大学受験は問題集が絶対必要!自分に合った選び方と使い方を解説

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大学入試は、教科書や参考書などで学習したあとに問題集で練習をするのが一般的です。しかし、問題集はたくさんの種類があるため、「何を選べばよいのか分からない」といった人もいるのではないでしょうか。本記事では、大学受験の際に必要な問題集の選び方や問題集の活用方法を解説します。



問題集を活用する目的

大学受験で問題集を活用すると、自分の学習を見直すのに役立ちます。ここでは、問題集を活用する目的を再確認してみましょう。

現時点での実力把握

教科書や参考書は、知識をインプットするものですが、問題集は覚えた知識をアウトプットするためのものです。問題には、正誤がつくため、自分の回答状況に従って復習すると方向性が決めやすいでしょう。解けない問題があれば、基本事項を再確認しなければなりません。

また、考えれば解ける箇所については、ある程度理解しているものの十分応用できるほど知識が定着しているとはいえません。そのため、再度問題を解いたり、基本事項の確認をしたりする必要があります。簡単に正解できるものであれば、ある程度知識が身についていると判断して他の部分の勉強を進めましょう。

得点力の底上げ

基本的なレベルの問題は、必ず解けるように準備しておきましょう。難しい応用的な問題でも差がつきますが、難問の対応力を身につけるのは簡単ではありません。問題集で基本的な問題や頻出問題に慣れておけば、認識違いや分かりそうなのに思い出せないという後悔をせずに入試に挑めます。

問題集の選び方

大学受験向けの問題集は、以下の観点を踏まえて選びましょう。

回答を見て解ける難易度の問題集を選ぶ

問題集は、受験に備えるために解くものなので最初から難しいものを選ぶ必要はありません。勉強に使える期間と学習ペースを考えると、難問ばかりの問題集では効率が悪いです。できれば書店へ実際に行って、自分の目で内容を確認してから気に入った問題集を選びましょう。

見た目のよいものや、魅力的なタイトルの問題集も気になるかもしれません。しかし、必ずしもその問題集が自分に合ったものとは限りません。解説が丁寧で自分で理解できる内容であること、半分は自力で解けそうな問題であることなどを念頭にまずは選んでみましょう。

教科ごとの学習のポイント

問題集を選ぶ際は、各教科で習得すべきポイントを踏まえて、自分が弱い部分が対策できるものを選びましょう。

教科

 学習のポイント

国語

・知識問題や漢字、古文、漢文の重要語句の理解
・現代文:指示語の理解、心情の変化
・古文:人物の言動や心情、記述
・漢文:句法、主題の把握、対句表現

数学

・教科書または教科書に準拠した問題集で知識を整理

物理

・基本原理の理解
・題意を把握する力

化学

・知識の整理
・計算力
・題意把握力・思考力

理科基礎

・知識の整理
・計算力
・題意把握力

生物

・知識の整理
・記述力
・読解力・考察力

日本史

・多くの問題を解いて覚える
・まず大枠をつかみ歴史全体を物語のように捉える

世界史

・多くの問題を解いて覚える
・地図や図説を活用

地理

・多くの問題を解いて覚える
・環境、社会、国際問題などは原因、現状、対策、今後すべきことを理解

英語

・文法、語彙、構文の基礎力強化
・単語の意味の確認
・文法や構文の知識
・音声に集中して聞き取ることに慣れる
・英文を読む能力

問題集を活用する時期

問題集を使って演習に取り組む時期は、高校3年の10月以降です。そこで、まだ習っていない箇所は夏の時点でざっと確認して、基礎固めを9月までに終わらせておく必要があります。

問題集の使い方

受験生のなかには、「同じ問題を何度も解くのは面倒」と感じる人もいるかもしれませんが、問題集を解く場合は何度か繰り返すのがおすすめです。

基礎固めをしてから取り組む

特に、受験の直前になって新しい問題集を使い始めるのは厳禁です。たくさん問題を解くこと自体は大切ですが、直前に問題集が終わらないと、焦りが心理的な負担になるかもしれません。また、復習を十分行わずにどんどん問題を解くのは、同じようなミスを繰り返すだけになってしまいます。

さらに、応用問題ばかりを解くこともおすすめしません。なぜなら、応用問題は回答パターンが覚えられれば、基礎が不十分でも解けてしまうことがあるからです。例えば、出題傾向がほぼ同じ大学であれば、過去問を数年分勉強すれば問題が解けるようになることがあります。

しかし、入試で応用問題と同じ傾向の問題が出るとは限りません。出題傾向が変わったり、自分の志望校が変わったりしても対応できるように、問題の背景にある本質的理解に努め、コツコツと基礎学力を増強することが大切です。

1つの問題集を使い倒す

問題集のすべての問題を1度解いて問題集を使い終わったとみなすだけでは、成績の伸びにつながりにくいです。自分にあった問題集を選んだあとは、何度か繰り返して問題集を使い倒すのがよいでしょう。問題集の問題は、何回か取り組んでいると解けるようになってきます。

