家庭教師だけで大学受験は乗り切れる?メリット、デメリットを計15個紹介
大学受験を目指している受験生のなかには「家庭教師の指導を受けたほうが大学合格に近づくのでは?」と感じている人もいるかもしれません。
家庭教師は、大学受験に挑む受験生にとってどのような効果が期待できるのでしょうか。
本記事では、大学受験で家庭教師を利用するメリットやデメリット、家庭教師で大学受験を乗り切るポイントをご紹介します。
あわせて、家庭教師で成績が伸びないと感じる場合にやるべきことも解説しているので「大学受験対策に家庭教師を検討している」「すでに家庭教師で学んでいる」といった人は参考にしてください。
大学受験で家庭教師を利用するメリット8つ
大学受験に備えて家庭教師を利用する主なメリットは、以下8つです。
- 自分に合わせた学習が可能
- 通塾の負担がなく学習時間を選べる
- 教師とコミュニケーションしやすい
- 個別指導と集団指導の違い
- スキルアップや特定の科目の克服
- 時間の柔軟性
- モチベーションの維持
- 対策や受験準備の支援
それぞれ詳しく見てみましょう。
自分に合わせた学習が可能
家庭教師がいれば、基礎固めの時期に自分に合わせた不得意分野の対策が可能です。
夏以降に基礎不足が判明しても、個別に勉強内容を調整してもらえれば効率よく巻き返しが図れます。
大学受験で、まず欠かせないのが基礎学力です。英語であれば語彙や文法、構文の理解をはじめ、ある程度長い文章を読む力が求められます。
また、数学では公式の暗記が不足していると基礎的な計算問題でケアレスミスをしたり、応用問題に太刀打ちできなかったりしかねません。
なお、基礎固めは高校3年生の夏までに済ませるのが理想的です。
関連記事:大学受験の勉強はいつから?高3からでも間に合う?ベストな時期を紹介
通塾の負担がなく学習時間を選べる
家庭教師は、希望する時間に来てくれるため、通塾の負担がなく自分が学びやすいタイミングで学習ができる点もメリットです。
住んでいる地域と塾の場所が離れていたり、部活などで帰宅が遅くなりやすかったりすると、塾に通う時間が負担になってしまいます。
しかし、それがメリハリを付けづらいというデメリットにもなります。
教師とコミュニケーションしやすい
一般的に、家庭教師と生徒は1対1で学ぶため、集団で学ぶ場合よりもコミュニケーションしやすいでしょう。
お互いに打ち解けることができれば、和やかな気持ちで落ち着いて学ぶことが期待できます。
家庭教師側は、生徒の性格や理解度などをピンポイントで指導方法が検討でき、生徒側は不明点を気軽に質問できる点が大きなメリットです。
個別指導と集団指導の違い
家庭教師は生徒一人一人に対して個別に指導するため、生徒の理解度や学習スタイルに合わせた授業を提供することができます。
集団指導では一斉授業が主なため、個々の生徒のニーズに柔軟に対応することが難しい場合があります。
また、個別指導塾でも1対1の授業は稀で、基本は1対2〜3です。一方家庭教師の場合は、まさに1対1の個別指導が受けられます。
スキルアップや特定の科目の克服
家庭教師は生徒の弱点や課題に重点を置いた指導を行うことができます。
特定の科目や技能の克服を目指す場合、家庭教師はより専門的な知識や経験を持っている場合があります。
「この科目を得意とする先生から学びたい」のようにリクエストしても良いでしょう。プロフィールをWebページ等でチェックして、自分に合った先生を選べるようなサービスもあります。
時間の柔軟性
家庭教師は生徒のスケジュールに合わせて授業を調整することができます。学校や部活動などの他の活動との調整がしやすく、負担なく学習に集中することができます。
一方、集団塾の場合は他の生徒もいるため、授業時間を自身の都合の良いように調整することはできません。
部活などのスケジュールが変わりやすい方には、家庭教師がおすすめです。
モチベーションの維持
家庭教師の仕事は、授業をすることだけではありません。生徒のモチベーション管理も、家庭教師の仕事です。
もちろん塾講師も生徒のモチベーション管理を行います。しかし、1対1で励ましを受けたり、やる気が出るような話をしたりしてくれた方が、響きますよね。
家庭教師は生徒の進歩を定期的に評価し、目標に向かって進むためのモチベーションを維持させてくれます。
個別のフィードバックや励ましを通じて、自信が高まっていくでしょう。
対策や受験準備の支援
大学受験に特化した家庭教師は、受験科目の対策や過去問の解説など、受験準備をサポートしてくれます。
受験において必要な知識やテクニックを効果的に伝えてもらえるため、合格への近道となることもあるでしょう。
大学受験で家庭教師を利用するデメリット7つ
大学受験で家庭教師を利用する場合は、以下のようなデメリットもあります。
- 積極的に学習しないと身につかない
