中高一貫校生が大学受験するためにおすすめの塾は?塾に通うメリット・デメリットなども紹介
中高一貫校は高校受験の必要がなく、勉強のレベルも高いことから塾は必要ないように考えられがちです。しかし、大学受験が近づいてくると、「学校だけの勉強で大丈夫なのか」と不安になる保護者も多いのではないでしょうか。
また、通塾させるのであればどのような塾がよいのか、メリットだけではなくデメリットも気になる部分かもしれません。この記事では、中高一貫校生が大学受験のために通塾する必要があるのかどうか、通うことのメリットとデメリットを中心に解説していきます。
中高一貫校生の大学受験に塾は必要?
初めに、中高一貫校生の大学受験に塾が必要なのかどうかを検証していきます。まずは深く考えず、どのような状況で塾が必要になるのかを確認していきましょう。
中学生の時点では必要ないことが多い
まず、大学受験のための勉強という点に関しては、中学生の時点で塾は必要ないと考えられます。そもそも、中高一貫校に入学したということは基本的に高校進学は約束されており、通塾するほどの勉強量は必要ありません。
さらに、中高一貫校の偏差値は高い水準のため、授業内容もハイレベルであることが多いといえます。
こういった点から、中高一貫校生が塾に通う必要性は基本的に少ないといえるでしょう。それでも、「学校での授業についていけない」、「もっと知識をつけたい」という場合には塾が必要です。
基本的に中高一貫校生に塾は必要ないものの、意欲や状況によっては通塾の必要も出てくると考えてください。
一部の中高一貫校生には必要
基本的に通塾の必要性がない中高一貫校生ですが、あくまで中学生の時点や授業についていけている場合のみです。状況によっては塾が必要になることもあるため、現状を把握したうえで決めるのがよいでしょう。
例えば、難関大学や医学部を目指す場合、中高一貫校の授業だけでは足りないこともあります。学校の授業だけでは補いきれないのであれば、塾に通う必要が出てくるかもしれません。
また、中高一貫校は授業スピードの早さやレベルの高さが魅力ではありますが、そのぶん、ついていくのが難しくもあります。大学受験に関係なく、現状の学力に不安があれば、塾に通う必要が出てくるでしょう。
中高一貫校生におすすめの塾の種類と特徴について
続いて、中高一貫校生におすすめの塾と種類、それぞれの特徴について解説していきます。選ぶときは通いやすさだけではなく、塾が中高一貫校生に向いているか確かめなければいけません。
集団塾
集団塾は、塾のなかでも基本的な形であり、多くの塾が実施しています。そのため、塾探しに苦労することはありません。
授業は講師が対話方式で進めていくため、学校の授業と大きく変わらないことから馴染みやすいといえます。また、同世代の生徒と一緒に授業へ参加することから、モチベーションを高く維持しやすいのも特徴です。
クラスは学力や目的別で分けられることが多く、学力差で勉強がしにくいということもほとんどありません。
ただし、集団で授業を行なうことから講師が生徒一人ひとりに目を向けにくく、わからない部分が放置される可能性もあります。ほかにも、人によっては周りに生徒が多いと集中できないということもあるでしょう。
このあたりは好みの分かれる部分であることから、慎重に選択する必要があります。
個別指導塾
個別指導塾は、生徒と講師が1対1、もしくは1対2で授業が行われます。生徒の理解度に合わせて授業を進めることから、より効率的に勉強できるでしょう。
さらに個別指導塾では、実際に授業を受けてから相性の良い講師を選択できることが多く、「講師が合わないから塾を変えたい」、「塾に行きたくない」といった悩みが出づらくなっています。講師に質問しやすいことや苦手な科目に特化して勉強できるなど、メリットが多いのも個別指導塾の特徴です。
ただし、周りと競わないことでモチベーションが低下したり、他生徒との交流が少ないことで有益な情報が入ってこないといったデメリットもあります。また、近年は個別指導塾が増加傾向にあり、合った塾を選ぶのが難しいかもしれません。
多くの塾は無料体験を実施しているため、まずは体験授業に参加し、そのなかから合った塾で継続するという方法が一般的です。
オンライン塾
オンライン塾は近年増加してきており、名称のとおり自宅から出る必要なく勉強できます。オンライン塾のなかでもいくつかの種類があり、通常の塾と同じように集団授業や個別指導、録画された映像を見て勉強する自習型などです。
集団と個別に関してはリアルタイムで授業が進むことから質問も可能ですが、映像授業に関しては対話できません。そのため、自分でスケジュールを組んで自発的に勉強できるのでなければ難しい方法でしょう。
オンライン塾には、おもに3つのメリットがあります。
- ・通う必要がない
- ・全国の塾から選択できる
- ・大学の情報量が多い
塾に通う必要がないことから、通塾予定だった時間も勉強に充てられます。また、実際に通うわけではないため、どの地域の塾を選んでも問題ありません。
