勉強中に音楽を聴くのはあり?メリット・デメリットを紹介します
勉強中に音楽を聴いてもいいのか悩んでいる人もいるでしょう。そこでこの記事では、勉強中に音楽を聴くメリットやデメリットについて解説します。
また、勉強中に音楽を聴くのに向いている教科と向かない教科、おすすめの音楽ジャンルなどについて紹介します。
勉強中に音楽を聴くとどんな影響があるのか興味がある人は、本記事を参考にしてください。
勉強中に音楽を聴くメリット
まずは、勉強中に音楽を聴くメリットについて解説します。
集中力アップが期待できる
勉強中に音楽を聴くと、集中力の向上が期待できます。人はアルファ波を放つ音楽を聴くと、リラックスしながら集中力を高める効果があるといわれています。アルファ波とは、脳がリラックスしているときに発生する脳波の一種です。
この状態ではストレスが軽減され、精神的な安定がもたらされるため、集中しやすくなります。たとえば、自然音やゆったりとした音楽は、アルファ波を誘発する効果があり、勉強や作業の効率を向上させるでしょう。
また、音楽には「マスキング効果」という特性があります。これは、特定の音が他の音をかき消すことで、周囲の雑音を感じにくくする効果です。たとえば、カフェや図書館のような場所で勉強する際に、音楽を流すことで、周囲の会話や物音が気にならなくなり、自分の作業に集中しやすい環境を作り出せます。
適切な音楽を選ぶことで、外部の干渉を減らし、より集中して勉強に取り組めるようになるでしょう。アルファ波とマスキング効果を活用すれば、効率的に集中力を高めることが期待できます。
リラックスできる
ゆったりとした音楽を聴くと、リラックスする効果があります。人は音楽を聴くと、脳内で「幸福ホルモン」とも呼ばれるセロトニンを分泌します。このセロトニンは、心の安定や幸福感をもたらし、ストレスや不安を軽減させます。
ゆったりとしたテンポの音楽や穏やかなメロディは、心を落ち着かせるのに最適です。勉強や作業の合間に聴くことで、緊張がほぐれ、集中力を取り戻しやすくなります。リラックスした状態で勉強に取り組むと、脳が過度に疲れることを防ぐため、効率的な学習が可能です。
また、ストレスや不安が軽減されると、精神的な余裕が生まれ、長時間の勉強でも気持ちが安定します。試験前の緊張やプレッシャーを感じる場面でも、リラックス効果の高い音楽を取り入れれば、精神が落ち着き、より効果的な学習を行えるでしょう。ゆったりとした音楽は、勉強のストレスや不安を軽減し、リラックス状態を維持するため、集中力持続の強力なサポーターとなり得ます。
モチベーションが向上する
好きな音楽を聴くと、脳内に「やる気ホルモン」とも呼ばれるドーパミンが分泌されます。ドーパミンは、快感や達成感をもたらし、やる気やモチベーションを高める効果があります。勉強や作業の合間に、自分の好きな音楽を取り入れれば、気分が高まり、より積極的に勉強に取り組めるようになるでしょう。
やる気が出ると、勉強が単なる義務ではなく、楽しいと感じる活動に変わります。好きな音楽は、心をリフレッシュさせると同時に、モチベーションを持続させるための重要な要素となります。
たとえば、難しい課題に取り組む前にお気に入りの曲を聴くことで、気持ちが前向きになり、勉強への意欲が湧いてくるでしょう。
勉強中に音楽を聴くデメリット
反対に勉強中に音楽を聴くと、集中力が低下する場合もあります。詳しくは以下で解説しますが、音楽を聴くことで生じるデメリットを把握し、悪影響を避けましょう。
音楽によっては集中力が低下することがある
勉強中に音楽を聴くと、集中力が低下する可能性があります。これは、音楽を聴きながら勉強することで「マルチタスク」状態になり、脳に余計な負担がかかるためです。
マルチタスクとは、複数の作業を同時に行うことで、脳が同時に多くの情報を処理しなければならず、結果的に脳機能が低下する状態のことをいいます。たとえば、感動的な曲や大好きな曲に意識を奪われると、勉強への集中が途切れ、効果的な学習が難しくなるでしょう。
また、歌詞のある音楽やリズムが激しい音楽は、脳が言葉やリズムに引き寄せられるため、勉強の妨げになることが多いです。このような音楽を聴きながら勉強すると、集中力が散漫になりやすく、学習効率が低下する可能性があります。
対策として、言葉が含まれていない「インストゥルメンタル・ミュージック」を選ぶとよいでしょう。さらに、音楽は左耳から聴くようにすると、右脳(感覚的な処理を担う)への刺激が優先され、言語処理を行う左脳が勉強に集中しやすくなります。
また、同じフレーズが繰り返される曲や、何度も聴いて慣れている曲も、意識を音楽に引っ張られにくく、集中を維持するのに適しています。
音楽がないと集中できなくなってしまう場合がある
勉強中に音楽を聴くことに慣れてしまうと、逆に音楽がないと集中できなくなる可能性があります。音楽がないと周囲の環境音が気になるようになり、次第に勉強に集中できなくなるケースがあります。
こうした依存を避けるには、音楽を聴く頻度を制限することが重要です。たとえば、周囲が騒がしいときにだけ音楽を聴いたり、それ以外は音楽なしで勉強したりと、使い分けるとよいでしょう。そうすれば音楽がなくても集中力を維持できます。
勉強中に音楽を聴くのに向いている・向かない教科
勉強中に音楽を聴くのに向いている教科と、向かない教科があります。
