【大学受験】過去問の使い方次第で学力上昇が加速する

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大学入試に挑戦している受験生はこれまで何度も、予備校講師や高校教師、先輩たちから「過去問を使いこなせ」と助言されてきたはずです。その助言は絶対的に正しいので実行してください。

もし、すでに過去問に取り組んでいるのに、その重大性に気が付いていない受験生がいたら、過去問の使い方が間違っているかもしれません。もし、すでにかなりの本数の過去問を解いているにもかかわらず、学力が顕著に上がっていない受験生がいたら、焦ったほうがいいかもしれません。

過去問は受験勉強の「ブースター(速度増強装置)」です。秋の模試でC判定が出た大学でも、過去問ブースターを使えば一気に合格圏に入ることができます。
正しい過去問の使い方を解説します。

このような過去問の使い方はNG

過去問の効果的な使い方を説明する前に、多くの受験生が陥っているNGな使い方を紹介します。もしここで紹介する使い方をしていたら、早めに修正してください。そうでないとブースター効果を得られないまま受験が終わってしまうかもしれません。

アウトプット用に過去問を使わないのはNG

「勉強」や「学習」と聞くと、目の前の参考書や問題集に盛り込まれている知識を頭のなかに入れるイメージを持つと思います。しかし、そのイメージは、インプットにすぎません。
もちろんインプットは重要ですが、インプットしただけでは合格できません。なぜならインプットしただけの状態では、誰もそれを評価できないからです。

大学受験とは、インプットした知識を解答用紙にアウトプットする作業です。アウトプットが間違っていたら、頭のなかにインプットした知識が正しくても点数を取ることはできません。つまり、正しい知識をインプットして、インプットした知識を正しくアウトプットすることができなければならないのです。

ここで次のような疑問がわくと思います。
「正しくインプットすれば、自然に正しくアウトプットできるのではないか」と。

しかし、それは楽観的すぎます。なぜなら、受験生が自分の頭のなかにインプットした知識と、入試の出題者が問う知識が同じもので、「インプットしてある知識の形態」と「試験で問われている知識の形態」が違うと正答にならないからです。重要なのは形態です。

例えば、ある受験生が「参勤交代とは、各藩の藩主に、自領と江戸を行き来させること」とインプットしたとします。しかしこれでは、入試で「参勤交代を始めた将軍は誰か」という問いが出たら対応できません。

受験生が自分の頭のなかにインプットした知識も、入試の出題者が問う知識も、両方とも参勤交代です。しかし、インプットしてある知識の形態が「制度の内容」で、試験で問われている知識の形態が「制度の発案者」である場合、正答になりません。

過去問を解いておけば、「この大学の入試の日本史の出題者は、人物を問う傾向がある」と把握できます。それが把握できれば、インプットするときに「事象の内容だけを学習しても、あの大学の入試は解けない。人物もしっかり覚えておかなければならない」と注意することができます。過去問を解くことで勉強法が変わってくるのです。

過去問をアウトプット用に使っていない受験生は、ブースター効果を得られないでしょう。

過去問をしゃぶりつくさないのはNG

過去問を、その他の問題集と同じように扱っている受験生は、もう一段上に行くことが難しいかもしれません。ましてや、過去問をその他の問題集よりあっさり解いてしまっている受験生は、じりじりと偏差値を下げてしまうかもしれません。なぜならライバルたちは過去問で確実に偏差値を上げているからです。

「骨の髄までしゃぶりつくす」という言葉があります。これは、動物の肉を食べるとき、肉だけでなく骨のなかに含まれている髄液まで栄養として摂り入れる、という意味です。食物を無駄なく消費することでもあります。

過去問に含まれているのは知識だけではありません。過去問には、自分の志望大学の教授や准教授たちの「知識への想い」が込められています。入試の出題者たちは、受験生に「これぐらいのことはわかっていてほしい」と思いながら設問をつくっています。さらにいうと、「これくらいのことがわかっていないと、うちの大学で学ぶのは難しい」と思いながら問題を考えています。

