予備校の寮は厳しいしストレスやばい?費用や1日の流れを解説
浪人をすることとなり、予備校の寮について気になっている方もいらっしゃるでしょう。
予備校の寮を利用するには、1年で100〜200万円くらいの費用がかかります。また予備校の寮は実家と比べれば厳しい環境ですし、ストレスもかかります。
しかしそれでも、次の受験でまた悔しい思いをしたくないのであれば、予備校の寮がおすすめです。
今回は、予備校の寮を利用するメリットやかかる費用、「厳しい」「ストレスやばい」という声が本当なのかについてまとめました。
記事を最後までチェックすれば、予備校の寮に関する情報がひと通り手に入りますよ。
予備校の寮を利用するメリット3つ
まず予備校の寮を利用するメリットは、以下の3つです。
- 予備校への通学の手間が省ける
- 引越しの手間がかからない
- 勉強中心の環境を用意できる
それぞれ詳しく見てみましょう。
予備校への通学の手間が省ける
予備校の寮は、予備校から近い位置に建てられています。よって通学の手間がかかりません。
予備校の形態の1つである「通学制」のもっとも大きなデメリットは、「通うための時間がかかること」です。しかし予備校の寮に入ってしまえば、このようなデメリットはなくなります。
予備校によっては、徒歩0分の場所に寮を構えているところもあります。浮いた通学時間は、受験勉強や休息に充てましょう。
「寮と予備校の距離が近すぎると、息抜きができずにストレスを感じるのでは?」と心配かもしれません。
しかし同じ寮に住む仲間と談笑したりして息抜きができるので心配不要です。
引越しの手間がかからない
予備校の寮は、一般的な一人暮らしに比べると、「勉強できる環境であること」に重きが置かれています。
一度でも引越しをしたことがある人ならば分かると思うのですが、「引越しをすること」には非常に多くの労力がかかります。
さまざまな家具を買いそろえ、1人で食事をつくることのできる技術を身に着け、金銭管理をしなければなりません。「隣人はどんな人間なのか」「物件はどんなところなのか」を考える必要もあります。
しかし、1分1秒も無駄にしたくない受験生や、勉強以外のことに煩わせられたくない受験生にとっては、これは大きな負担となります。
そのため、予備校の寮の場合は、その多くが、「すでに部屋には、最低限必要な家具・家電がそろっている」という特徴があります。
受験勉強のときに絶対に必要となる机や椅子、運び込みが大変なベッドや寝具、洋服を片付けるためのクローゼット、快適な空間を提供するエアコンなどはすでにそろえられています。
これによって、「自分で家具を選ばなければならない」「引っ越し作業の手配をしなければならない」というようなわずらわしさから解放されます。
ちなみに、「シャワー室や浴室が個室に完備されているかどうか」「ミニキッチンがついているかどうか」「洗濯機があるかどうか」については、予備校の寮ごとに違いがあります。
これらが一通りそろっていて「一般的な1人暮らしの部屋」であることもあれば、「部屋にあるのは、ベッドと机とエアコンとクローゼットだけ。キッチンや洗濯機、浴室は共同で使用する」としているところもあります。
勉強中心の環境を用意できる
予備校の寮を利用することで、勉強中心の環境を用意できます。
まず予備校の寮は予備校から近いので、帰ってからすぐ勉強ができます。通学時間がかからないので、休息も十分に取れるでしょう。
また「予備校の寮」であるからか、家具は一通りそろってはいるものの、代表的な家電製品の一つである「テレビ」は置いていない予備校の寮が普通です。
スマホについては自力でどうにかするしかありませんが、自力でテレビを購入しない限り、自宅での勉強中にテレビの誘惑を受けることはありません。
また予備校によっては、スマホの使用を禁止していたり、許可制だったりする場所もあるようです。
予備校の寮にかかる費用相場は1年で100〜200万円
予備校の寮は、もちろんタダで入ることのできるものではありません。必ず料金がかかります。
ここからは、「予備校の寮を借りるために必要な費用はどれくらいか」について見ていきましょう。
結論、予備校の寮にかかる費用は、予備校ごと、また予備校の寮タイプごとに大きく変動します。そのため、一概に「○○円」と言い切ることはできません。
さらに以下のような条件によっても、予備校の寮にかかる費用は変動します。
- 「一括払いかどうか」
- 「初回のみ料金が高くなる」
- 「管理費用は別途徴収する」
- 「光熱費は別に支払ってもらう」
よって平均値を求めることはかなり難しいと言えるでしょう。
加えて、その予備校の寮の周辺の地価なども関係してきます。
ただし一般的に見て「月の支払額が10万円を切るようなところは多くない」と見るべきです。そこにさらに入寮の一時金が必要になることを考えれば、1年間の利用で、最低でも100万円ほどの出費は覚悟すべきです。場合によっては200万円近くかかることもあります。
