【医学部】国公立と私立の違いと特徴

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大学の医学部には、大きく分けて2つの種類があります。
国公立大学なのか私立大学なのかという点です。

国公立大学と私立大学の医学部では、どのような違いがあるものなのでしょうか。
入試傾向とあわせて、紹介していきます。

国公立大学の医学部

まずは、国公立大学の医学部について見てみましょう。
医学部のある国公立大学は、東京大学や京都大学、大阪大学や東京医科歯科大学などが挙げられます。
全体的な数こそ少ないものの、全国各地に国公立大学の医学部は存在します。

国公立大学 医学部の特徴

国公立大学の医学部は、学費が安くて偏差値が高いというイメージがあるのではないでしょうか。
そのイメージは、ほとんど正解です。

国公立大学の医学部は、学費が安く設定されています。
というのも、国公立大学においては文系も理系も医学部も、学費はほぼ一律となっているのです。

そのため経済的な理由で、医師にはなれないなんてことは、基本的にはありません。
一方で私立大学は、学費の高額さから家庭の経済状況によって入学できない場合もあるものです。

国公立大学は、私立大学に行くほどの経済力はなくても通うことができます。
国公立大学の医学部ならば、大学に行く経済的に余裕のある家庭ならば誰でも通えるチャンスがあるのです。

偏差値については、私立に比べると高い傾向にあります。
国公立は難しいといわれる所以は、やはり偏差値の問題ではないでしょうか。
ただし、これは一概に国公立が私立を上回る偏差値となっているという訳ではありません。

私立でも、国公立より高い偏差値を誇る大学もあるのです。
私立大学の医学部では、平均偏差値は63~74ほどとなっています。 これに比べて国公立大学では、平均偏差値は66~79です。
中でも、都市部の国公立大学は偏差値が高めのところが多くなっています。

国公立大学医学部は、研究設備が整っているという特徴もあります。
国からの補助金があることもあり、実際に身を持って経験できる機会に恵まれているといえるのです。
私立大学にも研究設備はもちろんありますし、資金も十分にあることでしょう。

しかし私立大学では、その資金の使い方が定められている訳ではありません。
ある大学では研究設備に多くを投資しているとしても、ある大学では大学そのものの設備投資にあてていることもあるのです。

その点国公立大学は、使い道の決まっている補助金があります。
研究設備をそろえるのには大変多額なお金がかかりますが、こうした補助金によってベストな研究設備を整えることができるのです。

これは、国公立大学の資金の使い方が決まっているからに他なりません。
理論だけを学ぶより、研究設備を用いて実際に肌で感じることは非常に重要です。
そんな貴重なチャンスに溢れていることも、国公立大学の魅力なのです。

もう1つ、教員と深い関わりを持ちやすいという特徴もあります。
私立大学では、教員1人あたり数十人の学生を受け持つことが多くなっています。
しかし国公立大学では、教員1人あたりの学生数が数人程度のことが多いのです。

実際、東大の医学部においては教員1人あたりに対して学生は4人程度となっています。
これならば、教員と非常に深い関わり方ができます。

さらに学習面でも、こまめに行き届いた教育がされやすいといえます。
将来のための、強力な人脈作りにもなるでしょう。
これは、国公立大学ならではの強みといえるのです。

学費はどのくらい?

私立に比べると安いとされる、国公立大学の学費。
実際にはどれくらいかかるものなのでしょうか。
私立大学の医学部の場合は、6年間平均で3300万円ほどがかかるとされています。

しかし国公立大学の医学部の場合は、6年間平均で360万円程度です。
国公立の場合、学費は一律で決められています。
半期で28.2万円、年間に換算すると56万円程度で通える計算になります。
入学費は30万円ほどとなるので、1年目は少し多めにかかるかもしれません。

また国公立大学においては、家庭状況によって授業料が免除となる場合があります。
両親の収入額によって、半額から全額免除になる場合もあるのです。
ただし、免除制度を受けるには一定の審査を受ける必要があり、審査の基準もしっかりと定められています。

