大学受験で志望校の高望みはOK?高望みで失敗するケースについても解説

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高校卒業に必要な単位を取得した人なら、どの大学も受験可能です。しかし、実力とかけ離れたレベルの高い大学は不合格になる可能性が高いでしょう。だからといって、志望校の高望みをあきらめることはありません。むしろ、高望みしたほうがよい結果を生む場合もあります。

本記事では、志望校の高望みをあきらめなくてよい理由や、高望みが可能な期間、高望みすると失敗するケースなどについてお伝えします。



大学受験で志望校の高望みはOK!その理由は?

結論からいえば、大学受験で志望校の高望みをするのはOKです。今の実力よりレベルが高い志望校を目標にすることが受験生にとってプラスになる可能性があります。ここでは、その理由を5つ解説します。

目標は高いほうが受験勉強のモチベーションが上がりやすい

目標を高く設定したほうが、モチベーションとしては上がりやすい傾向です。逆にいえば、最初から目標を低く設定しすぎると油断して実力相応の大学にも合格できない可能性もあります。高望みだと思うレベルの大学を志望校にした場合、今の実力では合格が難しいのは明白です。そのことが自分でもわかるからこそ、そのレベルに到達するための勉強が必要だと自覚しやすいのではないでしょうか。

また、受験本番までの限られた時間でそのレベルに達するために、より効率的にレベルアップできる学習方法を考えて実行することも期待できます。その結果、自らのレベルが上がり、よりレベルの高い志望校に合格できる実力を身につけることができるでしょう。先輩受験生のなかにも目標を高く設定してハイレベルな大学に合格した人は数多くいます。

自己成長の促進

高望みをすることで、自分の限界に挑戦する機会が得られます。志望校のレベルが高ければ高いほど、より困難な課題に取り組む必要があります。そのため、自身の能力やスキルを向上させるために、より一層の努力を積む必要があります。

この過程で自己成長が促進されます。例えば、高望みの志望校に合格するためには、平均以上の学力や競争力を持つ必要があります。そのためには、日々の勉強や受験対策を徹底的に行い、自己の弱点を克服する必要があります。また、志望校の入試対策や面接対策など、さまざまなスキルを向上させるための努力も必要です。このような自己成長の過程は、受験だけでなく将来の人生においても非常に有益です。

高望みした大学に合格すると大学生活が楽しくなる

高望みで目標とした大学に合格すれば大きな自信がつき、大学の授業にも意欲的に取り組むようになることが期待できます。また、同窓の友人や先輩との交流やサークル活動など、授業以外の面でも楽しく充実した大学生活を送れるでしょう。

なお、受験生によっては「高望みした大学に合格しても入学後に落ちこぼれるのでは?」と心配する人もいるかもしれません。しかし、大学が受験生について「本学の授業に十分ついていける学力を有している」と判断しなければ合格通知は出しません。大学の授業をさぼらず、まじめに勉強すれば落ちこぼれることはないでしょう。

高いハードルを乗り越えたことで大きな自信がつく

高望みで志望校にした大学に合格することは、自分では達成できないと思っていた目標を達成できたことを意味します。高いハードルを乗り越えたことで大きな自信がつき、大学入学後はもちろん、卒業後の長い人生においてもその自信が自分の生きる支えになるでしょう。

謙虚さや謙遜を美徳とする日本人は、世界に比べて自己肯定感が低い傾向です。それが災いして、本当は達成できる目標でも挑戦をあきらめる人も少なくありません。しかし、大学受験ではその考えをきっぱり捨て、あえての高望みで受験勉強へのモチベーションを最大限に上げることも必要です。それによって、高望みの志望校に合格する可能性が上がります。

仮に合格できなかった場合でも、実力よりレベルが高い大学に合格できる可能性を上げることができるでしょう。

入試問題との相性がよければ合格する可能性がある

偏差値的に高望みの大学でも、受験科目や受験問題との相性によっては周囲の誰もが「合格は無理だ」と思う受験生が合格するケースはあります。私立大の一般選抜や、国公立大2次選抜の受験問題には、各大学の特徴が強く出る傾向です。

例えば、受験科目や出題される確率が高い単元、小論文のテーマなどの出題傾向に大学ごとの特徴が色濃く出ます。過去問が解きやすい大学は、自分の得意分野が多く出題される「相性がよい大学」となる可能性が高いでしょう。そういった大学であれば、偏差値的に無理でも合格できる可能性が出てきます。

どこまで志望校を高望みしていい?

とはいえ、受験本番間近になっても高望みばかりしていると、すべて落ちてしまう可能性もあります。それを回避したいなら、実力で合格できそうな大学も選択肢に入れましょう。ここでは、その判断を行う時期について説明します。

伸び代が期待できる高校1~2年は大いに高望みしてOK

伸び代が期待できる高校1~2年は、周囲が眉をひそめるようなハイレベルな大学でも高望みしてOKです。そこを目指して勉強に励みましょう。東大や京大の合格者上位の進学校や、地方における公立トップ高校の生徒の多くは、東大や京大を志望校に定めて勉強する傾向です。

そのなかには、周囲が「合格は絶対無理」と思う生徒も含まれていますが、受験本番ではそのような生徒も合格しているケースもあります。そういった進学校では、学校であまり成績がよくない高1高2の生徒が「東大に行きたい」と言っても先生は否定せず、むしろその背中を押すケースも少なくありません。

