大学受験のNGリスニング対策とは?おすすめの参考書やアプリも紹介
大学受験のリスニング対策は、英語のなかでも意外と大きなウェイトを占めています。しかし、間違ったリスニング対策をしていると時間のムダになりかねません。そこで本記事では、大学受験のNGリスニング対策や有効なリスニング対策、リスニング対策に役立つ参考書について解説します。あわせて、無料アプリなどについてもご紹介するので参考にしてください。
やってはいけない!大学受験のNGリスニング対策
最初に、やってはいけない大学受験のNGリスニング対策をご紹介します。
1.英語の聴き流し
大学受験のリスニング対策で「英語の聴き流し」を行うことは、以下のような理由からNGです。
・スピードが速すぎて英語の語句を認識できない
・わからない言葉が多すぎて雑音にしか聴こえない
・発音とつづりが一致しないので言葉の意味がわからない
英語の聴き流しは、このような事態になりやすく、時間をかけてもリスニング力が身につかない結果となりがちです。
2.自分のレベルよりレベルが高いリスニング教材を使う
自分のレベルより、レベルが高い以下のようなリスニング教材を使うのもNGです。
・単語や熟語が聴き取れないほど速く話す教材
・文章中にわからない単語が多すぎる教材
このような教材を使うと、聴いていても理解できないため、勉強へのやる気を失う原因となりかねません。
3.洋画や洋楽でリスニング対策を行う
洋画や、洋楽でリスニング対策を行うのもNGです。洋画の会話は、スピーディーでクセやなまりがある可能性があります。そのため、日本人には難易度が高めです。また、日本語字幕付きの洋画は、つい字幕に目が行ってしまうため、リスニングがおろそかになりやすいでしょう。
一方、洋楽もリスニング対策には不向きです。日本人でも日本語の歌詞を聴き取りにくいケースはよくありますが、それは洋楽も変わりません。そのため、英語ネイティブの人すら聴き取りにくい歌詞をノンネイティブの日本の受験生が正しく聴き取るのは困難といえます。
以上のことから、これらのリスニング対策は避けたほうが無難です。
4.理解できないまま進む
理解できないまま進むことは、リスニング力の向上には逆効果です。理解できない部分を放置してしまうと、間違った情報や誤解が蓄積され、正確なリスニングスキルの構築が妨げられます。
【理解できない部分に対処する方法】
聞き返す: 理解できない部分があった場合は、積極的に聞き返しましょう。もし教材がオンラインで利用可能な場合は、一時停止や巻き戻しを活用して、再度聞くことができます。また、教材が提供されている環境であれば、教師や他の学習者に質問することも有効です。
文脈から意味を推測する: 理解できない部分がある場合でも、文脈や前後の内容から意味を推測することができます。文脈を考慮することで、理解の手がかりを見つけることができます。単語やフレーズの意味を予測し、文脈に当てはめてみることで、正確な理解に近づけるでしょう。
繰り返し練習する: 理解できない部分に遭遇した場合は、繰り返し練習することが重要です。同じ音声素材を何度も聴くことで、徐々に理解が深まります。また、テキストのスクリプトを活用して、音声とテキストを対比させながら学習することも有効です。繰り返しの練習を通じて、リスニングスキルが向上します。
5.リスニング問題の傾向を無視する
大学受験のリスニング問題には、一定の傾向やパターンが存在します。これらの傾向を把握することで、問題解答の効率性を向上させることができます。
【リスニング問題の傾向を活用する方法】
過去問や模擬試験を解く: 過去の受験問題や模擬試験を解くことで、リスニング問題の傾向を把握することができます。特定のトピックや文型、表現パターンの出題頻度を確認しましょう。傾向を理解することで、解答戦略を編成し、時間の効率的な配分を行うことができます。
リスニングテスト対策の参考書や教材を活用する: リスニングテスト対策の参考書や教材には、傾向やパターンについての解説や例題が含まれています。これらの教材を使って学習し、傾向を理解することで、リスニング問題に対するアプローチが明確になります。
答えを予測する: リスニング問題では、選択肢の中から正しい答えを選ぶことが求められます。問題文や文脈から答えを予測し、選択肢と照らし合わせることで、的確な選択肢を見つけることができます。傾向を把握していれば、より正確な予測が可能になるでしょう。
大学受験のリスニング対策に有効な勉強方法
次は、大学受験のリスニング対策に有効な勉強方法についてお伝えします。
テキスト中の語句を確認しながら英語を聴く
テキストつきのリスニング教材を用意し、テキストの英文を確認しながら英語を聴き取る勉強方法です。主に以下の手順で行ってみましょう。
1.音声を聴きながらテキストを目で追い、正しく聴き取れない言葉をチェックする。それが難しくても、1度目はそのまま最後まで聴いて英語のリズム感をつかむ
2.2度目からは、テキストを目で追えなくなったところでいったん音声を止め、その少し前のフレーズから聴き直して再度聴き取れなかった言葉を確認する