その内容は明らかにはされていませんが、家庭状況によっては6年間の授業料が実質無料になることもあります。
こうしたサポート制度が充実している点も、国公立の大きな魅力といえるでしょう。

とはいえ、国公立大学の学費は、国の方針によって変更になる可能性も大いにあります。
そのため、実際の学費については、最新の情報をチェックしておくと良いでしょう。

入学するメリット

国公立の医学部に入学するメリットは、何を差し置いても経済的な負担が軽いということにあります。
今の時代、金銭的な問題から医師になれないということはありません。
こうした問題を抱えながらも、医師を目指してコツコツと努力が実を結ぶ場所こそ、国公立の医学部だといえるでしょう。

家庭に経済的負担をかけさせたくない場合も、授業料の負担を軽減してくれる制度が充実しているので安心です。
経済状況に左右されず、自分の夢を追える場所といっても過言ではありません。
中には独特の制度を設けている大学もあるので、志望大学の入学案内やホームページなどを確認してみましょう。

その上、研究設備が整っていることや教員と深く関わりやすいというメリットもあります。
存分に研究できて手厚いケアが受けられる環境なのが、国公立大学のメリットです。
こうしたメリットは、経済的に余裕がある人でもぜひ受けていきたい恩恵といえるでしょう。

国公立は偏差値こそ高いものの、誰にとってもメリットが大きい大学です。
しっかりと勉強をして学力を上げていけば、誰の夢も叶えてくれる可能性があるといます。
国や都道府県などが運営しているからこそ、こうした柔軟で手厚い待遇が可能となっているのです。

私立大学の医学部

次に、私立大学の医学部を見ていきましょう。国公立大学とはどのような違いがあるのでしょうか。

私立大学 医学部の特徴

私立大学の特徴は、大学それぞれにカラーがあることにあります。 国公立は国などが運営していますが、私立大学は、いわばビジネスです。 そのため、様々なこだわりを持っている大学がほとんどです。

医学部におけるコンセプトも大学により様々で、学生は自分が目指す将来像に合わせた大学選びが可能です。 では、私立大学がこだわりを見せる部分はどんなものがあるでしょうか。

まずは、大学の設備についてです。
例えば駅近や都心など、アクセスの良い立地に大学を構えるのは大きな利点となるでしょう。<br/ また都心で駅近ならば立地の良さで学生を集めることができますが、郊外ならば敷地面積の広さを魅力にすることもできます。

学生は、それぞれ大学に求めるものが違います。
通学に時間はかけたくない学生もいれば、広々として校舎でリラックスしたい学生もいるでしょう。

医学部を志す学生も、自分のこだわりに沿った大学であれば、より効率的な勉強が可能です。
そんな学生の要望に応えられる様に様々な工夫を凝らしているのが、私立大学なのです。

そして大学そのものの設備についても、大きなこだわりがある学校がほとんどです。
大学内にランドマークとなる建物があったりするなど、他の大学との差別化を図っています。

中には、教会がある大学もある程です。
こうした大学ならではの設備のこだわりは、学生にとっても大きな魅力となることでしょう。
医学部においても同様で、研究設備や実践のための設備などは、大学それぞれによって力を入れているポイントが違います。

そして大学卒業後に関しても、私立大学では手厚くサポートをしてくれます。
その内容は大学それぞれで違いますが、就職率が良ければそれだけ学生を集めることができます。

そんな就職率を維持するために、しっかりと就職のサポートをしてくれる大学が多いのです。
こうししたサポートを受けられれば、医学部での実績をしっかりと就職に活かすことができることでしょう。

立地や環境、方針など、多種多様な大学の中から自分に合う学校を探せるのが、私立大学の大きな魅力といるでしょう。

学費はどのくらい?

