【大学受験】英検・TOEIC・TOEFL・TEAP――英語外部検定は合格にどう結びつく?

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大学入試改革が行われ、2021年1月の試験からセンター試験が大学入学共通テストに変わりました。各教科における知識の問い方にも変化が見られるようになり、英語は4技能の強化を目指すことに。英検やTOEIC、TOEFL、TEAPといった英語の外部検定を入試に利用する大学も年々増加しています。

ここでは、年々変化する大学入試状況や、入試における英語外部検定の活用方法、各英語外部検定の特徴などをわかりやすく解説しています。受験生の皆さんも、「目指す大学が英語外部検定を採用しているかどうか」「英語外部検定をどう活かしているか」について調べたうえで、各検定を上手に活用していきましょう。

英語外部検定が大学受験生の注目を集めるワケ

大学受験の際に、注目せざるを得ないものの一つが英語外部検定です。英語外部検定を利用して入試を行う大学が年々増加しています。英検をはじめとする、さまざまな外部検定が採用され、その結果を入試で有利に使えるようになりました。ここでは、英語外部検定の現況についてわかりやすくまとめています。

大学入試改革の目玉は英語4技能の強化

近年の英語教育は、「読む」「書く」「聞く」「話す」といった4技能を身につけるためのものにシフトしています。大学入試改革によって、その4技能重視の姿勢はより鮮明なものになりました。より実践的で実用的な英語力を磨き、グローバルな人材を育てることを目的としています。

大学入試改革の目玉としても英語4技能の強化が注目されており、今後ますますこの傾向が強まるでしょう。こうした流れを受けて、英語外部検定にもさまざまな変化がもたらされ、スピーキングテストや英作文などが小学生・中学生レベルの試験に導入されるようになっています。

「英語外部検定利用入試(=外検入試)」を実施する大学は増加の見込み

英語外部検定の結果を合否判定の際に際して用いる「英語外部検定利用入試」を実施した大学は、2020年度で推薦・AOが354校、一般入試が199校でした。2017年度の一般入試で英語外部検定を利用したのが110校だったことを考えると、その増え方は目を見張るものがあります。

2021年の一般入試は、さらに35校増えて234校が英語外部検定を利用しました。今後もその数はますます増える見込みです。その中に、東京大学や京都大学、北海道大学、筑波大学、東京外語大学、九州大学といった主要な国立大学、国際基督教大学、上智大学、明治大学、早稲田大学、同志社大学といった有名私立大学が含まれているため、注目しておきましょう。

外検入試にはいくつかのパターンあり

英検やTOEFL、TOEICなどを利用すると受験に有利なことは知っていても、「どのようなメリットがあるのか」「どの大学でどのように英語外部検定を活かしているのか」についてはっきりと説明できる人は少ないのではないでしょうか。

ここでは、英語外部検定を活かした入試の3つのパターンを解説しつつ、それぞれのパターンを採用している大学の例を挙げて解説していきます。

外検を出願資格に定めるもの

まずは、英語外部検定を出願資格に定めている試験です。推薦入試や総合型選抜(AO)入試などに採用される例が多く、中央大学法学部の総合型選抜(英語運用能力特別)入試では、英検準1級を取得していない限り出願できません。出願後、小論文や英語、面接をへて合否が判断されます。

この他にも、英検2級以上で推薦入試の出願資格を得られる筑波大学、英検1級以上で推薦入試の出願資格を得られる一橋大学商学部などがあります。

外検を得点換算するもの

英語外部検定を入試における得点に換算してくれるパターンもあります。例えば、英語外部検定で一定の級以上を取得している場合、大学独自の英語試験を70点に換算。英検2級なら80点、英検準1級なら100点といった具合に、級数に即した得点で換算してくれるというものです。

大学独自の英語試験を受験して、よりよい成績を修めたほうの得点で合否を判断するといった大学もあります。九州工業大学情報工学科の推薦入試では、英検2級以上を取得している場合、面接時の英語の口頭試問が免除になり、満点換算されます。

広島大学では、英検準1級以上でセンター試験の英語が満点換算されますし、秋田大学なら準1級以上で一般試験の英語が免除に。英検2級以上であれば、立教大学の一般入試(グローバル方式)で英語が免除になります。

また、上智大学の国際教養学部を除くすべての学部の一般入試(TEAP利用型)では、TEAPにおいて、学科ごとに指定されたスコア以上を持っていなければ出願できません。英語の能力は、TEAPで測られるため、英語を除く2教科で受験することになります。

