大学受験に役立つ資格17選!受験に有利となる資格レベルも紹介
一部の大学は、入試に外部の資格や検定を利用している場合があります。そのため、資格試験を上手に活用すると、効率的に勉強を進めたり、自己アピールに役立てたりできます。この記事では、大学受験を目指す高校生が、高校時代に取っておくことで役立つ資格を17個紹介します。
大学受験に役立つ英語の資格4選
2022年の入試において、英語の外部検定を利用した大学は、全体の半数以上となっており、この傾向は年々増加しています。総合型や推薦型に限らず、一般選抜も増加傾向にあります。外部検定に対する取り扱いは、出願資格になっているもののほか、加点や一定の得点に換算する場合など多岐にわたります。
また、英語の知識があれば海外のニュースや論文などに触れることができるため、自分の専門性を高めるのに役立つでしょう。
英検(実用英語技能検定)
大学受験には、英検の成績が加味される傾向があります。例えば、一般選抜の場合は一定の得点に換算して加点され、総合型・推薦型の場合は出願資格となっているケースもあります。従来型の英検は、年間3回実施で1次試験と2次試験に分かれて4技能(Reading・Listening・Writing・Speaking)を測ります。
一方、「英検S-CBT」の試験は1日で終了です。原則、土日に実施されているため、自分の都合にあわせた受験ができます。
【2022年度のスケジュール例】
資格名 | 取得級の目安 | 試験方式 | 試験日 | 結果発表 | |
1次試験 | 2次試験 | ||||
英検 | 準2~2級 | 従来型 | 5月末~6月初旬 | 7月 | 7月※1 |
9月末~10月初旬 | 11月 | 11月中旬~12月初旬※1 | |||
1~2月初旬 | 2~3月 | 2月末~3月中旬※1 | |||
S-CBT※2 | 試験日程例:7月上旬 | 結果発表例:7月下旬 |
※1:2次試験の結果発表日程
※2:原則毎週土日開催
GTEC CBT
GTECは、ベネッセが実施している「読む・聞く・書く・話す」の4技能を測定する英語の検定です。高校では、GTEC検定版が実施されているケースがあります。しかし、利用できる大学数はCBTのほうが多い傾向です。また、3技能よりも4技能のほうが大学受験に有利です。
資格名 | 得点レベルの目安 | 試験方式 | 試験日 | 結果発表 |
GTEC | 約700~1,000点 (大学により異なる) | CBT | 7月・11月・3月 | 各検定日から約5週間後 |
検定 | 6月・8月・12月 | 8月・10月・翌2月 |
※年2回まで受検可能
TOEIC
TOEICは、英語を使ったコミュニケーションスキルとビジネス能力を測る検定です。問題には、「リスニング」「リーディング」の2技能があります。大学受験に有利になるのは、約700~800点以上ですが、大学入試を踏まえて受験する場合は、最低でも2技能の合計で600点以上得点することを目指してみましょう。
資格名 | 得点レベルの目安 | 試験方式 | 試験日 | 結果発表 |
TOEIC | 約700点 (大学により異なる) | マークシート | 4月・5月・6月・7月・8月・9月 | 各検定日から約1ヵ月後 |
TEAP
TEAPは、高校生を対象に大学入試を想定して開発された英語能力を判定する検定です。英語の「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能が、日本の大学教育レベルにふさわしいかを知る目安となります。2020年5月時点でTEAPを採用しているのは184大学、TEAP CBTを採用しているのは108大学です。
資格名 | 得点レベルの目安 | 試験方式 | 試験日 | 結果発表(※) |
TEAP | 約225~250 (大学により異なる) | TEAP | 7月・9月・11月 | リーディング・リスニング:試験後約2週間 ライティング・スピーキング:試験後約3週間 |
TEAP CBT | 6月・8月・10月 |
※どちらもWeb公開の場合
大学受験に役立つ英語以外の語学系の資格4選
英語に限らず、語学系の検定は大学受験で評価される場合があります。
漢検(日本語漢字能力検定)
公益財団法人日本漢字能力検定協会の2021年に行った独自調査によると、入試で漢検の資格を評価する大学・短大は、全体の55%でした。各大学は、大学入試改革に伴い主体的に学ぶ態度や積極性などを評価することが重視されているため、漢検は積極性をアピールするのに役立つでしょう。また、語彙力が高ければ文章の読解力が向上し、問題や講義などを理解しやすくなります。
資格名 | 取得級の目安 | 試験方式 | 試験日 | 結果発表 |
