早稲田大学と慶応大学の両方に合格したら、どちらに行ったほうが「人生的には得」なのか

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早稲田大学と慶應義塾大学の両方に合格したら、どちらに行ったほうが人生的には「正解」なのでしょうか。
早慶のダブルタイトルを獲得した人は、相当ハードな受験勉強を乗り越えてきたはずです。その苦労がいま報われたのです。しかし、早大か慶大か、どちらか一方にしか通うことができません。そこで入学手続きの締め切りまでに、自分は早稲田カラーが合っているのか、それとも慶應カラーが合っているのかを決めなければなりません。

人生の第1ラウンドの勝者たちへ「原則、どちらに行っても正解」

早慶は日本の私立大の2大巨頭であり、国公立大でもこの2つの大学にかなわない大学はたくさんあります。
私立大学のブランド力では、上智大やマーチ(明治、青山、立教、中央、法政)も魅力的ですし十分一流ですが、しかし早慶はブランド力も魅力も一流さも格が違います。

学部は重要

早慶のダブル合格者には、早大と慶大で違う学部に合格した人もいるのではないでしょうか。早大か慶大かの選択と同じくらい、学部の選択は重要です。

例えば早大法学部の一般入試の科目は以下のとおりです。
・外国語(英語、ドイツ語、フランス語、中国語のうち1科目)
・国語
・世界史、日本史、政治・経済、数学のうち1科目

一方、慶大経済学部の一般入試の科目は以下のようになっています。
・英語
・数学、世界史、日本史のうちの1科目
・小論文

英語、国語、世界史、小論文の勉強をしていれば、早大法学部と慶大経済学部の両方を受験することができます。この2つの学部にダブル合格した人は大学のカラーだけではなく、大学卒業後の就職を見据えて学部を選ばなければなりません。

大きく分けますと、法学は社会を正しく規制する学問で、経済学は経済発展を考える学問です。経済学志向の人が法学部に入ると窮屈に感じるかもしれませんし、法学志向の人が経済学部に入るとマネーの世界に違和感を持つかもしれません。

例えばノーベル賞に経済学賞はありますが、法学賞はありません。これは、経済学の理論は世界に通用しますが、法律はその国でしか通用しないことと関係しています。したがって、グローバル志向の人は経済学部を選び、国内志向の人は法学部に入る、という選択方法も「あり」かもしれません。

偏差値はやや早大のほうが上か

少しでも偏差値が高いほうに入りたいと考える早慶ダブル合格者は、早大なら政治経済学部または社会科学部、慶大なら法学部または総合政策学部になります。両大学の学部別偏差値は次のとおりです。

早大慶大
法学部67.5 法学部70.0
政治経済学部70.0 経済学部67.5
商学部67.5 商学部65.0
教育学部62.5~67.5  総合政策学部70.0
社会科学部70.0   
国際教養学部65.0   
文学部67.5ドロー文学部67.5
文化構想学部67.5   
基幹理工学部65.0 理工学部62.5~65.0
創造理工学部62.5~65.0  環境情報学部70.0
先進理工学部62.5~67.5  医学部72.5
人間科学部65.0  看護医療学部60.0
スポーツ科学部62.5  薬学部62.5~65.0



両大学で比較できる5学部では、早大の3勝1敗1分けでした。しかし、慶大には早大にない、医学部と看護医療学部と薬学部があり、慶大医学部の偏差値72.5は私立大の最高値です。

早大生は世間でこう見られている

慶大生と比較した場合、早大生は「庶民的」と見られる傾向があります。また行動力や発言力や実行力が高い、と評価されています。
内閣総理大臣はまさにその3つの力が求められる役職ですが、早大は竹下登氏、小渕恵三氏、森喜朗氏、福田康夫氏、野田佳彦氏など7人を輩出しています。これは東大の15人に次ぐ2位です。ちなみに慶大の首相経験者は橋本龍太郎氏と小泉純一郎氏の2名です。

早大の卒業生はベンチャー企業や起業に興味を持つ人が多い傾向があります。そういった意味ではチャレンジ精神が旺盛な人が多いようです。
ただこれも「慶大と比較した場合」の話であって、早大生も大量にメガバンクや総合商社、グローバルメーカー、流通業など、日本経済を牽引する東証一部上場企業に入社しています。