外検で加点されるもの

英検2級ならプラス10点、英検準1級ならプラス20点といった具合に、英語外部検定での級数や得点を一定のルールで入試の総合点に加点してくれるパターンもあります。

山口大学の国際総合科学学部の一般入試では、英検2級以上あれば、英語の個別入試や小論文に加点されるため、有利に働きます。

英語外部検定の代表格:それぞれの特徴を紹介

一口に英語外部検定といっても、英検やTOEFL、TOEIC、TEAPなどさまざまなものがあり、どれをどう受ければいいのかと迷う人も少なくないでしょう。「どの英語外部検定をどう活かすか」については、大学によって異なります。

ある大学では、英検の他にTOEFLやTOEICなども利用できたにもかかわらず、もう一つの大学ではTEAPしか採用していないといった具合です。そのため、「せっかく英語外部検定を受けたのに志望校で利用できなかった」という悲しいケースがあるかもしれません。

2年生までにある程度志望校を絞り込めた場合は、「その大学で英語外部検定を利用した入試をしているのか」「実施している場合は、どの検定を受ければよいのか」を調べておくのがおすすめです。

志望校がなかなか決まらない場合は、多くの大学が採用する汎用性が高い検定を選びましょう。また、各検定の特徴を知っておくことも大切です。ここでは、英語外部検定の代表格を4つ挙げ、それぞれの特徴を紹介していますので、しっかり理解したうえで受験するようにしましょう。

日本でもっとも歴史のある英語テスト:英検

英検は、一般入試・推薦入試ともに英語外部検定としてはトップの採用率を誇ります。多くの大学で英検が認められているのは、日本の高校生が習う内容に即した問題が作られおり、英語検定としては日本でもっとも長い歴史があるからでしょう。

従来のセンター試験と、その出題傾向や語彙などが重複しており、英検2級を持っていればセンター試験は安心とも言われてきました。英検対策の勉強が即大学入学共通テスト対策になるとは言えませんが、受験対策として大切なことは間違いないでしょう。

英検は、年間で3回受験できます。大学受験で有利な2級取得、準1級取得を目指してコツコツ勉強することが、受験対策にもなります。ぜひ有効利用しましょう。

ビジネス上の英語力を測れる英語テスト:TOEIC

TOEICは、国際コミュニケーション英語能力テスト(Test of English for International Communication)の通称で、英語によるコミュニケーション能力を検定するためのもの。世界共通のテストの一つで、約160ヵ国で実施されている実績があります。

オフィスや日常生活における英語能力を図るべく、日本経済団体連合会と通商産業省がアメリカのETSに要請して開発されたもので、テスト結果は10~990点までのスコアで表示されます。

英語によるコミュニケーションスキルの総合的な評価方法として活用されており、認知度が高い英語外部検定の一つです。テストは、英文だけで構成されています。

英語力が反映されやすく海外での信頼度が高い英語テスト:TOEFL

世界で実績のある英語能力測定試験「TOEFL」は、世界最大の教育測定機関によって1964年に開発されたものです。これまでに約3,500万人以上の人が受験してきました。日本での受験者も100万人を超えましたが、海外での信頼度が高いのが特徴です。

大学や大学院といったアカデミックな場面で必要な英語力を測定する目的があります。幅広い分野の教養科目などが題材として取り上げられているのに加えて、4技能を測るより実践的な問題が作られているのが特徴です。

コンピュータ上で受験するため、スコアの公正性と公平性が確保されていて、海外の大学でも活用されています。日本のみならず海外の大学などを視野に入れている人にはぴったりの英語検定と言えるでしょう。

大学入試のために作られた英語テスト:TEAP

TEAPは、大学入試を想定して開発された高校生対象の英語検定です。大学・大学院などで遭遇する場面に即したテストが作られており、難易度の目安は英検準1級~準2級程度。マークシート形式と記述形式、面接形式のテストが行われています。

合否を判断するものではなく、スコアとバンドで現在の英語力を測るためのもの。1年に3回試験が行われており、テストの問題構成などもWebサイトで公開されています。

まとめ

年々採用する大学が増加しつつある英語外部検定。一定以上の級やスコアを取得することで、「出願資格を得る」「加点される」「試験が免除になる」といったメリットがあります。さらに、1回きりのテストで合否を判断される緊張感から解放されるのも、英語外検検定を受ける大きなメリットです。

目標の級やスコアを取得するまで何度もチャレンジできますし、モチベーションを維持しやすくなります。事前に外部英語検定である程度の級・スコアをとっていれば、他の教科に力を注ぐこともでき、非常に有利です。

大学側としても、優秀な学生を選別しやすいメリットがあり、今後もこの傾向はますます強まるでしょう。外部英語検定のメリットを享受するためにも、それぞれの検定の特徴をよく把握することが大切です。

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