高校3年は「自分の実力より少し上」までハードルを下げることも必要に

大学受験に必要な履修科目をほぼ修了する高校3年になったら、各科目の習熟度によっては現実的な進路選択を行うことも必要です。その時期は、大学受験本番を想定した模試を受ける機会が増えます。その結果を見ると、以下のような現実が見えてきて志望校を下げざるを得ない受験生もいます。

・壊滅的に苦手な科目が複数あるので国公立は難しい
・今の実力で志望校に合格できる可能性は低い
・国公立と私立の併願では欲張りすぎて失敗につながりかねない

もちろん、この段階でも高望みの志望校を受けるのはOKです。ただ、明らかに合格が難しい場合は志望校のレベルを少々下げるのが現実的でしょう。一般的には、「目標の偏差値-自分の偏差値=5」程度の大学を第一志望校にするのが妥当だといわれています。

ただ、過去問を解いてみてスムーズに問題が解けるようなら、「目標の偏差値-自分の偏差値=7~8」の大学でも合格できる可能性が残ります。その場合は、挑戦するのも一つの手です。

大学受験生が志望校の高望みで失敗しやすいケース

大学受験生が志望校の高望みで失敗しやすいケースについても知っておきましょう。ここでは、6つのケースを紹介します。

高校の履修内容でつまずきが多い

大学受験問題は、高校の履修内容から出題されるため、高校の履修内容を十分に理解していれば合格できる可能性を高めることができるでしょう。逆に、つまずきが多く履修内容への理解が不十分な場合は、どの大学を受験しても不合格になる恐れがあります。

目標だけ高いが勉強はしない

受験生のなかには、高校の勉強をおろそかにしながら目標だけ高い人もいます。ただ、それでは志望校に合格する可能性がゼロに近くなりかねません。志望校の高望みは、高校で履修した内容をしっかりと頭に入れることとセットであることを覚えておきましょう。

受験直前でも自分のレベルよりはるか上の大学を目標にしている

受験直前になっても、自分のレベルよりはるか上の大学を目標にしている場合は、不合格になる確率があがってしまうという覚悟が必要です。記念受験や浪人覚悟の受験を希望することは否定しませんが、現役合格を目指すなら、高望みしすぎず志望校のレベルを実力より少し上程度まで下げることをおすすめします。

志望校の情報不足

志望校を選ぶ際には、十分な情報収集が必要です。入学要件や学問内容、カリキュラムなどの情報を詳しく把握することで、自身の適性や志望校との相性を見極めることができます。情報不足のまま志望校を選ぶと、自身の興味や関心に合わない場合や、入学要件を満たすことが困難な場合があります。情報収集の方法としては、大学の公式ウェブサイトやパンフレット、オープンキャンパスや学校説明会への参加、現役受験生や先輩の体験談などを活用することが有効です。

過度のプレッシャーとストレス

高望みの志望校を目指すことは一定のプレッシャーやストレスを伴いますが、過度なプレッシャーやストレスは逆効果です。過度なプレッシャーやストレスが受験生の心理的負担となると、集中力や自信が低下し、結果的に受験失敗につながる可能性があります。適切な目標設定や計画立て、自分に合った勉強法やストレス発散法を見つけることが重要です。また、家族や友人とのコミュニケーションや休息をしっかり取ることもストレスを軽減するのに役立ちます。

バランスの欠如

受験勉強に一極集中することは大切ですが、他の重要な要素を犠牲にしてしまうとバランスが崩れます。例えば、部活動や社会生活、健康管理などの面を疎かにすることは、全体的なパフォーマンスや健康に悪影響を与える可能性があります。バランスの取れた生活を送ることは、受験勉強の継続や成功に欠かせません。計画を立て、適度な休息や運動、栄養の摂取に気を配りながら、勉強と他の活動を両立させることが大切です。

 

これらのケースに注意し、現実的な目標設定や適切な努力を行い、バランスの取れた受験生活を送ることが重要です。自身の能力や適性を正しく把握し、志望校を選ぶ際には慎重に判断することが求められます。

親が大学受験生の高望みを否定するのはNG!極力子どもの希望を尊重する

最後に、大学受験生が志望校を高望みした際に親が絶対やってはいけないことを紹介します。志望校の高望みは、受験生にとって良い結果になるケースもあるため、伸び代がある高1~2年のうちは目標を高く掲げた受験生を積極的に応援したいところです。

親によっては、金銭的な理由で現役合格を強く望み、お金を盾に志望校のレベルを下げるように求めるケースもあるかもしれませんが絶対にやめましょう。なぜなら、受験生のモチベーションが大きく下がり、実力以下の大学にも合格できなくなる恐れがあるからです。

また、受験生が親の気持ちを察して志望校のレベルを下げた場合、その大学が嫌になって退学や留年する可能性もあります。そのような事態を回避したいなら、まず受験生が志望校を高望みする気持ちを尊重してあげましょう。

さらに、現実的な志望校選択をすべき時期になったら、わが子の現状を踏まえた適切なサポートを行うことも必要です。親の一存で志望校を決めるのではなく、学校や予備校などと連携しながらわが子にとってベストな志望校を見つけましょう。

それによって受験生の未来が明るいものとなるに違いありません。

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