浪人生活がはじまると、模試を受けるべきか悩む方も多いのではないでしょうか。現役時代の失敗を乗り越えたい一方で、「今の実力で受けても意味がないのでは」と感じる方もいるかもしれません。しかし、浪人生こそ定期的に模試を受けることで、自分の現在地を正確に把握し、志望校合格に向けた確実なステップを踏めます。
本記事では、浪人生が模試を受けるべき理由や受験のタイミング、申し込み方法、結果の活用法まで詳しく解説します。模試をうまく活用して、効率的な受験勉強の実現に役立てましょう。
浪人生が模試を受ける目的とタイミング
浪人生にとって模試は、受験本番に備えるための重要なツールです。まずは、模試を受ける目的と、受けはじめる適切な時期・頻度について詳しく見ていきましょう。
模試を受ける目的
模試は、単に点数や偏差値を把握するためのものではありません。自分の学力を客観的に測定し、志望校合格への距離感をつかむための重要なツールの一つとなります。模試を受けることで、以下のようなメリットを得られます。
・現時点の学力を客観的に把握できる
模試を受けることで、これまでの学習で「できているつもり」になっていた単元や、完全に手が回っていなかった分野が可視化されます。例えば、「数学の図形問題では得点できているが確率で失点が目立つ」「英語の長文読解はできているが文法問題に課題がある」など、詳細な分析が可能になります。これにより、限られた学習時間のなかで「どこを重点的に対策すべきか」という優先順位を立てられるため、より効率的な勉強を実現可能です。
・本番のシミュレーションを行える
実際の試験会場で受験する模試では、当日の雰囲気や緊張感、周囲の受験生の様子を体験できます。また、限られた時間のなかで複数の教科をこなす感覚や、マークシートの記入ミスへの注意など、試験全体の流れを実践的に学ぶことが可能です。これにより、本番に向けた「精神的な備え」や「時間配分スキル」を磨けるので、パフォーマンスの向上につながります。
このように、模試は単なる実力チェックの場にとどまらず、浪人生の受験戦略全体を支える土台ともいえる存在です。結果の良し悪しだけで判断せず、得られる情報をいかに活用するかが、合否を分ける大きなポイントとなります。
浪人生が模試を受けはじめる時期と理想的な頻度
浪人生が模試を受けはじめるタイミングとして一般的なのは、学習ペースが落ち着く8~9月頃です。夏までに基礎を固めたうえで、模試を通じて実力を確認し、その後の応用学習へとつなげます。
理想的な受験頻度は2ヵ月に1回程度です。これは、模試後の復習と改善にかける時間を確保できるため、PDCAサイクルをしっかり回すのに適しています。一方で、模試を頻繁に受け過ぎると復習の質を落とす原因になるため、適切な間隔で受験するようにしましょう。
浪人生が受けられる模試のスケジュール一覧
下表では、浪人生が受験可能な主要予備校の模試スケジュールをまとめています。受験計画を立てる際の参考にしてください。
主催予備校 | 模試名 | 実施日程(予定) |
---|---|---|
河合塾 | 全統共通テスト模試(第3回) | 10月19日(日) |
河合塾 | プレ模試 | 11月16日(日) |
河合塾 | 全統記述模試(第2回) | 8月24日(日) |
河合塾 | 全統記述模試(第3回) | 10月5日(日) |
河合塾 | 大学別入試オープン模試(東大・京大など) | 8~11月に随時 |
駿台 | 全国模試(第2回) | 9月28日(日) |
駿台 | 駿台・ベネッセ共通テスト模試 | 6月・9月・11月頃 |
駿台 | 大学別実戦模試(東大・京大・医学部など) | 8~11月に随時 |
東進 | 共通テスト本番レベル模試 | 8月24日、12月21日 |
東進 | 全国統一高校生テスト | 11月 |
東進 | 大学別本番レベル模試 | 5~7月に複数回 |
東進 | 大学合格基礎力判定テスト | 9月14日、12月21日 |
模試を受ける際の申し込み手順
模試を受験するには、事前に申し込みを行う必要があります。ここからは、一般的な申し込み手順を4ステップに分けて見ていきましょう。
STEP1:模試日程と対象を確認する
まずは、各予備校の公式サイトで模試一覧やスケジュールを確認します。記述式・マーク式・大学別など、模試にはさまざまな形式があります。自分の志望校や学力状況に合わせて選ぶことが大切です。
STEP2:主催団体のホームページから申し込みページへ進む
受けたい模試が決まったら、インターネット申し込みページにアクセスします。初めての場合は会員登録が必要であり、氏名や住所、志望校などの入力が求められます。
STEP3:支払い方法を選択する
支払い方法はクレジットカード、コンビニ決済、Pay-easyなどがあります。支払い完了後には受験票の案内や確認メールが届きます。
STEP4:受験票を印刷・会場を確認する
受験票は、郵送またはPDFダウンロードで配布されます。受験会場・開始時間・持ち物(筆記用具、昼食、時計など)を事前に確認し、当日に備えましょう。
なお、申し込み方法は主催団体によって異なります。上記で紹介した申し込み方法は一般的な流れとなるため、必ず主催団体のホームページを確認するようにしてください。
模試後の結果は有効活用するべき
模試を受けたあとの復習こそが、成績向上のカギを握ります。ここでは、模試後に取り組むべきことを具体的に紹介します。
間違った問題を分析し、解き直す
模試で最も大切なのは、受けたあとの「復習」です。間違えた問題を放置せず、なぜ間違えたのかを分析し、再度取り組むことで知識が定着します。具体的には、以下のような学習を行いましょう。
・正解と照らし合わせて間違いの理由を特定する
・選択肢の迷い方やケアレスミスにも注目する
・あと一歩で正解できた問題は再度チャレンジする
「形式に慣れていなかった」などの原因も把握しておくと、次回以降に活かせます。
今後の勉強計画に役立てる
模試結果は単なる偏差値の確認にとどまらず、今後の学習計画の見直しにも役立ちます。例えば、以下のような課題に合わせて、今後の勉強計画を練り直しましょう。
・「時間配分が足りなかった」→演習量の見直し
・「志望校との差が大きい」→志望校レベルの問題を強化
・「特定分野の失点が多い」→苦手単元を集中対策
模試ごとにPDCAサイクルを回すことで、効率的な学習が可能になります。
模試の結果が思わしくなかった場合の心構え
模試で期待した成果が出ないと、気持ちが落ち込んでしまうこともあるでしょう。しかし、模試はあくまで「練習」であり、本番ではありません。大切なのは、「失敗から何を学ぶか」です。具体的には、以下のような心構えを持つようにしましょう。
・模試は予行演習。失敗は成長の種としてとらえる
・点数ではなく、「どこで」「なぜ」ミスしたかを見極める
・過去の自分との比較を軸に、「自分の成長」を客観視する
模試の結果で一喜一憂するのではなく、次につながる改善点を見つけることが浪人生にとって何より重要です。
まとめ
浪人生にとって、模試は自分の実力を客観的に把握し、学習を軌道修正するために欠かせないツールです。模試を「本番の予行演習」としてとらえることで、受験本番に向けた準備がより確実になります。結果が悪かったとしても、それを反省材料にして改善を重ねることで、着実な成長につながります。
塾や予備校を探している方は、「オススメ予備校一覧ページ」もぜひチェックしてみてください。模試と併用しながら、自分に合った学習環境を整えていくことが合格への近道です。