大学受験模試でC判定になったらどうする?合格に向けた対処法を紹介
大学受験模試の結果に含まれる合格判定は、受験生が申込書類などに記入した大学の合格確率をランク化したものです。通常は、合格確率が高い順にA~Eでランク付けされます。その中間がC判定ですが、これはどう解釈すべきでしょうか?また、C判定の原因も気になるところです。そこで、今回はC判定の説明やC判定が出たときの対処法について解説します。
大学受験模試のA判定やC判定はどれくらいの合格率なのか
前提として、模試でA判定だから必ず合格する、C判定だから合格できないということはありません。
ただし、一般的な傾向として、それぞれの判定には以下のような意味合いが含まれています。
※受験する模試によって異なる場合があります。
S判定(合格確実): S判定は非常に高い合格率を示しています。一般的には90%以上の合格率が期待されます。
A判定(合格可能性高い): A判定も高い合格率を持ちますが、S判定ほどではありません。一般的には70%から80%程度の合格率が見込まれます。
B判定(合格可能性ある): B判定は合格可能性があるとされますが、合格率はA判定よりも低くなることがあります。一般的には50%から60%程度の合格率となることが多いです。
C判定(合格可能性低い): C判定は合格可能性が低いとされます。合格率は一般的には30%から50%程度となることが多いです。
ただし、合格率は模試の種類や年度、難易度などによって異なるため、一概には言えません。また、判定と合格率の関係も個々の受験者や受験校によって異なることがあります。
大学受験模試のC判定とは?
一般的には「C判定=合格可能性50%」とされていますが、それをどう解釈するかは模試を受験した時期で大きく異なります。
C判定が出た時期によっては実質的な合格可能性が50%を下回る場合も
C判定が出たのが高校1~2年の場合は、その後の勉強によって合格可能性が上がる可能性が高いでしょう。受験本番までまだ時間があるのが一番の理由ですが、未履修の科目や単元の習熟度によっては、判定のランクが大きく上がることも期待できます。
逆に、大学受験直前にC判定が出た場合は、その大学における実質的な合格可能性が50%を下回る場合もあるでしょう。なぜなら、受験本番までに苦手分野などの弱点を克服できなければ、不合格になる可能性が高いからです。
模試の合格判定は前年の大学受験の結果や模試の種類によって変わる
とはいえ、「受験直前にC判定が出た=志望校合格は無理」と考える必要はありません。なぜなら、模試の判定は、前年の大学受験の結果や模試受験者のレベルによって変わるからです。合格判定の基準となる大学の偏差値は、予備校などが前年度にその大学を志願した人や合格した人の偏差値から算出します。
例えば、前年の大学受験の難易度が低く合格者の偏差値が高い場合、翌年その大学の偏差値は高くなり、模試で高得点を取っても合格判定は低くなりやすい傾向です。もちろん、その逆の現象も起こります。さらに、模試の受験層によっては合格判定が異なる場合も少なくありません。
模試には、このような側面があり、模試と本番の大学受験で違う結果が出ることはよくある話ですから、模試の合格判定だけで一喜一憂する必要はありません。むしろ、重要なのはC判定を受けた理由を知って適切な対策を講じることです。
大学受験模試でC判定を受ける主な理由
まず、大学受験模試でC判定を受ける主な理由を紹介します。
「苦手分野」がある
大学受験模試でC判定になる理由で一番大きいのが「苦手分野」があることです。その原因は、以下のようなものがあります。
・基礎固めができていない科目や単元がある
・応用力が足りない
大学受験問題は、すべて高校で習う内容から出題されます。そのため、模試や大学受験本番の問題には基礎固めがしっかりとできていれば簡単に解ける問題も多い傾向です。ただ、応用問題は高校で習う基礎的な内容の何を使って問題を解くかを判断する必要があります。そのような「応用力」が足りないと、応用問題が多い試験では苦戦するでしょう。
大学受験模試でC判定の人は、ある程度の基礎固めはできているといえますが、基礎を応用する力に欠けていたり、十分に基礎が固まっていない部分があったりします。それを可視化できるのが模試の結果です。模試の結果で間違えたところを確認すれば、「どの単元が苦手なのか」「どこで応用が上手にできていないのか」などを把握できます。
そこを克服できれば得点力が上がり、合格の可能性を高めることができるでしょう。
試験の解き方に問題がある
試験の解き方に問題がある場合もC判定が出やすいでしょう。具体的には、以下の課題が多く見られます。
・問題を読むスピードや解答スピードが遅い
・問題の意図を正しく理解していない
・解答の時間配分に問題がある
これらの課題も模試の結果から読み取れます。それをもとに対策を講じれば得点率が上がり、合格可能性が高くなるでしょう。
基本的な学力不足である
そもそも、基本的な勉強が足りていない可能性もあります。
模試はあくまで「本番の模擬試験」にすぎません。ただし、C判定が出た時点で、合格率は50%以下であるため、基本的な学力不足である可能性があります。
部活動や課外活動などに忙しく、あまり勉強に力が入っていない、ということはありませんか?