慶大生は世間でこう見られている

慶大生に対し、お坊ちゃん、お嬢ちゃんというイメージを持っている人は少なくないと思いますが、実際、幼稚舎から大学まで慶應で学ぶと学費は1,500万円ほどかかるといわれています。
学生本人の頭のよさも必要ですが、家庭の経済状況も良好でなければ慶應に通うことはできなしでしょう。

慶大生の強みは結束力とエリート意識でしょう。早大卒者は自分が早大出であることをあえて自分から告白しないことを美徳とする風潮がありますが、慶大卒者はほかの慶大卒者をみつけると声をかけ、仲間の輪を広げたがる傾向があります。
また、慶大卒者には間違いなくエリート意識がありますが、それは「ここまで本物だと嫌味に感じない」レベルといえるでしょう。早大卒者の強みがパワーなら、慶大卒者はあくまでスマートに突き進みます。

早大を出て活躍している人の特徴

早大は「中退をしてもサマになる」といわれています。タレントのタモリさんや、俳優の堺雅人さん、女優の広末涼子さん、タレントの石田純一さん、女優の室井滋さん、アイドルの手越祐也さん、脚本家の橋田壽賀子さん、お笑い芸人の上田晋也さんは早大を中退しています。

早大生の価値は「早稲田文化」に触れたことであって、卒業にこだわらない、といったところでしょうか。

経済人では、ソニー創業者の井深大氏も、元ソニーCEOの出井伸之氏も早大卒です。そのほか、以下の方々は早大を出ています。

・ユニクロを運営しているファーストリテイリング社の創業者兼CEO、柳井正氏
・メルカリ創業者兼社長、山田進太郎氏
・韓国サムスングループ創業者、李秉喆氏
・イオンCEO、岡田元也氏(創業家出身)

これだけの偉人たちを並べると、早大には、起業家マインドと創造性と大局観を同時に兼ね備えた人物を育む環境が整っている、と推測できます。

そのほか、早大卒者が社長やCEOなどのトップを務めた有名企業は次のとおりです。

三菱自動車、NHK、APAホテル、富士通、東京地下鉄、中村屋、武田薬品工業、フジテレビ、ホンダ、中国電力、LINE、中日新聞、角川書店、成城石井、東芝、オリンパス、全日空、任天堂、日本経済新聞社、西武グループ、清水建設、森永製菓、伊藤園、カゴメ、ニチレイ、三井化学、参天製薬、WOWWOW、コニカミノルタ、ライオン、横浜ゴム、近鉄百貨店、大和証券、小田急電鉄、京王電鉄、名古屋鉄道、テレビ東京、東北電力、東京瓦斯

慶大を出て活躍している人の特徴

慶大卒者のなかにも、著名人はたくさんいます。アイドルグループの桜井翔さん、女優の葵わかなさん、司会者の黒柳徹子さん、タレントのミッツ・マングローブさん、お笑い芸人の中田敦彦さん、俳優の中村雅俊さん、ジャーナリストの池上彰さん、エッセイストの阿川佐和子さん、スタジオジブリの鈴木敏夫さんなど、そうそうたる顔ぶれですね。

慶大は、芸術家や表現者などを多く輩出し、しかもその多くは慶應らしくスマートでクールな印象があるのではないでしょうか。

ザ慶應ボーイ、超お坊ちゃんの日本最大級企業の社長の素顔

「お坊ちゃん」気質の慶大卒者のなかでも群を抜く名家の出身で、なおかつ大人物として知られるのが、トヨタ自動車株式会社の創業家出身で2009年から同社社長を務める豊田章男氏です。
章男氏は自らを「超お坊ちゃん」と呼んでいます。自虐的な表現に聞こえるかもしれませんがそうではなく、そこには日本最大級の企業を率いる者のしたたかなPR戦略があります。
章男氏の言動には、慶應ボーイらしいさわやかさと深みと広がりと、そして少しの泥臭さがあります。慶大を理解するうえで重要な人物ですので、深掘りしていきましょう。

章男氏の40年来の友人は、超お坊ちゃんと普通のお坊ちゃんの違いを次のように解釈しています。

・普通のお坊ちゃん:目線を家柄や学歴が同等の人たちに合わせる
・超お坊ちゃん:他人を上下で区別せず、本質を持つ人にはどのような立場の人でも心を開く

さらに超お坊ちゃんには、「いま褒められたい」という欲求がありません。章男氏はいわば、トヨタの社長になるべくしてなった人です。つまり「社長になりたかった社長」ではなく「社長の立場で仕事をしたかった社長」なのです。

