大学受験時の睡眠時間は最低何時間必要?十分な睡眠時間を確保するコツ
大学受験を控えた学生に最低限必要な睡眠時間は6時間です。しかし必要な睡眠時間は人それぞれで、7時間8時間必要な方もいます。
そして睡眠時間を削って受験勉強をしたところで、成績アップには繋がりません。
今回は、大学受験時に必要な睡眠時間や、睡眠時間を確保する3つのコツ、早寝をするための5つの方法についてまとめました。
記事を最後までチェックすれば、大学受験のための睡眠に関する知識がひと通り手に入りますよ。
睡眠時間を削っても大学受験は成功しない
「睡眠時間は大学受験の合否を左右する」ともいわれています。
しかしこれは「睡眠時間を削れば削るほど成績が上がる」という意味ではありません。大学受験での成功をつかみとるためには、睡眠時間に関して以下のようなことを意識しておくことが大切になります。
- 適切な睡眠を確保して、脳がベストな状態で働く環境を作る
- 体調を整えて精神的にも余裕のある状態を維持する
勉強時間を確保することはもちろん大事です。とはいえ、眠い目を何とかこじ開けて机に向かっても効率的な勉強ができるわけではありません。
これはたくさんの人が実感していることではないでしょうか。例えば、以下のような人は睡眠時間が不足している可能性があります。
- つらい思いをして起きているのに思うように成績が上がらない
- 頭痛や肩こり、便秘といった健康面での不安が出てきた
- 不安感が強くネガティブ思考に陥りがち
睡眠不足の状態に陥ることは、受験生のみなさんにとって決してプラスではありません。「眠らずに勉強する≠成績アップ」ということを、よく肝に銘じておいてください。
大学受験生に必要な睡眠時間は1日最低6時間
受験生にとって、睡眠時間の管理は非常に重要です。睡眠不足の状態に陥らないだけの睡眠時間を確保しつつ、眠りすぎて勉強時間を削ぐことがないようにしなければなりません。
ただ、適度な睡眠時間というのは、人によってまちまちです。
なかには、3時間程度の睡眠でも問題ない「ショートスリーパー」と呼ばれる人もいますが、2016年の日本における成人の睡眠時間の平均(総務省統計局調べ)では、7時間40分となっています。
日中眠気を感じる、「睡眠不足」の状態だと推察される人の平均睡眠時間は6時間以下が最も多く(厚生労働省)、一般的な人にとっては、6時間以上7時間程度が「適度な睡眠」の目安といえるでしょう。
これくらいの睡眠時間を確保することで、身体的・精神的な健康を保つことが期待できるというわけです。
次に、受験生の平均的な睡眠時間を確かめつつ、なぜある程度の睡眠時間をとったほうがよいのかについてわかりやすく解説していきましょう。
受験生の理想の睡眠時間
先述したように、必要な睡眠時間には個人差があります。「3時間でも大丈夫」「10時間程度は寝ないと調子が出ない」などさまざまです。
ただ、受験生という立場になると、「勉強しなければ」「寝ていられない」という思いから睡眠時間を削りがちな人が多いのではないでしょうか。
しかし、睡眠不足の状態にならない最低限の睡眠を確保しつつ、勉強にいそしむなら6時間程度の睡眠は確保したいところ。
あまりに睡眠時間が短いと脳の働きが悪くなったり、記憶力・集中力が低下したりしてしまうのです。
睡眠不足の状態では脳がうまく働かない
睡眠不足の状態が続くと、脳はすっかり疲れ果ててしまうため、認知機能が下がり記憶力も判断力も低下します。
同じ時間をかけて勉強しても、身につくものが格段に少なくなってしまいかねないのです。
ここから、認知機能が上がり記憶が定着するような、脳がうまく働く状態を作り出すのには、十分な睡眠が必要になります。
レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを利用すれば記憶力アップ
適度な睡眠のためには、睡眠のサイクルにも目を向ける必要があります。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つがあることをご存じでしょうか。レム睡眠は浅く身体が休んでいる状態、ノンレム睡眠は深く脳が休んでいる状態のことです。