私立大学で気になるのは、やはり学費ではないでしょうか。
国公立に比べると10倍近くも違うとされる、私立大学の学費。
実際には、大学それぞれによって学費にも大きな差があります。

6年間の学費の合計は、安いところでは1100万円台の学校もあれば、4700万円ほどかかる学校もあるのです。
これだけ見ると、やはり経済的な余裕がある家庭でなければ私立大学の医学部へ進むのは難しいとの印象を受けます。

しかし、大学には奨学金という制度があります。
奨学金制度を利用することができれば、経済的な余裕がない学生でも私立大学へ進むことができます。

奨学金の内容は様々で、奨学金で全額カバーしてくれる上に要のものがあれば、学費を一部カバーできて卒業後に返済していくものもあります。
この奨学金制度を上手に活用すれば、学費が高めである私立大学の医学部でも安心して通うことができるのです。

入学するメリット

私立大学に入学するメリットは、何といっても選択肢が広く自分の好みに合った大学を選べることではないでしょうか。
大学そのものの数が多いからこそ、様々な特徴を持ちあわせた大学がたくさんあります。

その中から、学生は自由に選んでいくことができるのです。
偏差値にもかなりの幅があるので、偏差値に自信がなくても選べる学校は多くあります。
また卒業後の就職サポートが手厚い点も、私立大学に入学する大きなメリットとなってきます。

大学に入学できても、卒業後に路頭に迷ってしまうようでは意味がありません。
そんな後のことまで面倒を見てくれる私立大学の医学部は、将来への不安要素を最小限にしてくれるといっても良いのではないでしょうか。

入学試験から見た、国公立と私立の違い

入学試験においても、国公立と私立には大きな違いがあります。
決して避けて通ることができない、入学試験。
ここで、その違いについても説明していきましょう。

受験回数

まずは、受験回数です。
国公立の場合、基本的には前期と後期に試験が行われます。
中には中期で行われる大学もありますが、数は非常に少ないと考えておきましょう。

つまり、国公立は1年に2回しか受験することができません。
特に後期は受験人数が増える傾向にあり、ますます厳しい状況となってきます。

それに対して私立では、それぞれの大学で試験日が異なります。
そのため、日程の調整さえできれば、好きなだけ受験することが可能なのです。
また入学試験の形も1つではないので、それだけ受験できる回数も多くなっています。

受験科目

国公立の場合の受験科目は、センター試験で英語、数Ⅰ、数A、数Ⅱ、数B、国語、理科2科目、社会の5教科7科目が必要です。
さらに2次試験では、英語、数学、理科の3教科にプラス面接が待っています。

それに対して私立では、個別試験だけのことが多くなっています。
一般的には英語、数学、理科の3教科と、面接、小論文だけで済むのです。
これだけ科目の数が違うと、受験勉強の負担も大きく変わってくることは間違いありません。

倍率

倍率に関しては、私立の方が高めとなっています。
倍率が高いと、それだけ良い点数を取っていかなければなりません。
私立大学は受験科目が少ないものの、その中でいかに高得点が取れるかがポイントとなってきます。

まとめ

同じ医学部といっても、国公立大学と私立大学では、明確な違いがあります。
それは設備にも経済面でも、受験内容においても同様です。

国公立は安くて設備が整っているというメリットがありますが、偏差値が高く受験回数も少ない上に、受験科目も大量です。
そのため、合格するためには大変な努力が必要となるでしょう。

その点私立は、学費は高めではあるものの偏差値にも幅があり自分に合った大学選びが可能です。
受験科目も少なくなりますが、その反面倍率は高くなるので高得点を狙っていかなければなりません。
どちらを受験するにしても、集中して受験勉強をすることは欠かせないといえるのです。

そして大学それぞれのコンセプトや特徴も、事前にしっかりと調査しておく必要があります。
これを知っておかないと、学校選びを後悔することもあるでしょう。

将来の進路を決める上で大きな岐路ともなってくるのが、大学選びといえます。
各大学の違いをしっかりと考慮した上で、志望校を決めると良いでしょう。

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