電気自動車や自動運転車への巨額投資から透けてみえる章男氏の社長としての采配は、「いま成果を出す」ことより、将来花を咲かせる苗を一生懸命植えている印象です。

章男氏は社長に就任したとき、長年慕ってきたトヨタの先輩社員に「私の社長としての仕事は、トヨタをさらに100年継続させるための基礎づくりです」と伝えたそうです。

そしてこれも、いかにも超お坊ちゃんらしいエピソードなのですが、章男氏が慕うその先輩社員は、トヨタ内ではそれほど出世していません。
章男氏はその先輩に向かって「先輩が出世していないのがすごく嬉しい」といったそうです。この先輩が出世していたら、周囲から「トヨタの御曹司と仲がいいから好待遇を受けた」といわれかねません。章男氏は「そうなっていないから友情を深めることができる」といいたいのかもしれません。

章男氏は超お坊ちゃんですが、いわゆる「ヤワ」ではありません。中学まではサッカー少年で、慶應高校ではホッケーをやり、慶大でも体育会のホッケー部に入り、五輪日本代表メンバーにも名を連ねたこともあります。

そして章男氏は、経済人としての生き方も超お坊ちゃんです。慶大法学部を卒業した章男氏は、アメリカのビジネススクールに入学し、MBA(経営学修士)を取得します。そしてそのままアメリカの投資銀行に入社します。
ところがトヨタの自動車はアメリカでも有名なわけです。章男氏があのトヨタの御曹司であることを知ると、さすがにアメリカ人も「引く」のです。章男氏は「豊田姓」を持つことに悩み始めます。
そのとき上司から、「同じ苦労をするなら、トヨタのために苦労したらどうだ」と助言され、トヨタ自動車に入社することを決意しました。

章男氏はトヨタ自動車に入社するときに、父親でやはりトヨタの社長を務めた豊田章一郎氏から「お前(章男氏)を部下に持ちたいと思う人間はトヨタにはいない。特別扱いはしない」といわれます。
そして実際に、章男氏はいち求職者としてトヨタ自動車に履歴書を提出し、いち社員として入社しました。その後は、係長から平社員に降格したこともあります。

トヨタ自動車の社長になった章男氏に、荒波が襲います。章男氏が社長に就任したのが2009年で、その前年には100年に一度の経済事件といわれているリーマンショックが起きていました。トヨタ自動車は71年ぶりの連結営業赤字に陥っていました。章男社長はマイナスからのスタートだったのです。

トヨタ自動車の連結純利益は、2008年3月期は1兆7,179億円の黒字でしたが、翌2009年3月期は4,369億円の赤字に転落しました。株主総会では株主から「2兆円の黒字を1年で赤字にした社長」と非難されました。

それだけではありません。2010年にはアメリカで大規模なリコール問題が起き、世界的なトヨタバッシングに拡大してしまいました。トヨタ車はブレーキがきかなくなる、アクセルを緩めても加速し続ける、といった現象が起きると「いわれた」のです。

章男氏はアメリカ下院公聴会に招致され、下院議員たちから文字とおり「袋叩き」に遭います。その逆境の場所で、章男氏は英語で「私は創業者の孫。すべてのトヨタ車に私の名前がついている。私にとってトヨタ車に傷がつくことは、私自身に傷がつくことだ」と堂々と表明しました。そして、トヨタ本社で「ブレーキがきかない」「勝手に加速する」という現象を探したが、再現できなかった、と主張しました。下院議員たちは、章男氏は素直に謝罪していないとさらにやり玉に挙げました。
そして結局、アメリカ運輸省は2011年2月に「トヨタ車には欠陥がなかった」という最終報告書を発表したのでした。トヨタは濡れ衣を着せられただけだったのです。

章男氏の逃げも隠れもしない態度と、社員を信じる強い信念と、その後の東日本大震災を乗り切ったリーダーシップと、2018年3月期決算で連結純利益2兆4,940億円を叩き出す経営手腕は、紛れもなく超お坊ちゃん慶應ボーイの真骨頂といえるでしょう。

まとめ

早大と慶大に入学できれば、人生の何割かは成功したのも同然です。なぜなら早大卒者と慶大卒者には、特別なステージが用意されているからです。また早大卒者と慶大卒者には、力強い仲間が全世界にいます。 誰でも大きな仕事に取り組めるわけではありません。誰でも大きな使命が与えられるわけでもありません。しかし早大生と慶大生は、確実に大きな仕事と大きな使命に携わることができるのです。

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