家庭教師で大学受験に挑む場合のポイントと成績を伸ばすコツ

大学受験を目指している受験生のなかには、「家庭教師の指導を受けたほうが大学合格に近づくのでは?」と感じている人もいるかもしれません。家庭教師は、大学受験に挑む受験生にとってどのような効果が期待できるのでしょうか。本記事では、大学受験で家庭教師を利用するメリットやデメリット、家庭教師で大学受験を乗り切るポイントをご紹介します。
あわせて、家庭教師で成績が伸びないと感じる場合にやるべきことも解説しているので、「大学受験対策に家庭教師を検討している」「すでに家庭教師で学んでいる」といった人は参考にしてください。
大学受験で家庭教師を利用するメリット

大学受験に備えて家庭教師を利用する主なメリットは、以下の4つです。
自分に合わせた学習が可能
家庭教師がいれば、基礎固めの時期に自分に合わせた不得意分野の対策が可能です。万一、夏以降に基礎不足が判明しても、個別に勉強内容を調整してもらえれば効率よく巻き返しが図れます。大学受験で、まず欠かせないのが基礎学力です。英語であれば語彙や文法、構文の理解をはじめ、ある程度長い文章を読む力が求められます。
また、数学では公式の暗記が不足していると基礎的な計算問題でケアレスミスをしたり、応用問題に太刀打ちできなかったりしかねません。なお、基礎固めは高校3年生の夏までに済ませるのが理想的です。
通塾の負担がなく学習時間が選べる
家庭教師は、希望する時間に来てくれるため、通塾の負担がなく自分が学びやすいタイミングで学習ができる点もメリットです。住んでいる地域と塾の場所が離れていたり、部活などで帰宅が遅くなりやすかったりすると、塾に通う時間が負担になってしまいます。
教師とコミュニケーションしやすい
一般的に、家庭教師と生徒は1対1で学ぶため、集団で学ぶ場合よりもコミュニケーションしやすいでしょう。お互いに打ち解けることができれば、和やかな気持ちで落ち着いて学ぶことが期待できます。家庭教師側は、生徒の性格や理解度などをピンポイントで指導方法が検討でき、生徒側は不明点が気軽に質問できる点は大きなメリットです。
大学受験で家庭教師を利用するデメリット
大学受験で家庭教師を利用する場合は、以下の3つのようなデメリットもあります。
積極的に学習しないと身につかない
家庭教師に限ったことではありませんが、志望校合格を引き寄せるには積極的に学ぼうとする受験生自身の姿勢が欠かせません。ある問題が不正解だった場合、家庭教師の解説を聞いているだけでは、なかなか知識として定着しづらいでしょう。日ごろから予習復習などを行い、わからないところを家庭教師に積極的に質問しなければ、単に説明を聞きながすだけになってしまう可能性があります。
家庭教師をつけさえすれば成績が伸びるわけではないため、注意しましょう。
他の受験生を意識しづらい
家庭教師は、集団が苦手で他人に惑わされず自分のペースで学びたい人向きですが、他の受験生を意識しづらい点はデメリットといえます。例えば、勉強が習慣化していて、どんどん先を学ぶことについていける基礎力がある人は集団塾向きです。他の生徒と一緒に授業を受けていて、「負けたくない」という気持ちが高まりやすいタイプなら、周りにライバルがいる環境のほうがよいかもしれません。
なお、家庭教師で学んでいても、同級生やSNSなど、工夫をすれば他の受験生を意識することは可能です。
教師の交通費を負担する場合も
大学受験に備えて家庭教師を派遣してもらう場合、1時間あたり約3,000~1万円が料金相場です。また、入会金や運営費、紹介料、教材費、交通費といった諸費用が別途かかる場合があります。なかには、受講料金に交通費が含まれる場合もありますが、家庭教師への報酬以外が別途かかるケースでは塾よりも授業料が高くなる可能性もあるでしょう。
依頼をする前には、見積もりを確かめたうえで何の料金が含まれているのかを理解して依頼することが大切です。
家庭教師で大学受験を乗り切る3つのポイント