つまり1周目は、解ける問題、解けない問題の切り分けを行っている状況です。2周目以降になって、もし以前解けなかった問題が解けるようになれば、解法を覚えて自分の知識が身についたといえます。

そのため、問題集を解く場合には、取り組んだすべての問題の状況を記録しておくことが必要です。問題集を解く際は、問題の横に以下のような印をつけるなど工夫して、自分の得点状況を記録しましょう。

・○:解答や解説を見なくても自分で解けた
・△:よく考えれば解ける。正解したが、理解が不十分
・×:間違えた、解説を見ても解けない

2周目以降に、○の問題を解かないようにすれば、問題集を解くペースが上がります。何度も同じ問題で間違えてしまう場合は、問題に関する基本事項の復習が大切です。問題集の難易度にもよりますが、何周かすればほぼすべての問題が解けるようになるでしょう。

また、回数を重ねると答えを覚えてしまうことがあるかもしれません。その場合には、なぜその答えになるのかまではっきり答えられるのかを基準に確認を行います。

どこまで解けるようになるか目標を立てる

問題集は、それぞれに難易度が異なります。標準的な難易度の問題集であれば、1冊を完璧にしておいたほうがおすすめです。しかし、難易度の高い問題集なら全部解けるようになる必要がない場合もあります。入試では、多くの人が苦戦する難問が出題されることが少なくありません。

志望校の過去問を解く際、いわゆる難問は傾向を知る程度にとどめておくのが一案です。すべてを完璧に対策しようとすると、勉強時間が足りなくなってしまう可能性があります。問題集を解く場合は、どこまでできるようにするか目標を決めておくと効率が良くなるでしょう。

復習のタイミングは翌日、1週間後がおすすめ

誰でも、新しいことを覚えるには時間がかかります。また、1回しっかりと覚えたと思っても、復習しなければ時間の経過とともに忘れてしまうため、知識を定着させるには反復が欠かせません。記憶と時間の経過との関係を表した「エビングハウスの忘却曲線」をご存じでしょうか。

この曲線では、意味のない文字列情報をいったん覚えてから復習を行い、忘れていた分を覚え直す際にかかる時間を節約率として算出しています。20分後に復習をすると、58%が節約できるのに対し、90分後の復習では35%、6日後では25%と節約率が低下。つまり、復習する時間が遅いほどより覚え直しに時間がかかるのです。

そのため、問題集の問題を何度か解く際は、内容をすべて忘れてしまう前に取り組むのがよいでしょう。例えば、特に覚えておきたい「×」印の問題を翌日に復習し、「△」「×」の印の問題は1週間ごとに解きなおすペースで学習すると効率的です。

大学受験の問題集は復習重視で取り組もう

大学受験の範囲を学んだあとは、問題集をフル活用して知識のアウトプットを行いましょう。問題集を選ぶ際は、標準的難易度で自分が解決したい課題に合わせることが大切です。そして問題集を何回も復習することで、自分の弱点や苦手分野を特定し、それらに対して集中的に取り組むことができます。 復習を重ね、弱点を克服することで、全体的な成績や自信の向上につなげましょう。

また、問題集のなかで知識があやふやな問題や間違った問題を2回、3回と繰り返すように使うと知識の定着が図れます。 問題集の復習は、単なる知識の暗記だけでなく、応用力の養成にもつながります。問題を解く過程で、知識を応用して複雑な問題に対処する能力を養うことができます。応用力は大学受験だけでなく、将来の学びや社会での問題解決能力にも必要なスキルです。

おすすめの取り組み方

以下のようなことを参考にし、問題集に取り組んでみてください。

問題解答の正誤を確認する

問題集を解く際には、解答を確認しながら進めることが重要です。自分で解いた問題の正誤を確認し、間違えた部分や理解が不十分な部分を特定します。解答の解説を読みながら、なぜその答えが正しいのか、間違った理由は何かを理解します。

間違えた問題の復習

間違えた問題については、重点的に復習しましょう。なぜ間違えたのか、どの部分が理解できていなかったのかを分析します。必要な知識や解法を再確認し、同じような問題が出た場合に同じミスを繰り返さないようにします。

解答の過程を理解する

単に解答を見るだけでなく、問題を解く過程や解法のロジックを理解することも重要です。解答の解説を読みながら、問題の足りない部分や困難な箇所を特定し、解法や考え方を理解します。同じようなパターンや論点が出た場合に対応できるようになります。

問題のパターンを把握する

大学受験の問題集には、よく出題されるパターンや傾向があります。問題集を通じてそれらのパターンを把握し、頻出の問題に慣れることが重要です。同じパターンの問題に対しては、効率的に解法を適用できるようになります。

タイムマネージメントの意識

問題集を解く際には、時間内に解くことも重要です。受験では制限時間内に多くの問題を解かなければなりません。問題集を解く際にも時間を計りながら取り組み、問題ごとにどれくらいの時間を使うべきかを意識します。

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