「予備校は浪人生にとって“生活の場”」
現役生にとっては学校が生活の場でしたが、浪人生にとっては一日のほとんどを過ごす予備校が生活の場になります。生活の場ですから授業のクオリティだけではなく、通いやすい立地や学習しやすい環境であることも大切にしたいポイントです。通学にどれくらいの時間がかかり、それは自分にとって大きな負担にならないか? 自習室は自分が使いたい時に開いていて、使い勝手が良いか? そういった視点からも予備校を比較してみましょう。
憧れの講師の授業が受けられるからといって、通学に2時間もかかってしまったら、そこに費やすエネルギーは1年間では相当なものになります。自習室の席を取るために長い列に並ばなければならないとしたら、それも1年続けば相当なストレスです。
毎日通うことに頑張りすぎなくても良い予備校が、“生活の場”として理想的な予備校です。
「勉強だけでなく“戦略”も必要」
ただやみくもにテキストの初めから終わりまでをこなすような勉強は、予備校の手を借りなくても出来ないことはないでしょう。また、自分の弱点や“抜け”を指摘してもらい、そこを強化してもらうことを予備校に通う意味だと考えている人も多いと思いますが、実はそれでも足りません。
いまの受験に求められているのは“戦略”。何をどう勉強すればこの大学に合格できるという作戦を教えてもらうことこそ、予備校に通う本当の意味です。できれば自分にカスタマイズした作戦を立ててくれる予備校が理想的で、そう考えると個人指導スタイルを取り入れている予備校がベスト、ということになるでしょう。
また、自分の目指す大学についてのノウハウを、その予備校と講師が持っているかどうかの見極めも大切です。在住する地域の大学に進学希望であれば、その地域だけで展開している小規模の予備校にもノウハウはあると考えられますが、その土地を離れて違う地域の大学を目指しているのであれば、全国ネットワークがあり、各大学に対するノウハウを所有している予備校を選ぶべきだと言えます。
「モチベーションの維持にも大きく関係する予備校」
浪人生は学生でもなく、アルバイトなどで社会とつながることもままならない、所属のない閉塞的ともいえる立ち位置で、時間が経つにつれてそのことが辛くなったり、必要以上に落ち込んで勉強面も負のスパイラルに巻き込まれてしまう人も少なくありません。その負のスパイラルを阻止しようと尽力してくれる予備校こそ、浪人生にとって理想の予備校です。
担任の先生やチューター、講師が勉強面での調子をしっかりと把握し、不調の時はそれを持ち上げるような対策をしてくれる。体調や生活面についても気にかけて、いつもと様子が違うと感じた時には積極的に声をかけてくれる。そんな、予備校のスタッフが積極的にコミュニケーションを取ろうと頑張る姿勢がある、浪人生が「自分は一人ではない」と感じられる予備校が理想的です。そういった予備校を選ぶことで、モチベーションを維持したまま1年に及ぶ長期戦を戦い抜くことが可能になります。