親は知らない?大学受験生が親に知ってほしいこと・してほしいこと

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大学受験生は、受験本番を目前に不安な気持ちを抱えています。そんな受験生を、陰になり日向になりサポートするのが親の役目です。しかし、実際には受験生と親との間で意識のギャップがあることをご存じでしょうか。親子間でのギャップが大きくなる前に「受験生が親に知ってほしいこと・してほしいこと」を正確に把握して適切にサポートを行いましょう。

この記事では、「受験期における親子の実態調査2020(ODKソリューションズ調べ)」の結果から、受験生と親との間でギャップが大きい部分について解説します。親子間の意識の差を把握したうえで、親が適切な形で受験生をサポートする方法を考えてみましょう。

受験生が親に知ってほしいことと親が知りたいことにはズレがある

大学受験に関して「子どもが親に知って欲しいこと」と「親が知りたいこと」には、ズレがあるようです。ここでは、「受験期における親子の実態調査2020」のうち「受験期に親に知ってほしいこと・子どもについて知りたいこと」について、受験生と親それぞれの回答が多かった上位5つをご紹介します。

大学受験生が親に知ってほしいことトップ5

順位

親に知ってほしい内容

割合

1位

志望校選びについて

54.0%

2位

出願方法など受験の仕組みについて

49.0%

3位

受験のスケジュール

46.0%

4位

志望校や学部について

42.0%

5位

オープンキャンパスについて

24.0%

5位

大学卒業後の進路について

24.0%

大学受験生の親が知りたいことトップ5

順位

親が知りたい内容

割合

1位

志望校選びについて

52.0%

2位

志望校選びについて

51.0%

2位

受験のスケジュール

51.0%

4位

大学卒業後の進路について

40.0%

5位

出願方法などの受験の仕組みについて

37.0%


8割の親は知らない!「92%の大学受験生が親に知ってほしい」こと双方の回答を比較すると、受験生の約半数が「出願方法など受験の仕組み」について親に知ってほしいのに対し、親はその点への関心が薄い傾向です。逆に、多くの親が知りたい大学卒業後の進路を、まだ意識していない受験生が多いという結果も出ています。

これらを踏まえると、受験生が親に対して「卒業後の進路よりも、目前に迫る受験についてもっと関心を持ってほしい」と思っていることは間違いなさそうです。

同調査では、親子間で大きな意識のズレが見られる結果も出ています。大学受験生の92%が「親に知ってほしい」と思っている「入試制度や受験のスケジュール」や「志望校」について知っている親が少ないことです。

「入試制度や受験スケジュール」をよく知っている親はたった19%

先述の質問について「子どもの志望校や入試制度をよく知っている」と答えた親は、たったの19%でした。受験生にとっては、かなりショッキングな結果となっています。

親の約6割は今の入試制度に複雑さやわかりづらさを感じている

なぜ、多くの親は子どもの志望校や入試制度、受験スケジュールをよく知らないのでしょうか?その答えは、親に子どもの受験に対する心境を問う質問への回答でわかります。

質問に回答した親の57%が「現在の入試制度や学部が複雑でわかりづらい」と回答。「入試制度などが自分の時代と異なり戸惑う」と回答した親も56%おり、約6割の親が現在の入試制度や学部などの情報について、理解が追い付いていない様子がうかがえます。

親は「わかりづらい」で済ませず積極的に受験情報をリサーチする

親が「わかりづらいから自分でなんとかして」という態度では、受験生が親に突き放されたような不安な気持ちになりかねません。場合によっては、受験へのモチベーションが下がってしまい、成功するはずの受験に失敗する恐れもあります。

そのような事態を回避するためにも、親は積極的に入試制度などのリサーチを行い、その情報を親子で共有し、時にはサポートも行うことが必要です。共有項目が増えることで、受験生が「親に支えられていると」実感でき、安定した気持ちで受験準備を進められることが期待できるでしょう。

大学受験生が親からかけて欲しい言葉とは?

