センター試験の成績通知(点数開示)って?いつわかる?
「センター試験の成績」は、それ以降の受験に大きな影響を与えるものです。
そのため、センター試験の成績を知ることは、非常に重要です。
これによって受けるべき大学のレベルも変わってきます。
このセンター試験の成績を通知してくれるものに、「センター試験の成績通知(点数開示)」があります。これについて見ていきましょう。
センター試験の成績通知(点数開示)とは?
まず、「センター試験の成績通知(点数開示)とはどのようなものか」について見ていきましょう。
これは、希望者だけに送付される、センター試験の成績の結果のことをいいます。
通知が届いて初めて、自分の正しいセンター試験の結果を知ることができるのです。
この制度は2002年度から導入されました。
各科目の成績が印刷されており、国語は現代文・古文・漢文の分野別、英語は筆記とリスニングに分けて成績が通知されます。
また、試験区分は本試験・追試験・再試験と、どの試験における成績なのかを表示しています。
自分自身の正しい成績を知ること、努力の結果を知ることができるという意味では、センター試験の成績通知は非常に意味のあることだといえるでしょう。
注意! この結果は受験校の判断には使えない
それでは、このセンター試験の成績通知についてもっとも大切な点について見ていきましょう。
実はセンター試験の成績は、すべての大学の入試が終わった4月中旬に成績通知書が順次送られます。
つまり、センター試験の成績は、受験校の判断には使えないということです。
どれほど遅い学校であったとしても、3月の中旬から下旬までには試験が終わってしまっています。
願書の提出となれば、もっと早いタイミングで打ち切られることでしょう。
そのため、センター試験の成績通知は受験そのものに対しての効果はあまりないのです。
そういった意味では、現役で合格した人の場合は、センター試験の成績通知が試験に対して及ぼす影響はほとんどないといえるでしょう。
これは多くの受験者にとっても不満の種のようです。
センター試験の成績通知が出されたときには、すでに新しい大学や専門学校などに通っている状態にある人がほとんどのためです。
ただし、浪人生や仮面浪人を考えている人などには、翌年以降に向けて継続して受験勉強するために、センター試験の成績を正確に知る有用なアイテムとなるでしょう。
どの教科でどれくらいの点数がとれていたのか、来年以降はどの科目をがんばって勉強しなければならないのかが、数字でわかります。
もっとも、正確に自己採点ができていた場合は、自己採点を裏付けるためのアイテムという位置付けになります。
センター試験の成績を知って受験にいかす方法は?
「センター試験の後に、どこの大学を受けるか」の判断は、センター試験の成績通知が出ていない段階で決めなければなりません。
また、私立大学の一般入試に関してはセンター試験後でも出願が可能ですが、センター試験利用入試はセンター試験前に出願することがほとんどです。
では、成績通知を待たずに自分の成績をするためにはどうしたらいいのでしょうか。
このときに重要になってくるのが、自己採点です。
センター試験の受験を考えている人ならば、学校あるいは予備校などで必ず「自己採点の大切さ」を教えられることでしょう。
この自己採点の結果によって、滑り止めの大学を変えたり、本命大学への取り組み方を変えたりする必要が出てくることも多いからです。
毎年、だいたい試験当日の21時くらいには試験の解答が新聞各社や独立行政法人大学入試センターのインターネットサイトで公開されます。
予備校などによってはもっと早い段階で正答を出す場合もあります。
センター試験は2日間にわたるため、2日目の試験が終わった時点で自己採点をする受験生がほとんどではないでしょうか。