レム睡眠とノンレム睡眠は、90分周期で交互に繰り返されています。脳と身体が互いに休息しながら新しい記憶を整理し、固定しているのです。
- レム睡眠時:記憶の整理を行う
- ノンレム睡眠時:長期記憶として定着させる
この作業は、最初の2サイクルが準備段階となります。あとの2〜3サイクルで記憶の固定が完了するため、90分×4サイクルの6時間もしくは90分×5サイクルの7時間半が適度な切れ目です。
最低限の睡眠時間を確保しつつ、記憶力もアップさせたい受験生としては、「90分×4サイクルの6時間睡眠がふさわしい」というわけです。
大学受験のために最低限の睡眠時間を確保する3つのコツ
「なかなか睡眠時間を確保できない」とお悩みの方は、以下3つの方法を実践してみてください。
- 頭が疲れていないうちに勉強を終わらせる
- 無駄な時間を極力排除する
- 学習計画は甘めに立てる
それぞれ詳しく見てみましょう。
頭が疲れていないうちに勉強を終わらせる
頭が最も働く時間帯は午前中です。そこから少しずつ疲労が溜まっていき、勉強効率は落ちていきます。
例えば午前中の受験勉強1時間と寝る前の受験勉強1時間とでは、どうしても前者の方が効率がよくなります。
夜に学習スケジュールを詰め込みすぎると、効率が悪いためより長い時間が必要となるでしょう。結果として睡眠時間が後ろ倒しされてしまいます。
「勉強が終わらない→睡眠時間が後ろ倒しされる→寝不足なのでさらに勉強が終わらない」の負のループに陥ってしまいます。
この負のループを避けるためには、頭が疲れていない朝や夕方に時間を確保しましょう。「早めにその日の勉強が終わる→早く寝て早く起きられる→頭が疲れていないうちに効率的に勉強を進められる」と良い循環で受験勉強を進められます。
無駄な時間を極力排除する
数分単位の細かい無駄な時間が、睡眠時間を減らす大きな要因となっているかもしれません。
例えば10分勉強をするたびに5分スマホでSNSを見てしまう場合、同じ勉強を終わらせるのにかかる時間は1.5倍になります。
こういった細かな無駄時間の排除が、睡眠時間の確保に繋がります。
自宅で勉強をする際は、スマホの使用を禁止するためのボックスなどがおすすめです。
塾に行っている場合は、自習室を活用しましょう。自習室では講師の目があるため、スマホを触ってしまう心配もありません。
出典:四谷学院
塾・予備校については「オススメ予備校一覧ページ」でも紹介しています。
学習計画は甘めに立てる
ギリギリの学習計画を立ててしまうと、計画通りに勉強が進まず、徹夜をすることになってしまいます。
「受験だから」と厳しいスケジュールを立てたくなる気持ちは分かります。しかしそのせいで睡眠時間が減り、学習効率が落ちてしまっては本末転倒です。
よって学習計画は甘めに立てましょう。
スタディコーチというサービスを使って、週に1回、学習スケジュールの管理や進捗確認を早慶生に手伝ってもらうのもおすすめです。詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:スタディコーチの料金はオンラインも校舎も同じ!料金詳細や口コミ、他社との比較まとめ
大学受験に備えるのであれば夜型より朝型がおすすめ
なかには、「今までずっと夜型の生活をしてきたのでなかなか早くに眠れない」という人がいるかもしれません。
夜中まで勉強して朝はギリギリの時間に起きたり、夜になったら爛々と目がさえたりする人は、夜型の可能性が高い人です。
夜は静かで集中しやすいと思っている人も多いかもしれません。しかし、受験生におすすめなのは「朝型」の生活スタイルといえます。なぜなら、夜型の場合は時間の縛りがなくなってしまいがちだからです。
夜、1人で勉強していると、「何時までにこれを終わらせなくては!」という状態にはなかなかなりにくいのが実状ではないでしょうか。ダラダラと勉強をしていて、時間だけが過ぎていくといった経験がある人もいるはずです。
