浪人は現役時代と何が違うの?
浪人生となって予備校に通う時、現役時代に予備校に通っていたのとはどんな違いがあると思いますか?
現役生の時に生活の場であったのは高校でした。その生活の場が、浪人生にとっては予備校になり、1日のほとんどの時間を予備校で過ごすことになります。通学する高校を選ぶ時に学校見学などをしてよく吟味し、雰囲気が自分にフィットする、自分の将来の希望に沿った学びのできる学校を選択した人は多いと思います。同じように予備校も選ぶ必要があると言えるでしょう。
さらに、予備校選びは高校選びよりもある意味シビアなものです。高校を卒業した時には必ずしも結果は求められませんが、予備校に関しては次の春に結果が求められます。それでは結果を出せる予備校は、どのようなポイントを確認して選べば良いのでしょうか?
1.合格実績を正しくチェック
予備校選びで大きなポイントとなる「合格実績」ですが、正しく見ることができているでしょうか? 多くの予備校では最難関と言われる大学の合格実績を大きく掲げていて、予備校選びをする浪人生はついついその数につられがちです。本当に見るべきは、自分の志望する大学にどれくらいの人数が合格しているかということ。また、その予備校の規模についても合わせて考えなくてはいけません。規模が大きくなればなるほど、合格者数も多くなるということを頭に置いておきましょう。
できれば通学しようと思っている校舎の、通学しようと思っているクラスに前年度何人が在籍していて、その内何人が自分の志望する大学や同レベルの大学に合格しているのかを確認してみましょう。
2.指導スタイルで大きな違いがあります
予備校は指導スタイルで大きく二分されます。ひとつは集団授業、ひとつは個別指導です。
集団授業は大教室で100人超の受講生で行うような規模の大きなタイプと、少人数授業で行うタイプがあります。大教室授業でも少人数制でも、集団授業に共通することは「そのクラスの平均値に合わせた授業」になるということです。また、クラスメイトが出来る、自主性が重んじられるといった特徴もあります。管理されると反発心が起きてしまい、ある程度自由に勉強したほうがモチベーションを保ちやすい、という人は集団授業タイプの予備校を選択するのは一つの方法です。クラスの人数が増えれば増えるほど自由度は高くなり、その分、自己責任の度合いも重くなるということは心構えをしておきましょう。
一方の個別指導タイプの予備校では、生徒個々に合わせた指導を受けることができます。学力や進捗度合いを担当講師にしっかりと把握してもらえる分、管理されているという感じは強くなります。ですが、自分の学力を客観的に把握して、その都度スケジュールを見直すといった学習以外の作業負担が軽減させることができます。予備校や講師と信頼関係が結べていれば、安心して学習に集中することができるでしょう。
3.環境もしっかり見ましょう
浪人生にとって予備校は1日の多くの時間を過ごす生活の場となります。居心地が良いこと、勉強する環境が整っていることは、予備校を選ぶうえでの大切な要素となります。
基本的なところでは、長時間移動やラッシュなどで通学に過度のストレスを伴わないかどうか、繁華街が近いなど遊びの誘惑につられてしまうような立地ではないか、帰宅の際に治安や安全面での不安がないか、といったことが挙げられます。予備校の中の環境では、特に自習室については確認したいポイントです。利用可能な曜日と時間、十分な席数があるかどうかを見学会の時などに確認しておきましょう。
4.勉強以外のサポート体制は?
現役生にとって高校は、先生というアドバイスをくれる人がいる大切な場でした。浪人生にとってその場は予備校になります。勉強以外にも生活のことや、モヤモヤとした将来に対する不安な気持ちをサポートしてくれる体制がその予備校にあるかということは、非常に大切です。具体的には、担任制やチューター制といった体制があるのか、保護者とのコミュニケーションを取ることをしているのか、といったことが挙げられます。
また、殺伐とした雰囲気の中では1年間を乗り切るのもつらくなり、勉強そのものへの集中力が落ちてしまうといった問題が生じかねません。居心地の良い雰囲気かどうか、モチベーション高く通い続けられる環境づくりがされているかは実際にその予備校を見学してみないとわからない点でしょう。
精神的に安定した状態で浪人生活を送れるかどうかは、次の春の結果にも大きく影響してきます。