3.聴き取れない言葉がはっきりしたら、その言葉を含むフレーズを繰り返し聴いて発音を覚える
以上のことを繰り返し行うと、最初は雑音に聴こえた英語が言語として認識できるようになります。なお、リスニング初心者が長文を目で追いながら音声を聴くのは大変ですので、単語などの短い言葉で発音とつづりを一致させましょう。それに慣れたら短文、最後に長文の順で同じことを行います。
聴いた英語を筆記する「ディクテーション」を行う
聴いた英語を筆記する「ディクテーション」も有効なリスニング対策です。ディクテーションは、テキストを見ずに行うため、少々難しいと感じるかもしれません。しかし、できるようになるとリスニング力の大幅アップが期待できるでしょう。ディクテーションは、次の手順で行います。
1.耳に入ってきた言葉を紙に書く(つづりの正誤は考えずに筆記してOK。カタカナでの筆記もアリ)
2.書いた言葉のつづりが正しいかどうかを確認する
3.つづりが間違っていたら2をもう一度行う
4.発音とつづりが一致するまで2~4を繰り返す
つづりを間違えた言葉やわからない言葉は、その背景に以下の問題が潜んでいる可能性があります。
・そもそも正しい発音やつづりがわかっていない
・英語特有の発音が理解しにくい(get up、want toなど)
前者は、徹底して「聴いて書く」を繰り返して覚えることが大切です。後者は、「聴いて書く」を繰り返すことで、次第に英語特有の発音に慣れてくるでしょう。
聴いた英語を口にする(シャドーイング)
耳に入った英語を追うようにまねをする「シャドーイング」も、有効なリスニング対策の一つです。この場合も、テキストは見ずに聴こえたままに発音し、うまく発音できない言葉は何度もシャドーイングを繰り返しながら覚えます。この勉強法のメリットは、自分で発音した言葉を自分で聴くことで、正しい発音が脳に定着しやすくなることです。
効率的にリスニング対策を行うコツは「自分に合った教材選び」
これまでにご紹介したリスニング対策を効率的に行うコツは、自分に合った教材選びを行うことです。その際に重視すべき主なポイントは、2つあります。
・大学受験対策に適したリスニング教材を選ぶ
高校の授業で使う教材や大学受験用の教材を指します。大学受験のリスニング問題は、原則高校で習う内容から出るため、それらの教材で勉強するのがベストです。
・自分のレベルに合った教材を選ぶ
最初は、自分にとってやさしい教材から入り、自分がレベルアップしたら教材のレベルも上げていくとよいでしょう。
これらをふまえたうえで、以降ではリスニング対策におすすめの教材をご紹介します。
大学受験のリスニング対策におすすめの教材:参考書
家でじっくりとリスニング対策を行う場合は、参考書が適しています。おすすめの参考書をご紹介します。
大学入試 全レベル問題集 英語リスニング 1 基礎レベル(旺文社)
高1からの基礎固めに向いているリスニングテキストです。ディクテーションから始まり、短文(ダイアローグ/モノローグ)や、長文(ダイアローグ)の順で学習する構成になっており、巻末付録として音読・ディクテーショントレーニングがついています。上手に活用することで初心者でも無理なくリスニングの基礎を習得できるでしょう。
大学受験におすすめの教材:無料リスニングアプリ
移動時間などのスキマ時間のリスニング対策には、無料で使える以下のようなリスニングアプリがおすすめです。
ターゲットの友(旺文社)
英単語や、英熟語の発音確認に最適な無料アプリです。大学受験生向けには、中学レベル~難関大学受験まで対応している「6種類のレベル別単語コンテンツ」「2種類のレベル別熟語コンテンツ」を用意。現在のレベルや目的に合わせて、コンテンツの使い分けができます。
NHKゴガク 語学講座アプリ(NHK)
NHK語学講座を、まるごと聴ける無料アプリ。NHKラジオ講座テキスト(以下参照)との併用がおすすめです。
<高校生・大学受験生向けのラジオ講座>
・中学生の基礎英語 in English
・エンジョイシンプルイングリッシュ
・ラジオ英会話
・英会話タイムトライアル
※上から難易度が低い順
語学講座のほかにも、単語クイズや疑似英会話のコンテンツがあり、楽しみながらリスニング対策ができます。
Flipout英会話リスニング(Flipout LLC)
旅行や留学、仕事など、定番1460シーンの英会話を無料でリスニングできるアプリです。いずれのシーンも短い会話で英語が聴き取りやすく、続けやすいのがメリット。ぜひ覚えておきたい「ピックアップフレーズ」の学習でさらに力がつきます。
リスニング対策で大事なのは「繰り返し聴いて英語の発音に慣れる」こと
英語のリスニング対策で一番大事なのは、「繰り返し聴いて英語の発音に慣れる」こと。しかし、英語を聴く時間は長くなくても大丈夫です。むしろ、短時間のリスニングを何度も繰り返すほうが、より集中でき、英語を正しく聴き取れるまでの時間を短縮できます。短時間学習の繰り返しで効率よくリスニング対策を行い、受験本番に備えましょう。