さらに、全国に対応していることから各大学の情報も多く、志望校が遠い場合にも有利に働きます。
一見するとメリットばかりのオンライン塾ですが、自宅で勉強するという点には注意してください。自宅で集中力が続かないのであれば、オンラインよりも近くの集団や個別塾が向いているかもしれません。
中高一貫校生が大学受験のために塾に通うメリット
中高一貫校は勉強のレベルが高いため、基本的に塾に通う必要は多くありません。しかし、塾に通うことで得られるメリットも多いため、代表的なものをご紹介します。
難関大学を目指せる
まずは、難関大学を目指せることです。基本的に中学生から大学受験の準備をすることは少ないですが、難関大学や医学部など、一般的に難しいとされている大学を受験するのであれば塾は必要になるかもしれません。
中高一貫校では高校受験の必要がないことから油断しがちですが、早い人は中学3年生くらいから大学受験を見据えて行動しています。一般的にはとても早い準備に感じるものの、難関大学や医学部を目指すのであれば重要です。
中高一貫校生であっても、学校の授業だけで難関大学を目指すのは難しく、専門的な塾での勉強は必要になるでしょう。早くから塾に通って受験対策を行なうことで、難関大学や医学部を目指せるのは大きなメリットです。
学校での不明点を勉強できる
一般的な塾に通う理由としては、受験のためというのが多いかもしれません。しかし、中高一貫校の場合、通常の授業自体レベルが高く、早く進んでいきます。
そのため、「授業についていけない」ということも少なくありません。こういった場合に塾を利用していれば、学校での不明点を解決し、より授業内容を理解しやすくなります。
塾の必要性は、高校生になってから大学受験を目指すだけと考えるかもしれませんが、実際には授業についていくために通塾するメリットがあります。
また、早い段階から通塾しておけば、授業を理解しやすくなるだけではなく、そのまま大学受験も目指せるでしょう。塾に通っているほかの生徒から大学についての情報を聞く機会なども増えるため、最初は授業についていくことが目的でも、最終的には大学受験に役立つ可能性も十分にあります。
良い環境で勉強できる
自宅でも問題なく集中できる人もいれば、なかなか集中できない人もいます。こういった場合は、塾に通うことで解決できるかもしれません。
特に、最近の塾では自習室を完備していることが多く、授業日以外でも自由に利用できます。そのため、自宅に自室がなくても、勉強したいときは塾に行くことでより集中して勉強できるようになるでしょう。
さらに、塾にはさまざまな学校から生徒が集まるため、良い刺激にもなります。特に中高一貫校では6年間同じ生徒と過ごすこともあり、モチベーションに良い影響を与えてくれないかもしれません。
塾であれば良い環境で勉強できるだけではなく、同じように大学を目指す生徒と高め合えます。
中高一貫校生が大学受験のために塾に通うデメリット
中高一貫校生が大学受験のために塾に通うメリットを解説しましたが、デメリットがないわけではありません。いくつかデメリットも解説していくため、問題にならないか確認しておいてください。
学校と塾の両立が難しい
まずは、学校と塾の両立が難しいということです。中高一貫校では市立などと比べて勉強量が多く、予習や復習、課題などをこなさなければいけません。
そのため、そもそも塾に通う時間があるのかはしっかりと考えておきましょう。特に通塾の必要があれば移動時間も発生します。
通塾時間が長いのであれば、そのぶん勉強時間は削られてしまうため本末転倒です。さらに、スケジュールが過密すぎた場合には体調を崩す可能性も考えられます。
通塾に時間がかかる、体調を崩すということが重なれば、塾に通う意味はないかもしれません。
まずは、学校以外で空いている時間を確認し、無理のないスケジュールを組んでみてください。また、通塾に時間がかかる場合にはオンライン塾を選ぶのも一つの方法です。
費用がかかる
これは保護者にとってのデメリットですが、塾に通わせるためには当然費用が発生します。そもそも中高一貫校の学費は高く設定されており、家庭によってはすでに圧迫されているかもしれません。
そのなかで塾にも通うとなれば、さらに月に数万円は必要です。また、中高一貫校で中学1年生から通わせるとなると、大学受験の高校3年生まで継続した出費が発生します。
卒業後にも大学に進学する費用が発生するため、軽視できる内容ではありません。中高一貫校と塾、大学の費用まで計算したうえで、通塾できるかどうかも慎重に判断する必要があります。
塾に通うモチベーションを維持しにくい
中高一貫校生は、高校受験が必要ありません。そのため、中学生から塾に通っている場合には勉強する目標が薄く、モチベーションを高く維持しにくいというデメリットがあります。
これは、高校に進学してからも、目指したい大学がない場合には同様のことが起こるかもしれません。
まずは、塾に通う明確な目的が必要です。「学校の勉強についていけない」「行きたい大学がある」など、こういった目標があればモチベーションは低下しないでしょう。