以下では、どの教科がどのような音楽に適しているのか、脳波の動きや言語処理との関係について解説します。自分が勉強している教科がどこに当てはまるのか、確認してみてください。
勉強中に音楽を聴くのに向いている教科
勉強中に音楽を聴くのに向いている教科として、「数学や理科」が挙げられます。これらの教科では、計算やグラフの作成、実験データの分析といった作業が多く、音楽を聴いていても気が散ることが少ないでしょう。
また、リズムのある音楽やアルファ波を誘発する音楽は、集中力を高め、単調な作業を効率的に進める助けとなります。音楽がバックグラウンドで流れていることで、リラックスしながら作業に取り組めるようになり、作業効率が向上する可能性があるでしょう。
勉強中に音楽を聴くのに向かない教科
「国語や社会、英語」などの暗記が重要な教科では、音楽の影響が逆効果となる場合があります。歌詞のある音楽や、テンポが速く複雑な音楽は、言葉や情報を覚える際に記憶の妨げになることがあります。
これらの教科では、音楽が言語処理に干渉し、勉強に集中できなくさせる可能性があるため、注意が必要です。もし音楽を聴くのであれば、歌詞のない静かなインストゥルメンタル音楽や、クラシック音楽が適しています。
また、重要な暗記や理解が求められる場面では、音楽を聴かずに勉強に集中することが最も効果的です。音楽の選び方や有無を教科ごとに工夫すれば、勉強の成果を最大限に引き出せます。
勉強中に聴く音楽はクラシックがおすすめ
勉強中に聴く音楽としては、集中力を高め、モチベーションをアップさせたり、リラックスさせたりする効果がある「クラシック」がおすすめです。
ここでは、勉強中のクラシック音楽にはどのような効果があるのかを解説しながら、おすすめの楽曲を紹介します。
集中力を高めたいときにおすすめのクラシック音楽
勉強中に集中力を高めたいときには、ゆったりしすぎず、強弱が少なく、悲壮感や情感に訴える要素が控えめなクラシック音楽が適しています。これらの曲は、穏やかなリズムを保ちながらも、一定のテンションが維持できるため、長時間の学習でも集中力が維持しやすいといえるでしょう。
たとえば、モーツァルトの「ディベルティメントK136」は、軽やかで明るいメロディが特徴で、気持ちを前向きに保ちながら集中できます。また、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」は、安定感のある旋律が心を落ち着け、集中力をサポートします。クラシック音楽は、勉強に最適な環境を提供し、効率的な学習を助けてくれるでしょう。
快楽が原動力となり頑張れる傾向があるタイプの人は、脳内のドーパミンを活性化すると集中力が高まります。このタイプは、広範な旋律に対応する力があるため、多彩な楽器が使われている以下の交響曲もおすすめです。
・ベートーヴェン: 交響曲第5番ハ短調「運命」
・ドヴォルザーク: 交響曲第9番ホ短調「新世界より」
・マーラー: 交響曲第1番ニ長調「巨人」
モチベーションを高めたいときにおすすめのクラシック音楽
勉強中にモチベーションを高めたいときは、壮大な構成とエネルギッシュな展開を持つクラシック音楽が効果的です。こうした曲は、ドラマチックな要素を含み、自然とやる気を引き出してくれます。
たとえば、ベートーヴェンの「交響曲第5番 運命」は、その力強いリズムと緊張感のある展開が、困難に立ち向かう意欲をかき立てます。同じくベートーヴェンの「交響曲第9番 合唱付き」も、壮大なクライマックスに向かって進む曲の流れが、学習への意欲を高めるでしょう。
また、ドヴォルザークの「交響曲第9番 新世界より」は、エネルギッシュで情熱的なメロディが、前向きな気持ちを引き出し、勉強をさらに充実させる手助けをしてくれます。
安定感や自信を感じる音楽がモチベーションの向上につながるタイプは、ピアノソナタやトルコ行進曲のように、繰り返しの多い安定した旋律の以下の曲もおすすめです。
・ベートーヴェン: ピアノソナタ第14番「月光」
・モーツァルト: トルコ行進曲
・ショパン: ピアノソナタ第1番ハ短調 Op.4
リラックスしたいときにおすすめのクラシック音楽
リラックスしたいときに聴くクラシック音楽は、穏やかで美しいメロディが特徴の曲が最適です。こうした曲は、心を穏やかに保ち、ストレスを軽減するのに役立ちます。
たとえば、ラヴェルの「亡き女王のためのパヴァーヌ」は、優雅で哀愁を帯びた旋律が心を落ち着け、ゆったりとした時間を提供します。また、サティの「ジムノペディ 第1番」は、そのシンプルでゆっくりとしたリズムが、勉強中の緊張をほぐし、心地よいリラックス感をもたらしてくれるでしょう。これらの曲を取り入れることで、リラックスしながらも効果的に学習が進められます。
まとめ
クラシックなどの歌詞のない音楽は、勉強中の集中力やモチベーションを高めるのに効果的です。ただし、教科によっては音楽が逆効果になることもあります。音楽を取り入れつつ、さらなる学習効果を求める浪人生には、専門的な指導と整った学習環境を提供する予備校に通うことをおすすめします。
音楽のリラックス効果と予備校の学習環境を組み合わせることで、より効果的な学習が実現できるでしょう。塾や予備校を探している人は、オススメ予備校一覧ページをぜひチェックしてみてください。