- 他の受験生を意識しづらい
- 他の選択肢と比較して費用がかかる
- 教師の交通費を負担する場合も
- 依存度の高まり
- 教師の選択の難しさ
- プレッシャーとストレス
これらは一般的なデメリットの例ですが、家庭教師の利用には、個人の状況や要件によって異なる側面があります。利用する前に、自身のニーズや予算に合わせて慎重に考慮することが重要です。
積極的に学習しないと身につかない
家庭教師に限ったことではありませんが、志望校合格を引き寄せるには積極的に学ぼうとする受験生自身の姿勢が欠かせません。
ある問題が不正解だった場合、家庭教師の解説を聞いているだけでは、なかなか知識として定着しづらいでしょう。
日ごろから予習復習などを行い、分からないところを家庭教師に積極的に質問しなければ、単に説明を聞きながすだけになってしまう可能性があります。
家庭教師をつけさえすれば成績が伸びるわけではないため、注意しましょう。
他の受験生を意識しづらい
家庭教師は、集団が苦手で他人に惑わされず自分のペースで学びたい人向きですが、他の受験生を意識しづらい点はデメリットといえます。
たとえば勉強が習慣化していて、どんどん先を学ぶことについていける基礎力がある人は集団塾向きです。
また、他の生徒と一緒に授業を受けていて、「負けたくない」という気持ちが高まりやすいタイプなら、周りにライバルがいる環境のほうがよいかもしれません。
なお家庭教師で学んでいても、同級生やSNSなど、工夫をすれば他の受験生を意識することは可能です。
他の選択肢と比較して費用がかかる
家庭教師は、塾や予備校などの選択肢と比較して、最も費用がかかります。
まず、費用を一番抑えられるのは集団塾です。次いで個別指導塾、最も高いのが家庭教師となっています。
講師1人が一度に指導する生徒の人数が少なくなればなるほど費用は上がります。費用を少しでも抑えたいのであれば、他の選択肢も検討してみましょう。
家庭教師と比較的近い少人数制で授業が受けられる個別指導塾を試してみても良いかもしれません。
関連記事:高校生の大学受験にかかる塾代費用平均は月64,928円!払えない時の対処法も解説
教師の交通費を負担する場合も
大学受験に備えて家庭教師を派遣する場合の費用は、1時間あたり約3,000~1万円が料金相場です。また、入会金や運営費、紹介料、教材費、交通費といった諸費用が別途かかる場合があります。
受講料に交通費が含まれる場合もありますが、別途支払わなければならないケースもあります。
依頼をする前に見積もりを確かめ、何の料金が含まれているのかを理解して依頼することが大切です。
特に街の中心地から離れた場所に住んでいる場合、予想以上の交通費がかかるケースもあるので要注意です。
依存度の高まり
家庭教師に依存しすぎると、自己学習能力や自己管理能力が低下する可能性があります。家庭教師の指導に頼りすぎず、自分自身でも学習に取り組むことが重要です。
「家庭教師に言われたことだけ」しかできないと、大学進学後にどうやって勉強をすれば良いのか分からなくなるかもしれません。
教師の選択の難しさ
家庭教師を選ぶ際には、信頼性や教育経験の有無、教えるスタイルなどを考慮する必要があります。適切な教師を見つけるまでに時間や労力を要する場合があります。
プレッシャーとストレス
家庭教師との個別の授業では、生徒は一対一で目立つことになります。これにより、成績や学習へのプレッシャーが増す場合があります。
また、教師からの厳しい指導やフィードバックによってストレスを感じることもあるかもしれません。
プレッシャーやストレスが強すぎるようであれば、一度集団塾の体験授業を受けてみても良いかもしれません。
家庭教師だけでの大学受験はおすすめしない
ここまで、大学受験で家庭教師を利用するメリット、デメリットについて解説をしました。
結論、家庭教師だけでの大学受験はおすすめしません。家庭教師には、費用面やライバルがいないことによるモチベーションの問題など、さまざまなデメリットがあります。
特に教師選択の難しさは、大学を受験する上で絶対に避けたいデメリットです。家庭教師は、大半が近くの大学に通っている学生が担当しています。
当然、アルバイトばかりの家庭教師よりも、何年も受験生を指導している塾や予備校の講師から学んだ方が合格率は高まります。
おすすめの塾、予備校については「オススメ予備校一覧ページ」をチェックしてみてください。
家庭教師だけで大学受験を乗り切る3つのポイント
前述のとおり、家庭教師だけで大学受験に挑むべきではありません。しかし、中には「どうしても家庭教師がいい」という方もいるでしょう。
ここでは、そういった方々に向けて、家庭教師だけで大学受験を乗り切るためのポイント3つについて解説します。
- 的を絞って効率よく勉強する
- 常に前向きに努力し続ける
- 基礎部分の理解を重視する
それぞれ詳しく見てみましょう。