また、予備校の寮の場合、ホームページなどに明確に「○○円です」「○○円からです」と明示していないことも多く、実態がつかみにくいというのが現状です。
このため、予備校の寮への入寮を考えているのであれば、予備校のホームページから問い合わせをして、事前にしっかりと説明を受けることが求められます。
なお、この料金に関しては、多くの場合、「朝食と夕食は含める」としているところが多いので、この点は安心です。(昼食のみ個人で取る形が一般的です)
予備校から説明を受ける場合は、以下のような疑問点についてもしっかりと聞くようにしてください。
- 「料金はいくら位なのか」
- 「それ以外にかかる出費はどれくらいなのか」
- 「その他、入寮費用を削減できる項目はあるか」
勉強をしていくためには、「勉強ができる環境」を整えることが大切です。しかし同時に、その「勉強ができる環境を維持するための費用」についてもしっかりと考えることが大切になってくるのです。
予備校の寮は厳しい?ストレスやばい?気になる生活の実態
予備校の寮についてSNS等を使って調べていると、以下のような口コミが目立ちます。
- 予備校の寮は厳しい
- 予備校の寮はストレスがやばい
ここでは予備校の寮での生活の実態について、詳しく紹介します。
基本的には予備校と寮を往復する生活になる
予備校の寮は、「予備校に通うための寮」であるため、一般的には、予備校のすぐ側に建てられています。
前述のとおり通学制のもっとも大きなデメリットが「通学するために時間がかかること」です。その解決策の1つとして予備校には寮が備わっているのです。
多くの場合、寮は予備校から歩いて5分以内のところにあることが多く、「目の前の建物がすぐに予備校だ」というケースもあります。
通学に使う時間が惜しい人にとっては、これはかなりありがたいことだと言えるでしょう。
しかし「あえて、予備校から距離のあるところに予備校の寮を建てた」という予備校もあります。
「予備校が近いと、そこを溜まり場としてしまい、勉強をしなくなってしまうから」という理由で予備校から少し離れた場所に寮が建てられることもあるようです。
自宅と予備校の往復だけの生活は、確かに勉強時間を最大化できるものの、ストレスはやばいです。
もちろん寮を溜まり場にするのはよくありませんが、友人と集まるなどして、ほどほどに息抜きをしましょう。
寮を利用する予備校生の1日のタイムスケジュール
実際に予備校の寮に入った場合、そこでのタイムスケジュールはどのようになっているのでしょうか。
寮を利用する予備校生のスケジュールは、個人個人や予備校の考え方によっても大きく異なります。
一例として、ある予備校の寮の1日のタイムスケジュールを見てみましょう。
7時 | 起床&朝食 |
8時 | 家を出る |
8時30分〜12時20分 | 予備校 |
12時20分〜13時 | 昼休み |
13〜18時 | 予備校 |
18時30分 | 帰宅 |
18時30分〜20時 | 食事や入浴 |
20〜23時 | 勉強 |
23時 | 就寝 |
かなり厳しい生活であり、「遊び」が入り込む余地がない事が分かります。土曜日や日曜日も授業があるため、かなり厳しいスケジュールが繰り返されることになります。
もちろん、これはあくまで一例です。
実際にはもう少し緩いスケジュールをとっているところもありますし、「自主学習ができる環境」を重要視しているところもあります。
厳しすぎる環境だと長続きしないこともあるため、予備校ごとのルールや考え方についても、事前にしっかりと確認しておきましょう。
予備校の寮ならではの規則と持ち込み品について
予備校の寮は、一般的なマンションとは異なります。そのため、規則や持ち込み品については制限があります。
しかしこれも、「タイムスケジュール」と同様、予備校ごとによって大きく考え方が違います。たとえば、規則について見ていきましょう。
「門限は18時で、それ以降は外出不可」としているところもあれば、「門限は20時」としているところもあります。また事前に届け出を出しておけば外泊もできるというところもあります。
朝食の時間に関しても、「50分以内」としているところがある一方で、「1時間半ほどの時間を設けている」というところもあります。
基本的には「周囲に迷惑をかけない生活態度」が求められますが、その厳しさは予備校の寮によって異なると言えるでしょう。
テレビやオーディオ機を持ち込み禁止としている予備校は多いです。「スマートフォン」に関しては、大きく考え方が分かれています。「スマートフォンは持ち込み不可」としているところがある一方で、「誓約書を書けばOK」としている予備校もあります。
