけの授業をする」というところもあれば、「わからないところを個別に聞いてカリキュラムを組み立てる」というところもあります。なかには、「東京大学のメンバーで講師のほとんどを構成している」というところもあります。

さらに、下記で述べる「通信制・オンライン制」もオプションとして受けられるという予備校も多く、「学習環境を整える」という意味では、通学制は、ほかの2つにはない魅力を持っていると言えるでしょう。

ただし、通学制にはデメリットもあります。

もっとも大きなデメリットは、「通うための時間がかかる」ということでしょう。

通学制の場合、それがどのような形態をとるものであれ、必ず「現地に足を運ぶ必要性」が出てきます。特に、有名な予備校にまで通いたいということであれば、場合によっては通学に1時間以上かかることも珍しくはありません。1分1秒を無駄にしたくない受験生にとっては、この「通学時間」は大きな負担となります。加えて、電車などを利用する場合は、インフルエンザなどをもらってしまう可能性もあります。車での通学の場合は、保護者にかかる負担が大きくなるでしょう。
また、都心部と比べて、地方の場合は「行ける予備校が限られる」というデメリットもあります。

また、通学制の場合は、通信制やオンライン制とは異なり、かなり費用が高額になる傾向にあります。特にマンツーマン教育や、高いレベルの講師に授業を受けたいという場合、その料金は、驚くほど高額になってしまうこともあります。

通学制の予備校の場合、費用の差が非常に大きいのが特徴です。
たとえば、医学部を目指す人のパーソナルトレーニングを行う場合、1年間で430万円を超えることすらあります。これに加えて、さらに、「1時間あたり10000円の追加で、個人授業を行う」というケースもあるため、家庭教師以上の高額になることも珍しくはありません。

一方、授業の内容によっては、1年間で60万円程度で済む、というところもあります。
このため、なかなか明確な数字を出すことは難しいのが現状です。
ただ、全国平均では、「90分の授業を週に5回、受講講座数は4講座で、1か月に56000円だった」という平均値が求められているため(冬期講習の場合)、これが1つの目安となるでしょう。

費用の目安とカリキュラムの特徴【通信(在宅)編】

さて、ここからは「通信(在宅)」編の特徴と、メリットデメリットについて見ていきましょう。
なお、上でも少し触れましたが、ここでいう「通信(在宅)」と「オンライン制」の違いは、「家のなかで受ける映像を伴った授業か、それとも持ち運びができるタブレットなどを使った授業か」です。

通信(在宅)制という授業は、「通って受ける授業」の後に出てきた学習形態のうちの一つです。インターネットの普及率が83パーセントに達したのは2015年のことですが、このように、「だれでもインターネットに簡単にアクセスできる」という環境は、学習形態そのものを大きく変えることとなりました。

通信(在宅)制のもっとも大きなメリットは、「塾などに通う必要がなく、家のなかにいながらにして、勉強をすることができる」という点にあります。
上でも少しお話ししましたが、「予備校に通う」というやり方は、どうしても、通学のための時間が必要になります。時間を大切にしたい受験生にとっては、これはかなり重荷になることでしょう。その点、通信(在宅)制ならば、通う必要も、またインフルエンザなどをうつされるリスクも軽減されます。
時間をかけずに、快適に、安全に授業を受けることができます。

通信(在宅)制は、その多くが、「資料」「教材」を必要とします。
この資料や教材は、通信(在宅)制を扱う大手の学習関係会社によって練られた独自のものであることが多く、その精度や内容は、市販品のそれよりも優れている可能性が高いと言われています。特に、ピンポイントでどこかの学校を狙う人にとっては心強い味方と言えるでしょう。

「自分自身できちんと学習ができる」
「優れた教材を手に入れることができるのであれば、真摯に勉強に向かい合っていける」という人の場合は、かなり有効な手段となり得ます。

また、通信(在宅)制での受講で懸念されがちな問題として「コミュニケーションが双方向ではない不安」があるのではないでしょうか。
例えば、通学していればすぐに質問できる講師が目の前にいることに対して、通信制はそうはいきません。
しかし最近の予備校では多様なサポートを設けています。質問にはメールやファックスにて対応することは多くの予備校が実施しているサポートです。
また、定期的に予備校側と電話でコミュニケーションを取り、進捗の確認や不安なことへの相談に乗ってくれるケースもありますので、様々な理由から「通学したいけど、それが出来ないからやむを得ず通信に…」という人にも、通学に引けを取らないコミュニケーションの手段を予備校側は用意しています。

通信(在宅)制のデメリットとしては、「強制力があまりない」ということにあります。
「周りにだれもいない」「もっともくつろげる、家のなかで授業を受けることになる」ということから、ついつい気が緩んでしまうこともあり得ます。そのため、通信(在宅)制を受ける場合は、通学制を使うとき以上の克己心の強さが求められます。

通信(在宅)制の値段は、総じて「通学制」よりも費用が安くなるケースが多いようです。ただこれも、かなりばらつきがあるのも確かです。
同じ通信(在宅)制の学校であったとしても、1年間で25万円程度に収まることもあれば、70万円近くの費用が必要になることもあります。

費用の目安とカリキュラムの特徴【ネット配信、オンライン】

「通信(在宅)」のかたちをさらに進歩させたのが、「ネット配信、オンライン」の予備校です。ここでは、「通信(在宅)は家で学ぶもの、ネット配信、オンラインはタブレットなどを積極的に使うもの」としていますが、実際には、通信(在宅)でも「基本はパソコンだけれど、スマホなどでも授業を受けられる」としているところも多く、この2つを明確に差別化するのは少し難しいところがあります。

ネット配信、オンラインの最大のメリットは、「どこでも授業が受けられる」ということでしょう。
家にいなくても、予備校に通わなくても授業が受けられるため、非常にフレキシブルな使い方が可能です。
たとえば、「基本は通学だが、その行き帰りにネット配信、オンラインで授業を受ける」などのように、「ほかのかたちと並行して学んでいく」というやり方も可能です。

最新の情報がアップデートされやすい環境にあるため、しばしば改正が施される「法律」などを学んでいる人にとってもとても有益です。
加えて、「いつでもネットで授業を見られる」という手軽さが受け、多くの教育関係者に注目されています。

ただ、実は、スマホやタブレットでの授業は、パソコンで受けるそれよりも目の負担が大きいという問題点があります。そのため、ネット配信、オンラインだけで1日に8時間ほども授業を受ける……というのは、かなり厳しいものがあります。
また、ネット配信、オンラインの場合、ほかの2つに比べて歴史が浅いため、選択肢が狭まる可能性もあります。現在は少しずつ増えていっていますが、今後のさらなる展開が求められます。

ネット配信、オンラインの値段は、前述した通り、「通信制」に含まれることも多いため、独立した料金形態を示していないところも多いのが現状です。
ただ、「月に1000円程度」というところもあるため、気軽に取り組めるものであることは間違いありません。

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