的を絞って効率よく勉強する
受験に向かうためには「基礎固め」「苦手克服」といった長期目標だけではなく、無理なくやり遂げられる以下のような短期目標も欠かせません。
- 毎日英単語を30個ずつ覚える
- 2日に1回は数学の問題集を3ページずつ進め、1ヵ月以内に1冊を終わらせる
なお、できるだけ早く知識を身につけるには、授業の受け方も大切です。たとえば、ノートをとる場合には、板書をそのまま写すのではなく、あとで誰かに説明するつもりで書くように心がけるとアウトプットの練習になります。
また、復習は単にやったことを振り返るだけではなく、「覚えられない」「できない」といった課題を復習するたびに、改善策を考えると効率が良くなるでしょう。
次に、復習をする際には、改善策を試して理解できているかを確認しましょう。そうすれば、復習するごとに学習した内容の定着が図れます。
常に前向きに努力し続ける
ただ授業を受けているだけでは、成績の伸びにつながりにくいです。「家庭教師で学んでいるから大丈夫」と油断せず、努力を続ける姿勢は欠かせません。
また、受験勉強を苦しいと捉えるのか、楽しいと捉えるかによっても、モチベーションは大きく変わります。
家庭教師は、自分の学習状況一つひとつに「さすが!」「絶対受かる」など前向きな言葉をかけてくれることがあります。前向きな言葉をポジティブに受け止め、精力的に受験勉強に取り組みましょう。
強気かつ前向きな気持ちを保ちながら努力し続けることが、志望校合格を引き寄せる力の源になるのです。
基礎部分の理解を重視する
以下のように基礎力が不足していると、問題を解いている際に、同じような課題にぶつかる傾向があります。
- 基礎的な計算問題をよく間違える
- 一応文章を読んだものの何が書いてあるかが読み取れない
- 図表から何を読み取ればよいかがわからない
基礎が土台となって、初めて過去問や模試などの応用問題に取り組めるようになります。
家庭教師と計画を立てる際には、最初から背伸びせずに基礎力強化を狙った目標を検討することが大切です。
家庭教師で成績が伸びない場合の選択肢
家庭教師を利用しているけれど、思うように成績が伸びないと感じている場合には、以下の3つの方法を試してみましょう。
- 自分の勉強方法を振り返る
- 自分に合った演習で解答力を高める
- 勉強する環境を変える
それぞれ詳しく解説します。
自分の勉強方法を振り返る
家庭教師と勉強をしていて成績が伸びない場合には、ここまでご紹介した勉強のポイントで欠けている箇所がないかを確認してみましょう。
授業の受け方や復習の仕方、目標の立て方の改善などで、立て直しが図れます。
自分に合った演習で解答力を高める
大学受験を暗記だけで乗り切ることは難しいです。普段の勉強の意識が覚えることばかりに向いているような場合は、問題演習を取り入れて知識をアウトプットするように心がけましょう。
ただし、一般的に良い問題集とされているものが自分のレベルにあっているとは限りません。
背伸びをして難しい問題に取り組まず、現状の学力と志望大学のレベルとの差を埋める難易度の問題に取り組むことが大切です。
知識を定着化するには、1冊の問題集を2〜3周すると効率が良いでしょう。レイアウトや解答の詳しさなども踏まえて、使ってみたい問題集を選ぶことが大切です。
勉強する環境を変える
一人で勉強している際は、自宅や学校、図書館、カフェなど好きな場所で取り組んで構いません。集中できる環境を見つければ、それだけでも学習効率が高められます。
もし、「家庭教師で勉強しているだけでは刺激が少ない気がする」と感じるなら、友だちと一緒に勉強するのも一案です。同じ志望校のライバルと競い合いたいなら、集団指導塾で学ぶ方が合っている可能性もあります。
個別指導に強い予備校を選べば、家庭教師と同じように自分に合った受験対策を行えるでしょう。
特に理由がなく家庭教師にこだわっているのであれば、ぜひ一度塾や予備校も検討してみてください。一度無料体験を受けるだけでも、家庭教師とどちらが向いているのか、はっきりするはずです。
「オススメ予備校一覧ページ」にて当サイトおすすめの塾、予備校をまとめています。
家庭教師任せはNG!学ぶ姿勢を大切に、合格を引き寄せよう
家庭教師で大学受験を乗り切るには、先生任せではなく自主的に勉強する姿勢と、基礎力強化を意識してコツコツと学ぶ姿勢や前向きな学習意欲が欠かせません。
家庭教師は、自分にあった学習カリキュラムを検討してくれますが、自身のモチベーションが低下してしまうと成績の伸びにつながりにくくなってしまいます。
普段の勉強に行き詰まりを感じる場合は、自分の勉強方法を振り返り、できるところから改善を図ってみましょう。
また当サイトは、家庭教師よりも塾や予備校をおすすめしています。塾、予備校に興味がある方は「オススメ予備校一覧ページ」をチェックしてみてください。