早い人ならば1日目、遅い人でも2日目の試験が終わったら、正答が発表された時点できるだけ迅速に自己採点を行うべきでしょう。
予備校のサイトによっては解答を入力するだけで自己採点計算をしてくれるツールもあるので、有効に活用すると良いのではないでしょうか。
センター試験を利用する学校は国公立のみならず私立でも多く見られるため、自分自身の点数を知っておくことは非常に重要です。
また、センター試験の自己採点結果から志望校の合格可能性を判定するシステムを使って受験生をバックアップしている予備校もあります。
予備校によってシステムの名称は異なりますが、国公立大学や私立大学のセンター利用入試の合否判定が出るといったものです。
中にはセンター試験の結果から、私立大学一般入試の合否判定まで出せる予備校もあるようです。
しかし、これはあくまで自己採点の結果からの合否判定なので、参考程度にとどめておくが良いでしょう。
結果がたとえ良くなかったとしても、国公立大学の二次試験や私立大学の一般入試にセンター試験の結果は影響しないからです。
自己採点の仕方について
センター試験は、問題用紙を持って帰ることができます。
そのため、使用した問題用紙に自分の解答した番号をメモしておくことになります。
自分の手で書き写した解答番号を使って自己採点を行うことになるため、写し間違いには注意しましょう。
試験時間が足りなくなってしまいがちな数学などの場合は、ギリギリまで試験に取り組んでしまいがちですが、自己採点ができなければ受けるべき大学も決められません。
ある程度時間に余裕をもって、しっかりと書き写していく訓練をするようにしましょう。
どのタイミングで答えを写すかは人によって異なりますが、
・1つの問題を解くたびに書き込んでいく
・最後の見直しのときに書き込んでいく
のいずれかの方法をとる人が多いのではないでしょうか。
前者のメリットは、書き写している時間がなくなる、焦って写し間違えるという危険性が少ないことといえるでしょう。
後者の場合は、見直しの段階で答えが変わったときに、時間のロスをすることなくメモすることができるというメリットがあります。
どちらにするかは個人の判断によって異なりますが、焦らず正確に転記していくことが大切です。
「解答をメモすることなど、簡単だ」と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際には受験生の25パーセントは、「自分の自己採点と実際の成績の間に、10点以上もの点差があった」という統計結果も出ています。
10点も違うとなると、受験の合否や受けるべき大学のレベルもまったく違ってきます。
「実際の成績よりも正答率を低く見積もっていた」という場合はともかく、逆であった場合は特に問題が大きくなります。
「自己採点を行うこと」にも、相応の技術が求められます。 受験生で、特に予備校に通っているとなれば、センター試験と似た形式の模試を受ける機会も多くなるでしょう。
類似の模試を受ける際にも本番のセンター試験と同様に、自分の解答を問題用紙に書き込むくせをつけるようにしましょう。
このようにしていけば、本番の試験でも焦らずに済みます。
また、自分自身の書き写すスピードや精度も把握することができます。
センター試験の模試というと、「現在の学力を計り、苦手な分野を理解するためにあるもの」と思ってしまいがちです。
もちろんこれは、センター試験の模試における重要な要素です。
しかしそれと並行して、「自己採点を正確に行う方法」を学ぶための機会でもあることを忘れてはいけません。
また、「来年改めて志望校に挑戦する」という人は、センター試験の成績通知の結果だけを見るのではなく、自己採点と実際の点数の差にも着目するとよいでしょう。
ここで10点以上の点数の開きがあった場合は、翌年のセンター試験ではさらに慎重な自己採点が望まれるからです。
成績(点数)の開示はいつされる?
