大学入試の受験料の平均は?受験料以外の出費や節約のコツ

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大学入試の受験料は、併願や交通費などを含めると思った以上に高額となってしまう傾向があります。そのため、大学受験の際は、どのような費用にいくらかかるのかを事前に把握することが重要です。本記事では、国立や私立など大学ごとの一般的な受験料の目安や、大学入試の費用を抑えるコツをご紹介します。志望校や併願校を決める際の参考としてください。

大学入試にかかる受験料例

大学入試にかかる受験料は、志望校や受験する学科の数に応じて、ある程度見積もることができます。

大学入学共通テストの受験料

大学入学共通テストを受けなくても、志願方法によっては大学受験が可能です。しかし、国公立大学の受験では当年度の大学入学共通テストの利用が必須となるため、必ず受験しなければなりません。大学入学共通テストの検定料は、以下の通りです。

受験科目数

検定料

成績通知手数料(※)

3教科以上

1万8,000円

800円

2教科以下

1万2,000円

800円

※成績通知を希望する場合、出願時に検定料と一緒に支払う

受験する学部によって課される科目が異なるため、事前によく募集要項を確認しておきましょう。例えば、東大では、文科各類・理科各類で以下のように受験科目を選びます。

・文科各類を志望する場合:大学入学共通テストの5教科8科目または6教科8科目から選択
・理科各類を志望する場合:大学入学共通テストの5教科7科目から選択

国立大学の受験料

夜間生などコースによって一部異なりますが、国公立大学の2次試験にかかる受験料は約1万7,000円です。例えば、東大の試験の場合は入学志願者の人数調整を行うために、大学入学共通テストおよび第2次学力試験を用いた2段階選抜を行っています。

東大の2次試験の選抜段階

検定料

第1段階

4,000円

第2段階

1万3,000円

私立大学の受験料東大の2次試験にかかる費用は、第1段階、第2段階をあわせてその他の国公立大学にかかる受験料と一致します。偏差値や志願倍率と受験料は、特に差がありません。

私立大学の受験料

医歯学部などを除くと、私立大学の受験料は3万~3万5,000円程度です。私立大学では、総合型選抜・学校推薦型選抜など複数の選抜方式があります。ここでは、参考までに早稲田大学、慶応義塾大学について、一般選抜にかかる受験料を紹介します。

大学名

1学部あたりの検定料(一般選抜)

早稲田大学

3万~3万5,000円

慶応義塾大学

3万5,000円(医学部:6万円)

大学受験にかかる受験費用のまとめ

大学受験では、第1志望のほか併願校を同時に受験する受験生が多い傾向です。一般的な併願校の数とここまでの平均的な受験料の状況をまとめると大学受験にかかる受験料は、以下のようになります。

国公立大学が第1志望の場合

国立大学が第1志望の場合にかかる受験料の目安は、以下の通りです。

・現役生:約19万~31万5,000円
・浪人生:約22万~38万5,000円

(併願校の数)

学生の状況

国公立大学

私立大学

共通テスト利用の私立大学

現役生

2~3校

4~6校

2~3校

既卒生

2~3校

5~8校

2~3校

 

(併願校にかかる受験料)

学生の状況

国公立大学

私立大学

共通テスト利用の私立大学

受験料の合計

現役生

3万4,000~

5万1,000円

12万~21万円

3万6,000~

5万4,000円

19万~31万5,000円

既卒生

3万4,000~

5万1,000円

15万~28万円

3万6,000~

5万4,000円

22万~38万5,000円

私立大学が第1志望の場合

私立大学が第1志望の場合にかかる受験料は、以下のようになります。

・現役生:約18万6,000~29万9,000円
・浪人生:約21万6,000~36万9,000円

(併願校の数)

学生の状況

私立大学

共通テスト利用の私立大学

現役生

5~7校

2~3校

既卒生

6~9校

2~3校

 

(併願校にかかる受験料)

学生の状況

私立大学

共通テスト利用の私立大学

合計

現役生

15万~

24万5,000円

3万6,000~

5万4,000円

18万6,000~

29万9,000円

既卒生

18万~

31万5,000円

3万6,000~

5万4,000円

21万6,000~

36万9,000円

大学入試は受験料以外の費用もかかる

地方から都心の大学を目指すなど、志望校が自宅から離れている場合は、移動の交通費や宿泊費、食費がかかります。保護者が同伴する場合は、保護者分の費用も必要です。また、事前に会場まで出向いて下見を行う場合は、下見の時点で交通費がかかります。