同調査では、「受験生が親にかけてほしい言葉・かけてほしくない言葉」についての質問を受験生に行っています。

受験生が親からかけてほしい言葉の1位は「特になし」

順位

親にかけてほしい言葉

割合

(複数回答)

親にかけてほしくない言葉

割合

(複数回答)

1位

特になし

31%

もし落ちたら、もしダメだったら…

43%

2位

お疲れ様

27%

もっと頑張らないと

39%

3位

頑張って

21%

良い結果期待しているよ

35%

受験生が親からかけて欲しい言葉の1位は「特になし(31%)」。2位に「お疲れ様(27%)」、3位は「がんばって(21%)」が続きます。この調査結果から受験生が親に対して「自分を信じて黙って見守ってほしい」と願っていることがうかがえるでしょう。

一方、親にかけてほしくない言葉は「もし落ちたら、もしダメだったら…(43%)」が1位。2位が「もっと頑張らないと(39%)」、3位は「良い結果期待しているよ(35%)」が続いています。受験生を不安にするような言葉や、プレッシャーをかける言葉をかけないでほしいことが理解できるのではないでしょうか。

親は遠くから受験生を見守るスタンスで

以上の結果は、親がよけいな声掛けをせず、受験生を遠くから見守るスタンスを取ることの重要性を示しています。それによって受験生が安心して受験準備ができ、ベストなコンディションで本番に臨める可能性も高くなるでしょう。

8割の親ができてない!「大学受験生が親にされてうれしいこと」

大学受験に際して受験生がどのようなサポートを親に求めているか、親はそのニーズを満たしているかについても見ていきましょう。

多くの親はある程度受験生のニーズを満たす行動ができている

同調査では、「受験生が親にされてうれしいこと」と「親が実際に行っている行動」についての質問も行っています。上位3つを確認してみましょう。

順位

受験生が親にされてうれしいこと

「とても嬉しい」の割合

親が実際に取っている行動

「よく行っている」の割合

1位

自分の意見を尊重してくれる

40%

普段と変わらず接する

42%

2位

食事など体調面をサポートしてくれる

37%

子どもの意見を尊重する

30%

3位

普段と変わらず接してくれる

35%

食事など体調面をサポートする

29%

「受験生の意見を尊重する」「普段と変わらず接する」「食事など体調面をサポートする」の3点では、受験生のニーズと親の行動がほぼ一致しています。この調査結果から、多くの親は、ある程度受験生のニーズを満たす行動ができているといえるでしょう。

「受験に関する手続きなどの事務サポート」については親子間で大きなギャップが

一方、31%の受験生が「親にされてとても嬉しい」と回答した「受験に関する手続きなどの事務サポート」については、親子間で大きなギャップがある傾向です。この項目について「よく行っている」と答えた親は17%でした。この結果から、受験生が手続きや事務サポートについて不満や不安を抱えていることがうかがえます。

しかし、受験手続きなどの事務作業は社会人の親のほうが得意なはずです。たしかに、それらの事務作業は手間がかかります。しかし、多くの受験生は受験勉強だけで手一杯です。そのため、そのような場面こそ親の出番と考え、受験生が事務手続きでストレスをためないようにサポートできるとより一層よいでしょう。

大学受験生の親が本当に行うべきサポートとは?

以上の結果を踏まえたうえで、大学受験生の親が本当に行ったほうがよいサポートは、以下の通りです。

・親自らが積極的に現在の受験制度や子どもの志望校などの受験情報を収集する
・親が収集した受験情報を受験生と共有しながら必要に応じて助言やサポートを行う
・受験生を不安にさせる声掛けをせず黙って見守るスタンスを崩さない
・受験に関する事務手続きを全面的にサポートするのが親の仕事と心得る
・受験が終了するまで受験生の心身の健康に気を配り続ける

以上のサポートは、両親の受験に関する方向性がバラバラでは成り立ちません。両親が同じ方向を向きながら、受験生をサポートし、どんなときでも両親が子どもの味方になることが必須条件です。

そのためにも、両親の間で現在の受験制度や、わが子の志望校についての情報を共有し、受験に関する事務手続きについても両親が一緒にサポートを行うことが大切といえます。ぜひ、そのような意識で受験生のわが子を支えていきましょう。

※この記事は「受験期における親子の実態調査2020(ODKソリューションズ調べ)」の結果に基づき執筆しています。

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