今の時代、スマートフォンなしでは生きていけないと感じる方も多いでしょう。よって「予備校の寮は厳しすぎる」「ストレスがやばすぎる」と言われることも多いようです。
ちなみに、防災の関係から、暖房器具の持ち込み(ストーブなど)に制限があることもあるのでご注意を。
予備校の寮と一人暮らしの家の違い
一見すると、テレビがない以外は一般的な1人暮らしの部屋とほとんど変わらないように見える予備校の寮もあります。
しかし、あくまでここは「予備校の寮」。そのため、一般のマンションとは異なるところも多いので、その点について見ていきましょう。
食事が充実している
まず、食事面の管理です。
多くの予備校の寮では、栄養士が食事の内容を管理しています。1人暮らしの場合、しばしば「食事内容」が問題になりますが、予備校の寮の場合は、栄養面にも味にも配慮した食事が出てきます。
朝食と夕食が寮で出るケースが多いので、寮生は、昼食だけを考えればよいのです。朝夕と手作りのおいしい食事を食べられるので、勉強のストレス発散にもなります。
また一人暮らしですと調理に時間を割かなければなりませんが、寮であれば調理をすることなく、毎日おいしい食事を食べられます。
サポートが充実している
次に取り上げたいのが「スタッフ」です。
保護者に対して情報提供を行ったり、必要に応じて進路相談を引き受けたりするスタッフがいます。また定期的にOBなどがサポートとして訪れ勉強の相談に乗ってくれる寮もあります。
スタッフに加えて「施設の充実」も重要です。
予備校の寮のなかには、情報ステーションや自習室を設けているところが非常に多く、必要な情報を手に入れたり、開放的な空間で勉強したりすることができるようになっています。
さらに、「周りがすべて受験生であること」も大きな特徴です。
予備校の寮の場合、入寮にあたってテストが行われることがあります。生活態度はもとより「どのコースに申し込んだか」なども求められ、厳しい環境で勉強に打ち込むことが可能です。
高いレベルにある受験生たちと切磋琢磨して勉強をしていくことができるため、学力レベルを上げることに非常に役立ちます。
大手予備校の寮を紹介
最後に、大手予備校の寮について簡単に紹介をします。寮がどんな場所なのか、イメージが湧くはずです。
四谷学院
四谷学院は、以下7都市に寮を構えています。
- 札幌
- 仙台
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 福岡
例えば以下は、四谷学院札幌校に併設されている寮です。
札幌校から徒歩0分です。机・イス・寝具・冷暖房などはあらかじめ用意されているので、衣服や洗面道具などを持ってくればすぐに生活をスタートできます。
朝夕の食事は、栄養士によって管理された手作りのものを食べるので栄養面も安心です。
以下は、四谷学院の寮を利用する受験生の1日です。
十分な睡眠時間を確保しつつ、毎日10時間以上の勉強時間を確保できます。
これが予備校に通っていなかったり寮を利用せず実家から通っていたりすると、1日の勉強時間は2分の1や3分の1に減ってしまうでしょう。
浪人生は朝から晩までスケジュールが自由だからこそ、どんな環境に身を置くかで勉強時間に大きな差が生まれます。
駿台予備学校
駿台予備校は、以下14都市に寮を構えています。
- 札幌
- 仙台
- 東京
- 千葉
- 神奈川
- 埼玉
- 名古屋
- 静岡
- 大阪
- 京都
- 兵庫
- 奈良
- 広島
- 福岡
例えば以下は、東京都江戸川西小岩にある男子専用寮です。
お茶の水校までのアクセスには、33分ほどかかります。
食事は四谷学院と同じように、朝夕手作りのものが出て、食堂で食べることができます。
各予備校が寮の情報をホームページ上で公開しているので、気になる方はチェックしてみましょう。オススメ予備校一覧ページにて各予備校の情報をまとめています。
絶対に一人で独学できる自信がない方には予備校と寮がおすすめ
予備校の寮を利用するメリットやかかる費用、「厳しい」「ストレスやばい」という声が本当なのかについて解説しました。
ここまで紹介した予備校の寮の特徴は、いずれも、一般的な1人暮らしにはないものです。
もちろん、「1人でもひたすらに勉強に打ち込める」「きちんと自分で管理ができる」という人もいるでしょう。しかし1人だけで、そしてだれも監視者がいないなかで、勉強だけに専心していくことはかなり難しいことだと言えます。
一方予備校の寮の場合、ある程度の強制力をもって、「勉強させること」ができます。また、プロフェッショナルによるスケジュールの管理や指導を受けることもできます。
これらは、目指す難関校を突破するための、もっとも大きな手助けの一つとなるでしょう。
興味がある人は、一度見学に行ってみてはいかがでしょうか。
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