家庭教師のメリット・デメリットが理解できた後は、家庭教師とともに成績を伸ばすための3つのポイントも押さえておきましょう。
的を絞って効率よく勉強する
受験に向かうためには、「基礎固め」「苦手克服」といった長期目標だけではなく、無理なくやり遂げられる以下のような短期目標も欠かせません。
【短期目標の例】
・毎日英単語を30個ずつ覚える
・2日に1回は数学の問題集を3ページずつ進め、1ヵ月以内に1冊を終わらせる
なお、できるだけ早く知識を身につけるには、授業の受け方も大切です。例えば、ノートをとる場合には、板書をそのまま写すのではなく、あとで誰かに説明するつもりで書くように心がけるとアウトプットの練習になります。また、復習は単にやったことを振り返るだけではなく、覚えられない・できないといった課題を復習するたびに、改善策を考えると効率が良くなるでしょう。
次の復習では、改善策を試して理解できているかを確認すれば、復習するごとに学習した内容の定着が図れます。
常に前向きに努力し続ける
ただ授業を受けているだけでは、成績の伸びにつながりにくいです。「家庭教師で学んでいるから大丈夫」と油断しすぎず、努力を続ける姿勢は欠かせません。また、受験勉強を苦しいと捉えるのか、楽しいと捉えるかによっても、モチベーションが大きく変わってしまうでしょう。家庭教師は、自分の学習状況一つひとつに「さすが!」「絶対受かる」など前向きな言葉をかけてくれることがあります。
強気かつ前向きな気持ちを保ちながら努力し続けることが志望校合格を引き寄せる力の源になるのです。
基礎部分の理解を重視する
基礎力が不足していると、問題を解いていて同じような課題にぶつかる傾向があります。
【基礎力不足の例】
・基礎的な計算問題をよく間違える
・一応文章を読んだものの何が書いてあるかが読み取れない
・図表から何を読み取ればよいかがわからない
基礎が土台となって、初めて過去問や模試などの応用問題に取り組めるようになります。家庭教師と計画を立てる際には、最初から背伸びせずに基礎力強化を狙った目標を検討することが大切です。
家庭教師で成績が伸びない場合の選択肢
家庭教師を利用しているけれど、思うように成績が伸びないと感じている場合には、以下の3つの方法を試してみましょう。
自分の勉強方法を振り返る
家庭教師と勉強していて成績が伸びない場合には、ここまでご紹介した勉強のポイントで欠けている箇所がないかを確認してみましょう。授業の受け方や復習の仕方、目標の立て方の改善などで、立て直しが図れます。
自分に合った演習で解答力を高める
大学受験は、暗記だけで乗り切ることは難しい傾向です。普段から勉強していて、覚えることばかりに意識が向いているような場合は、問題演習を取り入れて知識をアウトプットするように心がけましょう。ただし、一般的に良い問題集とされているものが自分のレベルにあっているとは限りません。
背伸びをして難しい問題に取り組まず、現状の学力と志望大学のレベルとの差を埋める難易度の問題に取り組むことが大切です。知識を定着化するには、1冊の問題集を2~3周すると効率が良いでしょう。レイアウトや解答の詳しさなども踏まえて、使ってみたい問題集を選ぶことが大切です。
勉強する環境を変える
一人で勉強している際は、自宅や学校、図書館、カフェなど好きな場所で取り組んでかまいません。集中できる環境を見つければ、それだけでも学習効率が高められます。もし、「家庭教師で勉強しているだけでは刺激が少ない気がする」と感じるなら、友だちと一緒に勉強するのも一案です。同じ志望校のライバルと競い合いたいなら、集団指導塾で学ぶほうが合っている可能性があります。
個別指導に強い予備校を選べば、家庭教師と同じように自分にあった受験対策で学習することが期待できるでしょう。
家庭教師任せはNG!学ぶ姿勢を大切に、合格を引き寄せよう
家庭教師で大学受験を乗り切るには、先生任せではなく自主的に勉強する姿勢と基礎力強化を意識してコツコツと学ぶ姿勢や前向きな学習意欲が欠かせません。家庭教師は、自分にあった学習カリキュラムを検討してくれますが、自分で学ぶ意識が低下してしまうと成績の伸びにつながりにくくなってしまいます。
普段の勉強に行き詰まりを感じる場合は、自分の勉強方法を振り返り、できるところから改善を図ってみましょう。