過去問をしゃぶりつくすことでしか、出題者たちの知識への想いを解読できません。過去問は、その他の問題集の2倍の真剣さで取り組む必要があります。

過去問を解いてみて落胆するのはNG

過去問で合格点を取ることは簡単ではありません。もし、過去問を解いてみたところ簡単に感じ、実際に満点近い点数を取ることが「できてしまったら」、志望大学を1~2ランク上げたほうがいいでしょう。なぜなら、過去問を利用し始めると、まだまだ学力が伸びるからです。

過去問は、解いてみて「難しい」と感じるくらいがちょうどよいのです。なぜなら、過去問レベルの問題を易しく感じるのは入試本番の直前でいいからです。そして、入試本番の日ですら、その入試問題を全問解ける必要はありません。満点合格できるくらいの学力があるなら、やはり1ランク上の大学を狙ってはいかがでしょうか。入試の価値は、トップで合格しても最下位で合格しても変わりません。

過去問を解いて「全然わからない」と思っても落ち込まないでください。むしろ「今、歯が立たないことがわかってよかった」「自分の課題が見えた」と前向きにとらえてください。

過去問を本番と思って解く

過去問に対する気持ちが整理できたら、過去問の具体的な使い方を会得していきましょう。
過去問は本番の入試と思って解いてください。

制限時間マイナス10分で解く

過去問を解くとき、1年分の入試を通しで挑戦してください。最初の設問から最後の設問までを、何も見ないで解くのです。

そのためには過去問に挑戦するときの環境づくりも大切です。まず時間を確保してください。そして、実際の入試の時間から10分マイナスしてみましょう。例えば、120分のテストであれば、110分で解いてみてください。時間終了は、スマホのアラームなどを使って、厳格に設定してください。

そして、途中でトイレに行ったり、何かの用事のために机を離れたりすることがないようにしましょう。机の上には筆記用具以外、何も置かないでください。アラーム用のスマホも引き出しのなかにしまってください。時計は入試本番を想定し、腕時計を使ってください。

慣れに注意

環境をしっかりつくって、制限時間マイナス10分で過去問に挑戦すると、緊張感が得られます。もちろん、入試本番の緊張感よりは弱い緊張感ですが、これだけ準備して挑戦すると没入感が得られるはずです。

没入感とは、問題を解くことにすべての意識が集中し、他のことが気にならなくなる心理状態のことです。ところが、過去問に挑戦する回数が増えてくると、悪い意味で慣れてしまい、緊張感も没入感も減ってしまいます。それではブースター効果が低下してしまうかもしれません。

慣れを防止するには、事前に過去問をやる日時を決めて、A4のコピー用紙に「過去問実施、○月〇日〇時~○時」と大きく書いて部屋に貼っておくのです。これだけで、過去問を解くことが日々の勉強の目標になります。勉強の効率が下がったときも、「過去問を解くまで、もう70時間しかない」と思えば、モチベーションが高まります。過去問への挑戦を特別なことにしてください。

過去問はいつ挑戦すべきか

過去問を始めるべき時期は、人それぞれです。それは、基礎学力がまったくついていない段階で過去問に取り組んでも、学びも気づきも得られないからです。過去問は基礎学力固めが終わり、応用力を身につけ始めようとしているころに1~2回挑戦するとよいでしょう。また、本格的な過去問の取り組みは10月からにしましょう。

<普通の高校の3年生は7月上旬に1~2回、残りは10月から>
普通の高校の3年生は、7月上旬に1~2回分の過去問に挑戦しましょう。普通の高校では、高3で習うことを高3で教わります。したがって4、5月に志望大学の過去問を解いてしまうと、良い成績をとれない可能性が高くなります。結果として、あまりの出来の悪さに志望大学のレベルを落としたくなってしまうかもしれません。

7月上旬に過去問を解いても歯が立たないかもしれませんが、この時期であれば、勉強の方向性が間違っていないことは確認できるはずです。「今は解けないけど、もう少し勉強をすれば解けるようになる気がする」と思えれば、この時期は十分です。しかし、7月上旬に行う過去問は、1~2回分にとどめておいてください。夏休みはインプットを重視しましょう。