中高一貫校生が大学受験するためにおすすめの塾の選び方
ここまで中高一貫校生が大学受験のために塾に通う必要はあるのか、という部分を解説してきました。読み進めたうえで塾に通う必要性があると感じたのであれば、検討してみてください。効率よく勉強するためにも、自分に合った塾を探せるかがポイントになるでしょう。
自分のレベルに合っているかどうか
現在の自分の学力レベルに合っている塾かどうかは重要です。これはレベルが高ければ良いということではありません。
レベルが自分より高すぎた場合には授業についていけず、学力はなかなか上げられないでしょう。反対に自分のレベルよりも低い場合、すでに理解できている内容ばかりの勉強になり、モチベーションの低下や意味がないという状態になってしまいます。
学力レベルが合っているかを確かめるためには、体験授業を受けてみることです。多くの塾では無料の体験授業を実施しているため、まずは実際に授業を受けてみてください。
授業を受けるなかで自分の学力レベルと合っているのかを確かめ、判断できない場合には講師に質問してみてください。特に大学受験に特化しているような塾であれば、入塾のためにテストが用意されていることもあります。
インターネットの情報だけではなかなか判断できないため、まずは塾に問い合わせて授業を体験してみるのがおすすめです。
授業形式が自分に合っているかどうか
授業の形式が自分に合っているかを確認してみてください。先述しているとおり、集団と個別、オンラインが塾のおもな形式です。
集団と個別に関しては通塾する必要があるため、遠すぎる場合はおすすめしません。反対にオンラインは自宅で授業を受けることから、集中できない人もいます。
授業形式に関しては、どれが優れているということはなく、あくまでどの形式が最も勉強しやすいのかで考えなければいけません。最近は個別指導塾が増えてきていることから人気も高いですが、人によっては集団のほうが集中できる、モチベーションが高まるということもあります。
また、自習が得意なのであれば通塾の必要がないオンライン塾に大きなメリットがあるでしょう。
必要なサポートがあるかどうか
大学受験のために塾に通うのであれば、必要なサポートがあるかどうかも確かめておきましょう。
- ・進路相談
- ・個別相談
- ・質問のしやすさ
- ・自習室がある
- ・大学の情報量の多さ
上記の5項目は確認しておいてください。中高一貫校でも進路相談や個別相談はありますが、塾であれば大学受験に特化した相談も可能です。
また、集団でも個別でも質問のしやすさは重要です。学校でついていけていない箇所や受験に必要な勉強など、わからないまま放置するのでは塾に通う意味はありません。
自習室も最近は多くの塾が完備しています。授業日以外に利用できるのであれば、自宅では集中しにくい場合に利用するとよいでしょう。
最後に大学の情報量です。大学受験のために通塾するのであれば、さまざまな情報をもっているかは重要になってきます。
大学受験の情報を多く持っている塾であれば、過去の受験の傾向や合格点なども把握しており、より合格に向けた指導が可能です。
通いやすい場所にあるかどうか
塾が通いやすい場所にあるかどうかは重要です。優れた塾であっても、通塾に何時間も必要なのであればおすすめできません。
塾が遠くてなかなか通えなくては意味がなく、一日に何時間か使って通うのであれば自習時間が減ってしまいます。そのため、塾の評価だけではなく通いやすさもしっかりと確認しておいてください。
例えば、自宅から離れていても学校帰りに寄れるような場所であれば、大きな時間のロスはありません。
また、どうしても最寄りに良い塾がなければ、オンラインという選択もあります。質問しにくいといったデメリットはありますが、最近はチャットでの質問に対応した塾が増えてきました。
そのため、普段から授業で質問しにくいのであれば、むしろオンラインのほうが向いている可能性もあります。
大学への合格率が高いかどうか
最後の塾の決め手になるのは、大学への合格率です。何人の生徒が志望している大学へ入学できているのかがわかれば、より安心して塾を選択できます。
ほとんどの塾では大学への合格率を公式サイトで好評しているため、まずは確認してみましょう。
また、同じ塾でも校舎によって差が出ることがあります。基本的には志望している大学への合格率が高い塾と校舎を選ぶようにしてください。
まとめ
授業のレベルが高く高校の進学が約束されている中高一貫校生が塾に通う必要性は低いものの、大学受験となれば話は別です。特に難関大学や医学部を目指すのであれば、中学生でも塾に通うメリットは十分にあります。
ただし、ただでさえ勉強量の多い中高一貫校と塾の両立には難しいということも忘れてはいけません。塾に通うメリットは多いものの、デメリットもしっかりと確認しておかなければ、スケジュール調整がうまくできず無駄になることもあるでしょう。
まずは、この記事を参考に塾が必要なのかどうか、必要であればどのような塾を選べばよいのかを参考にしてみてください。