また、そもそも受験した時期が高校1年生であるならば、受験まで時間があるため、勉強に対するモチベーションが高くなる、それが原因でC判定になってしまったのかもしれませんね。
模試でC判定が出たときに大事なのはそこで諦めるのではなく、逆に「模試でC判定でよかった」と思うようにしましょう。
なぜなら、模試は本番ではないため、仮にこれが本番だった場合、合格できる確率は残念ながら低いでしょう。
C判定が出るということは、その分伸びしろが多い、ということにつながります。
そのため、次に紹介する「C判定が出てから大学合格を目指すためにやるべき対策」を確認しながら、自分に何が足りていないのか、何をすればいいのかを振り返るようにしましょう。
大学受験模試C判定からの合格に向けて行いたい対策
大学受験模試でC判定の人は、合格と不合格の可能性が半々です。ここでは、合格可能性を上げていくために行いたい対策を紹介します。
1 模試の結果から苦手分野やつまずきポイントを見つける
模試の結果をざっと見るだけでも、どの分野が苦手なのかがすぐわかります。また、間違えた問題の正しい解答と自分の解答とを比べれば、つまずきやすいポイントを見つけることが可能です。それが、苦手分野やつまずきポイントを減らして得点率や合格判定を上げる第一歩となります。
2 苦手分野やつまずきポイントの原因を見つけて対策を行う
苦手分野や、つまずきポイントができる原因は人それぞれです。ただ、おおむね以下の2つが大きな原因となります。
・基礎固めができていない
模試で毎回解答率が低い単元がある場合は、基礎ができていない可能性が高いでしょう。解答率が低い単元は、まず基礎から見直し、弱点をつぶしながら基礎固めを行う必要があります。国語や英語の単語や文法、数学や理科の公式など基本的な知識が頭に入っていなければ、簡単な問題でも解けません。そのため、苦手分野については一から基礎を見直し、内容をしっかりと頭に定着させることが必要です。
・応用力不足
部分点しか取れない人に多いのが応用力不足です。応用力とは、公式や文法などの基礎を上手に応用しながら正しく問題を解く力を指します。部分点が多い人は、応用力が足りないケースが多い傾向です。それを克服するために有効な方法は、部分点になった問題と同じパターンの問題を数多く解き、応用問題を解くうえで適切な公式をすぐ引き出せるようにしておくことです。
例えば、以下のような訓練を繰り返し、正答を導く解答パターンを頭に刻み込んでしまうとよいでしょう。
・正答を導くのに適切な公式や文法を頭の中からすばやく引き出す
・意味がわからない単語があっても他の単語や文脈から文章の意味を正しく読み取る
最初は、手持ちの問題集の問題を繰り返し解いて正答パターンを身につけるといいでしょう。また、受験大学が決まったら、過去問に取りかかります。個々の大学の出題傾向などを理解しながら、苦手分野を中心に過去問を解くと合格しやすくなります。
間違ってない?模試を受けた後の正しい復習方法
模試は、実際に受験で受けることになる試験に対して「なるべく本番に近づけた状態」の試験になります。
つまり、模試を制する者が受験を制するといっても過言ではありません。
模試でC判定が出たからと言って「まぁ、仕方ない。次頑張ろう」で終わらせてしまうことは非常にもったいないです。
模試を受けた後に、どんな判定が出たとしても、全員が共通でやるべきことは以下です。
解答の確認
正解した・不正解だったに限らず、必ず解答は確認をするようにしましょう。
大事なのは実際に正解だった・不正解だった、ではなく「正解に至るまでの過程が合っているかどうか」を確認することです。
仮に、今回の模試で正解だったとしても、解き方を正しく理解していない場合、本番で同じように正解できるとは限りません。
多くの模試では解答だけではなく「なぜそのような結果になるのか」という解説も行われています。
それを確認して自分が学んできたことが間違っていないか、間違って覚えていないかを復習するようにしましょう。
間違えた問題の復習
仮に、問題を間違えてしまった場合それは真っ先に復習をすべき点です。
なぜ間違えたのかを解説を見ながら理解し、そのあと必ず「似たような問題」を何度も解くようにしましょう。
似たような問題を何度も解くことで、より自分の頭の中に知識が蓄積されていきます。
また、可能であればある程度期間をおいて問題を解くこともおすすめです。
そうすうこととで、知識が薄まった状態で改めて知識を蓄積することができるため、より定着率が高まります。
苦手な問題への対策
模試を受けていている際に、回答に時間がかかってしまった。
正解だったけども実は不安だった、というような自分が苦手だと思っている問題に対しても積極的に復習をするようにしましょう。
場合によっては教科書や参考書を見直して、改めて勉強しなおすことも大事です。
大学受験模試において自力でC判定から抜け出せないときはどうする?
ここまで紹介した内容は、大学模試でC判定より上の判定に抜け出す方法です。しかし、それを自力で行っても成績が伸びない場合は次の原因が考えられます。
・自分が気づいていない苦手分野やつまずきポイントがある
・苦手分野やつまずきポイントをどう克服すればいいかわからない
・問題を要領よく解く方法がわからない
このような場合は、学校の先生や塾・予備校のスタッフに相談しましょう。彼らは、教育や受験のプロです。その視点から自分ではわからない苦手分野やつまずきポイントを指摘し、それを克服する方向に正しく導いてくれることが期待できます。また、自分より成績が良い友人や大学受験経験者の先輩の話を聞くこともおすすめです。それが「脱C判定」のきっかけになる場合もあります。
ただ、やはり一番の近道は教育や大学受験のプロからアドバイスを受けることです。そのため、まずは受験の専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。
大学受験模試でC判定が出ても志望校の受験をあきらめる必要はない
大学受験模試でC判定が出ても、志望校の受験をあきらめる必要はありません。それよりも、模試の結果からC判定が出た原因をあぶり出して克服し、効率よく問題を解くテクニックを身につけることが大切です。また、その際に使う問題集は最小限を心がけましょう。なぜなら、成績は同じ問題集を繰り返し解き、基礎を固めて応用力を身につけるほうが上がりやすいからです。
さらに、受験校の過去問を繰り返し解くとその大学の出題傾向をつかみやすくなり、最短時間で効率よく問題を解くテクニックが身につきます。
また、場合によっては予備校などに通うことも検討するようにしましょう。
本記事で紹介したことを実践し、ゴールとなる大学受験本番でも思い通りの結果を出しましょう。