普通の高校の3年生の本格的な過去問挑戦は10月からにしましょう。このころになると、合格点の6割ぐらいは取れるようになっているはずです。6割では到底合格に及びませんが、10月の時点であれば、翌年2月の試験までたっぷり4ヵ月半もあります。高3生の学力は加速度的に上昇するので、10月は6割取れれば十分です。

<進学校の高3生は4、5月に1~2回、残りは10月から>
進学校では、高2の段階で高3までの内容を終わらせています。したがって進学校の高3生は、4、5月に過去問を1~2回挑戦してみましょう。恐らく「今は解けないけど、もう少し勉強をすれば解けるようになる気がする」という感覚が得られるはずです。そしてやはり、1~2回解いたら、過去問は一時封印してください。開封するのは普通の高校の3年生と同じ10月で大丈夫です。

<浪人生は4月から>
浪人生は4月から積極的に過去問を解いていきましょう。過去問の感触によって、志望大学のレベルを上げるか、もう一度同じ大学に挑戦するか、または、志望大学のレベルを下げるかを決めたいからです。

もちろん浪人生でも高3生並みに学力を高めていく人もいるので、安易に志望大学のレベルは下げないほうがいいでしょう。しかし浪人生は、高3生よりは4月時点での学力をシビアに把握しなければなりません。

過去問を最良の参考書と思って分析する

冒頭で、「アウトプット用に過去問を使わないのはNG」とアドバイスしました。過去問は、インプットした知識を正しくアウトプットできることを確認するツールだからです。または、インプットした知識を、入試の出題者が望むような形でアウトプットする練習をするためのツールだからです。

しかし、「過去問をインプット用に使わないのもNG」です。過去問でアウトプットの練習を終えたら、そのままインプット用に使いましょう。これが、骨の髄までしゃぶりつくすこと、です。

「次の入試に同じ問題が出る」と思ってインプットする

過去問に詰められている知識は、残らず吸い取ってください。もし過去問について「一度出た問題は少なくとも10年くらいは出題されないのではないか、だから過去問の内容を覚える意味はないのではないか」と考えている受験生がいたら、それは誤りです。

出題傾向はよほどのことがない限り変わらない、と覚えておいてください。また、過去問に詰められた知識は形態を変えて再度出題されることも覚えておいてください。自分が受ける入試に登場する可能性も十分考えられます。

同じ過去問を満点が取れるまで繰り返し解く

過去問は何度も解いてください。例えば、5年分の過去問を解き終わったら、また同じ5年分の過去問を解いてください。理想は、すべての受験科目の過去問で満点が取れるまで繰り返し解くことです。

選択肢をすべて吟味する

そして、選択問題では、なぜ正解の選択肢が正しいのか説明できるようにするだけでなく、なぜ不正解の選択肢は正解に相応しくないのかを説明できるようにしておいてください。

勉強しろサイン

数学の過去問で解けなかった設問は、その領域を、参考書と問題集を使って集中的に復習してください。

過去問で出題された英語長文は、すべて和訳して、その和訳を元に英作文をつくってください。その英作文は、出題された英語長文と同じになることを目指してください。なぜなら過去問で出題された英語長文は、出題者が、文法的にも表現的にも正しいと考える英文だからです。

理科や社会は、正答できなかった問題の答えを参考書のなかに探し、その前後3ページ分を徹底的に学習し直してください。過去問での不正解は「勉強しろサイン」と思いましょう。

まとめ

過去問は、骨の髄までしゃぶりつくしてください。過去問を繰り返し解くことで、出題者の癖がみえてきます。偏差値が高い大学の入試ほど、普通の尋ね方はしません。しかし高偏差値大学の入試でも、突然変異的に、これまでにない切り口で尋ねることもしません。出題者はそこまで意地悪ではありません。

つまり過去問のなかには、自分が受ける入試の答えのヒントが隠されています。過去問を解くことは、答えのヒントを探しにいくことでもあるのです。

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