漢検 | 準2級以上 (大学により異なる) | 従来型(筆記試験:個人受験) | 6月・10月・2月 | 7月・12月・3月 |
CBT | 随時 | 試験日の8日後 |
日本語検定
日本語を正しく使えるかを測る検定です。漢字・表記・敬語・言葉の意味・語彙・文法が問われ、領域別得点率と総合得点率とのバランスで認定されます。なお、主に日本語が母国語でない人が対象となる日本語能力試験とは別の試験です。大学受験には、3級以上で優遇される傾向があります。
独語検定(ドイツ語技能検定)
日本語を話す人向けに作られたドイツ語の検定です。2級(Mittelstufe)では、ドイツ語の文法や語彙について十分な知識があり、日常生活や社会生活で使われる文章が理解できる程度が認定されます。そのため、大学受験や就職活動では2級以上の取得がおすすめです。
フランス語検定(実用フランス語技能検定)
各大学のフランス語専門課程のレベルで比べると級の目安は、以下の通りです。
・大学1年:4級(日常のフランス語を問う)
・大学2年:3級(一通りの日常表現を問う)
・大学3年:準2級(一歩進んだフランス語を問う)
面接や大学入学後に役立つ理数系の資格4選
理数系の資格にも、大学受験に役立つものがあります。
数検(実用数学技能検定)
2020年12月現在で、480校以上の大学・短大・専門学校で優遇対象になっている検定です。また、入学後には数学の単位として認定される場合があります。幼児から一般までの階級があり、高校1年程度の階級となる準2級以上が受験に有利です。
理検(実用理科技能検定)
理科技能を以下の5つの技能に分けて出題しています。
1.観察・実験技能
2.計量・測定技能
3.統計・検査技能
4.比較・調査技能
5.論理・表現技能
階級は、「物理検定」「化学検定」「生物検定」「地学検定」のように分かれていて、2級が高校基礎程度、1級が高校応用程度です。
日商簿記
日本商工会議所が実施している日商簿記は、社会人も多く受験する検定です。簿記は経理に限らず商品が会社に与える影響を考えたり、経営状況の分析をしたりする場合にも役立ちます。高校卒業レベルは2級、大学卒業レベルは1級が目安です。取得することで中小企業や大企業で働くための土台作りとなることが期待できます。受験には2級の取得を目指しましょう。
全商簿記
全国商業高等学校雇用会が実施している全商簿記は、高校生の受験も多い簿記検定です。検定試験は、「1級(会計)」「1級(原価計算)」「2級」「3級」の4種類があり、1級の合格には会計・原価計算の両方に合格する必要があります。大学受験には全商簿記1級の取得が有利です。
面接や大学入学後に役立つIT系の資格3選
大学卒業後にIT系キャリアを目指したい場合や、まず基本的なITスキルを高めたい場合に役立つ資格です。
基本情報技術者試験(FE)
ITエンジニアを目指す場合にまず取得を目指す試験です。出題される分野には以下のようなものがあり、多岐にわたります。
・基礎理論
・コンピュータシステム
・技術要素
・開発技術
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
・システム戦略
・経営戦略
・企業と法務など
ITパスポート試験(IP)
情報機器やシステムを把握して担当業務に役立てたりシステム化を推進したりする際に必要となる基礎的なIT知識を問う試験です。基礎的なIT活用力を備えるのに役立ちます。
マイクロオフィススペシャリスト(MOS)
ExcelやWordといったマイクロソフトオフィス製品の利用スキルが証明できる資格です。
その他のおすすめ資格2選
総合型選抜・学校推薦型選抜試験の場合は、将来の進路を見据えた資格を高校生のうちに取得することで面接時のアピールに役立ちます。
秘書検定
社会人としての常識やマナーが問われるため、秘書になる場合以外にも役立つ資格です。3級は高校生の受験が多く、2級は秘書として上司に接する対応のほか、効率のよい仕事の仕方も問われるため、大学生にも人気があります。
ニュース時事能力検定(N検)
ニュース時事能力検定の出題領域は、以下の5つです。
・政治
・経済
・暮らし
・社会環境
・国際
新聞やテレビのニュース報道を読み解いて活用する力(時事力)を養い、認定する検定のため、生涯学習に限らず応用力が問われます。全国約450の大学や短大で活用・評価・優遇されます。
資格試験は受験や単位取得・自己啓発に役立つ!
一部の大学によっては、一定の資格・検定を出願要件や優遇条件としている場合があります。また、総合型選抜・学校推薦型選抜試験の面接時に有利に働く場合もあるため、自分が志望する大学に適用があるかについて調べることは大切です。資格英語や、IT系の資格などを活かして有利に受験を乗り切っていきましょう。