さらに、大学に合格するとすべり止めであっても、受験スケジュールによっては入学金を払わなければなりません。ここでも20万~30万円かかるため、注意が必要です。

大学の入学金(2022年度の例)

大学名

入学金

東京大学

 28万2,000円

早稲田大学

 20万円

慶応大学

 20万円

大学受験の出費を抑えるコツ

ここまでご紹介した通り、大学入試では受験時点で高額な費用がかかる傾向があります。少しでも出費を抑えるためのコツを見ていきましょう。

資料請求や出願にかかる費用を抑える

学校紹介や受験の応募要項などの資料は、各大学のWebサイトで公開されています。紙の資料が欲しい場合は、大学のオープンキャンパスや学祭などで配布されることがあるため、あえて郵送代をかけて資料請求をしなくても無料で入手できるかもしれません。また、出願をインターネットで受け付けている大学が増えています。

事前に情報収集しておくと、願書を送ってもらう配送料や出願の書留代などが節約可能です。

併願の割引制度を活用する

一部の大学では、併願受験した場合、入学検定料を割り引く制度を取り入れていることがあります。

(例)併願割引の一例:早稲田大学

対象となる学部

対象となる選抜方式

割引条件

割引後の検定料

文化構想学部
文学部

・一般選抜
・一般選抜(英語4技能テスト利用方式)
・一般選抜(共通テスト利用方式)

対象となる選抜方式から2つを同一学部内で併願

5万5,000円

(通常:6万円または6万5,000円)

対象となる選抜方式全てを同一学部内で併願

7万5,000円

(通常:9万5,000円)

大学入学共通テストを利用して入試を行う

共通テスト利用型の試験を採用している大学の場合、大学独自の試験を行わず、大学入学共通テストだけで合否が判定されます。実際に、大学まで行く交通費や宿泊費が節約できるだけでなく、検定料も一般選抜よりも低く抑えられる傾向があるため、受験費用を節約するのに大きく役立つでしょう。

(例)早稲田大学の入試制度抜粋

入試制度

1学部あたりの検定料

一般選抜

3万~3万5,000円

共通テスト利用入試

2万~3万円

大学入学共通テストを実施する独立行政法人大学入試センターでは、共通テストを利用している大学の情報を公開しています。志望校で共通テストが利用できないか確認してみましょう。

共通テスト利用大学情報|大学入試センター

入学金などの重複支払いを避ける

大学に合格していても、入学手続きと入学金の納入を済ませなければ入学できません。出願締切日や入学手続き締切日を踏まえて計画を立てると、すべり止めの大学にかかる受験料や入学金が抑えられる可能性があります。以下の例の場合、第1志望校で合格できれば第2志望校の出願は不要です。

(例)第2志望校の入学検定料を節約する例
・第1志望校:試験日2月1日、合格発表日2月8日
・第2志望校:出願締切日2月10日

以下の例で第1志望校、第2志望校両方に合格したと仮定します。第2志望校の入学手続き締切日が第1志望校の合格発表日以降の場合、第2志望校の大学に入学金を支払う必要がありません。

(例)第2志望の入学金を節約する例
・第1志望校の合格発表日:2月28日
・第2志望校の入学手続き締切日:3月1日

宿泊費や交通費などを抑える

遠方の大学を受験する場合は、「試験日に往復したほうがいいのか」「宿泊費を負担しても受験地域に滞在したほうがいいのか」について確かめましょう。試験日が連続していれば、移動にかかる費用や疲れを最小限にして、効率よく受験できます。

(例)新幹線の往復運賃(東京~名古屋)

学割運賃

(乗車券)

9,180円

(※)

特別料金

(自由席)

8,360円

合計

1万7,540円

※往復割引および学生割引後の料金

ただし、一般的にスーツケースなど大きな荷物は受験会場に持ち込めないため、荷物が多すぎる場合にはコインロッカーを利用するなどの工夫が必要です。また、大学の近くに住む親戚や友人に泊めてもらうことができる場合は、宿泊費を節約できます。

まとめ

大学入試は、1校あたりの出願で2万~3万円かかることが珍しくありません。併願校や志望校によっては、受験するだけで20万~30万円かかる場合もあります。受験料を抑えるためには、併願校の組み合わせが重要です。合格発表日や出願日、受験日を踏まえて併願校を決めておくと、受験料が節約できるかもしれません。

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