一方、朝型なら時間は必然的に区切ることができます。「何時までにこれだけ覚えよう」「1時間でこれだけのページを解こう」といったモチベーションも生まれ、集中力もアップするのです。
大学入試は朝からスタートする
また、忘れてならないのは、本番の大学入試が始まる時間。どの大学でも、試験がスタートするのは朝からです。
試験が始まる時間帯にベストのパフォーマンスをするためには、朝の時点でしっかりと脳を働かせられる朝型となることが重要でしょう。
本番近くまで夜型の生活をしていて、いきなり朝型に切り替えることはできません。なるべく早い段階で朝型の生活にシフトしていくのがおすすめです。
夜なかなか眠れない大学受験生に試してもらいたい5つの方法
「ある程度の睡眠をとったほうがよいとはわかっていてもなかなか眠れない」「不安や緊張で眠りが浅い」という場合は、次に挙げる5つの方法をお試しください。
- 日光を浴びて体内時計をリセットする
- 寝る直前にスマホ・パソコンを見ない
- ストレッチなどで体を動かす
- お風呂に入ってリラックス
- 学校終わりは夜まで塾にこもる
実行するのにさほど手間がいらず、適度な睡眠時間を確保し、その質を上げることが期待できるため、受験生でも無理なく実践できるものばかりです。
それぞれ詳しく見てみましょう。
日光を浴びて体内時計をリセット
夜型から朝型へと生活スタイルを切り替えるためには、日光を浴びて体内時計をリセットするのがおすすめです。
起きた時点でカーテンを開け、太陽光を身体に浴びてください。この光によって体内時計が調整され、朝型へと徐々にシフトしていくことができます。
寝る直前にスマホ・パソコンを見ない
寝る直前にスマホ・パソコンを見ると、メラトニンというホルモンの分泌が抑制されてしまいます。
メラトニンは、人の眠りを誘うホルモン。このホルモンが抑制されることで、ぐっすり眠れなくなってしまうわけです。
質の良い睡眠をとるためにも、寝る直前のスマホやパソコンはやめておきましょう。
ストレッチなどで身体を動かす
横になっているのになかなか寝つけないときは、ストレッチなどで身体を動かしてみましょう。
身体を動かすことで、脳に蓄積されていたエネルギーが効率的に使われるため、脳をリラックスさせることが期待できます。眠りにつくのが早くなり、睡眠の質もアップするでしょう。
お風呂に入ってリラックス
脳だけでなく身体もほぐしたいなら、お風呂にしっかりとつかること。筋肉がよい具合にほぐれ、リラックス状態になります。
お湯につかって体温を上げたあとは、体温を下げてから布団に入るとスムーズに就寝できるでしょう。ぜひお試しください。
学校終わりは夜まで塾にこもる
極論、夜の時点でしっかり疲れていれば、自然と眠くなり朝型の生活へとシフトできます。
そして体力を使い切るために必要なのは、やはり勉強です。学校終わりに塾に行くことで、帰宅後はすぐに眠くなるでしょう。
授業がない日も、ギリギリまで自習室を活用してみてください。そうすれば、朝型の生活リズムにシフトでき、学習時間も確保できるので一石二鳥です。
体力が限界に近い状態で、自宅で自分の意思だけで勉強をするのは大変です。しかし塾であれば「みんな頑張っているから」となんとか踏ん張れます。
大学受験におすすめの塾・予備校については「オススメ予備校一覧ページ」で詳しく紹介しています。
まとめ
大学受験時に必要な睡眠時間や、睡眠時間を確保する3つのコツ、早寝をするための5つの方法について解説しました。
大学受験を控えた受験生は、最低でも6時間の睡眠時間を確保しましょう。また朝型の生活を心がけましょう。
受験生だからといって「睡眠時間を削って勉強せねば」という体に負担がかかるがんばりは、おすすめできません。受験生だからこそ、自分の睡眠をしっかりと管理し、より質が高い睡眠をとることが重要となります。
「そうはわかっていてもなかなか眠れない」というときは、ここで紹介したような簡単な睡眠導入法を試してみてくださいね。
大学受験におすすめの塾・予備校については「オススメ予備校一覧ページ」で詳しく紹介しています。興味がある方はぜひチェックしてみてください。