ここでは成績通知までの細かいスケジュールについて見ていきましょう。
まず、センター試験の日程の日程についてです。
毎年1月の中旬、第2週の土日に行われることが多いです。
2018年度は1月13日(土)と1月14日(日)に実施されました。
全国で一斉に行われるものですから、どの地方・どの大学・どの高校かも基本的には問わず、一律で行われます。
このセンター試験が終わった当日の21時くらいに、独立行政法人大学入試センターなどがインターネットのサイト上で正答を提示するのは、すでに述べた通りです。
ただし、センター試験にまつわる「発表」はまだ続きます。
平均点の中間集計がセンター試験終了後3日程度を目安に、独立行政法人大学入試センターより出されます。
2018年度の場合は、1月17日~19日(点数調整)に発表されました。
そしてその後、2月に入ってから平均点の最終結果が出されます。
2018年度の最終的な平均点は2月1日に発表されました。
この2つを比較したときの数字を見てみましょう。
中間発表時の平均点
国語・・・102.36
世界史B・・・70.18
日本史B・・・63.92
地理B・・・70.22
現代社会・・・60.38
政治経済・・・57.66
倫理、政治・経済・・・73.06
数学IA・・・63.62
数学ⅡB・・・53.96
化学・・・62.06
生物・・・62.38
英語筆記・・・125.50
英語リスニング・・・23.05
(代表的なものを抜粋)
出典:平成30年度大学入試センター試験(本試験)平均点一覧(中間集計) http://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00011358.pdf&n=平均点(中間)_h30.pdf
最終的な平均点
国語・・・104.68
世界史B・・・67.97
日本史B・・・62.19
地理B・・・67.99
現代社会・・・58.22
政治経済・・・56.39
倫理、政治・経済・・・73.08
数学IA・・・61.91
数学ⅡB・・・51.07
化学・・・60.57
生物・・・61.36
英語筆記・・・123.75
英語リスニング・・・22.67
(代表的なものを抜粋)
出典:平成30年度大学入試センター試験実施結果の概要
http://www.dnc.ac.jp/sp/albums/abm.php?f=abm00033052.pdf&n=平成30年度大学入試センター試験実施結果の概要.pdf
上記を見てもわかるように、中間発表から±3点程度が最終結果として公開されます。
多少のずれはあるものの僅差であるため、1月17日の時点で平均点と自分の点数の差異を求めることができる、と考えてよいでしょう。
2月の初めに公開される最終結果を待つことなく、志望校を定めることができます。
先にも述べたように、センター試験の成績通知の開示は、すべての大学受験が終わった後に行われます。
2018年度の成績通知書は4月16日以降に順次、書留郵便で発送となっています。
基本的には4月末までには希望者に届きますが、まれに5月に入ってしまうこともあります。
また、書留郵便のため不在時には一定期間保管されますが、保管期間をすぎると送付元の大学入試センターに返送されてしまうので注意が必要です。
5月になっても届かない場合は、独立行政法人大学入試センターへ直接問い合わせてみましょう。
ただし、センター試験の成績通知はすべて配送されるので、電話口などでは成績の開示を受け付けていません。
センター試験の成績通知は本人の住所に対して送られるため、高校や予備校でもセンター試験の成績通知を受け取ることができません。
自分自身で保管することになります。
成績通知を受験後に申し込み・キャンセルできる?
センター試験出願時に、「センター試験の成績通知を希望する」として出願をした場合に限り、受け取ることができる成績通知書。
成績通知を希望する場合には、センター試験の受験費用(受験科目が3教科以上は18,000円、2教科以下は12,000円)に加えて、800円の手数料が必要となります。
手数料800円の内訳は書留郵便料金500円、そして開示手数料300円です。
「どうせ自己採点でしか受験校の判断ができないのだからいらない」と思うのであれば、もちろんこれを希望しないこともできます。
ただ、いずれの場合であるにせよ、センター試験の出願時にはしっかりと「センター試験の成績通知を希望するか、しないか」を決めておく必要があります。
「出願時にはセンター試験の成績通知はいらないと思っていたが、やはり欲しい」と思っても、あとから申し込むことはできないので注意しましょう。
反対に「志望校の決定に間に合わないようならばいらない」と思っても、出願のときに希望していたのであればこれを変更することはできません。
申し込んだ際の手数料も返還されません。
どちらにしようか迷っているのであれば、とりあえず「センター試験の成績通知を希望する」にしておいた方がよいでしょう。
なお、センター試験の成績通知書は紛失してしまっても再発行はされません。
翌年以降の受験に役立てるという人も、思い出としてとっておきたいと考えている人も、大切に保管しましょう。